大手未経験からITベンチャーに入ってみた18週目
転職してから4ヶ月が経過しました。引き続き節約、節制、学習の修行僧みたいな規則正しい生活を継続しております。当初は1ヶ月に1回いわゆるチートデイとしてちょっとお金掛けて外食に行くルールを家族と作っていたのですが、もはやお金を使わないことにやりがいを感じてしまい、月1回の外食すらも必要ない境地になってきました。しかし、例えば数千円するような参考書を買うかどうかに迷ったりしなければならないのはストレスではあるので、何とか1年である程度収入を前職に近づけたいところです。とにかく、まずは1年間積み上げていきたいと思います。
がんばっていると言われている間は2流
毎月月初に役員と面談があり、先日4回目を行なってまいりました。特に何かネガティブな事を言われることもなく、引き続き順調に来ていると評価頂けましたが、今までの3回程頑張っているとか、想像以上だとか、言われることはありませんでした。これは普段の業務中も同じで、今までだと大きな評価を受けていたような取り組みに対してもあまりリアクションがなくなってきたというか、承認欲求という面で見れば物足りなくなってきた感じもします。
しかし、これは今の会社に自分という存在がある程度受け入れられたのだと前向きに捉えています。あの人はまあこのぐらいできるのは当たり前だとある程度の基準を作ることができた、と。そもそも仕事は自分の承認欲求を満たすためにやるものではありません。あのID野球で有名な野村克也さんも、人を育てる時は無視(3流)→称賛(2流)→非難(1流)と言うように、称賛されているうちは2流なんですよね。私も前職で一応管理職やってましたが、部下を称賛しているうちはまだ様子見というかその部下の事をよくわかっていない状態、こいつできると思えばかなり無理難題をあえて任せたりして意図的に負荷をかけたりもしていくわけです。皆さんも褒められたら嬉しいと思いますが、その間はまだ2流、安心せず日頃の業務に勤しみましょう。
ベンチャー企業の社内情シスという仕事
私が今いる会社は社員が9人しかいません。今新たに新規社員の採用活動を始めたところですが、こういう規模の会社では例えば私のように(前職では全くITに携わってなくても)プログラミングスクールを卒業したぐらいのレベルでもマネジメント経験がある等で会社の仕組みを作っていくことが求められて入社している場合は、社内のシステム管理的な事を任せてもらえる可能性もあります。私はまさに一歩一歩、一人前の社内情シスになるために学習をしているのですが、この度社内VPNを導入する為に自身の責任で色々動かなくてはならなかったのでその経験を一応共有します。
VPNとはインターネット上に仮想的な専有空間を作り、セキュリティを確保した通信を実現する接続方式のことで、リモートワーク環境から社内NWにアクセスしたり、拠点間の通信のセキュリティを担保するものです。私もCCNAの資格を取得する際に学習はしていたものの、いざ自社の環境に合うものを決めるとなるとなかなかプレッシャーもあるし、調べることも多いです。例えば、リモートワークではSSL-VPN、拠点間の通信ではIPsecが適していると言われているし、インターネットVPNとIP-VPNの違いもあります。さらに言うと、SSL-VPNの中でも数えきれない程のサービスがあるわけで。その中でどこのサービスを使うのが良いのかを仕事として調べたり、営業の方と話したりするのはかなり勉強になりました。VPNだけじゃなくて、ウイルス対策ソフトとかの重要性も。なので、一般的には未経験のIT転職と言えばプログラマーになることを目標としている人も多いと思いますが、このような社内情シス的な役割を狙っていくのも一つの手です。もしITベンチャーに入ったなら是非手をあげてみてください。
スタバで仕事している人のセキュリティは大丈夫なのか?
IT業界に来てからと言うもの、前職にいた頃の自分のITセキュリティのしょぼさを思い返すと本当にゾッとします。例えば、パスワードは簡単で覚えやすいものを使い回ししていたり、フリーwifi環境で仕事したり、PCの画面ロック等もせず、FWとは何かすら知らず、部下に見られてはいけないファイルのアクセス権限もかけず、平気で怪しいサイトや迷惑メールに遊び半分でアクセスしていたわけです。本当に今となっては信じられません。
しかし、意外とこの辺の特にNWのセキュリティに関わる部分はプログラミングスクールでは何も教えて頂けません。だからふと思うのですが、スタバとかマックでプログラミングとか仕事している人は、その辺のセキュリティは大丈夫なんでしょうか?まさかフリーwifiをがんがんに繋げて作業しているわけはないと思うのですが、例えば、物理的な話でもトイレに行ったりする時はどうするのか?等が心配です。(そもそも私はスタバのコーヒーの味が嫌いなので、なんであんな無駄に高くて美味しくない商品を買って皆にアピールできるのかなって思います。コメダ珈琲の方が美味しいと個人的には思います)。あと電車の中でPC開いていて作業している人もいますが、見たくもないのに画面の内容が見えてきて嫌な思いをすることもあります。こういったセキュリティの甘さから万が一事故が起きてしまった場合、セキュリティに掛かるコストの数百倍の損失がかかる場合もあります。前職でもコンプラ的な教育は全従業員に徹底的にされていましたが、予防にコストを掛けた方が良いことに関しては、事故後の緊急対応を経験したことがある人ならきっと共感頂けると思います。
技術に強くなればなる程顧客起点でなくなる現象
私の学習習慣として、平日業務の前後2時間、日曜日8時間、土曜はダラダラ技術的なyoutubeとか暇な時に見る、と言うのは転職してから完全に定着しています。その中で、大体技術的な事が6割、ビジネスサイドの事が4割ぐらいの比率で学習しています。技術的なことはLinuxのレベル2受験に向けての試験対策と日曜はPCで実際に環境構築して最近はJavascriptで何かしら作るようにしています。ビジネス的なことは主にグロービスで学んでいます。
私の本業はコードを書かないSEみたいな感じですが、技術的な事を知っている方がよりプログラマーの気持ちも理解できるし、精度の高い仕様書を書けるしプロダクトマネジメントもできると信じて学習しています。(そもそもプログラミング自体が好きなので趣味的にやっている感も大きいです)。しかし、技術の事を知れば知るほど、プログラマーの事を尊敬すればする程、無茶な要求はしたくないと言うマイナスな部分も出てくることもわかってきました。技術の事を知らない一般的な顧客の視点で見れば重要な改修も、技術者目線で見れば取るに足らないからやり直す必要が無いと言うような場合がよくあります。しかし、技術者にその重要性を理解させる事が重要です。今でも私は営業視点が強いとは思っていますが、私の観測する限り、技術のことしか知らない人から提案されるプロダクトの仕様は正直こんなの売れるわけないだろって感じるズレたものが多いですし、基本的にIT業界に従事する人と関連がない大多数の価値観は全然違います。あくまで我々はマイノリティという意識を持って一般的な価値観から逸脱することのないサービスを提供しなければなりません。だから技術だけ学んでもダメ、しっかりビジネスサイドの知見も前職の経験以上に蓄えておかないといけないのです。
採用側に立って知りたいのは相手の失敗談
実際に社員を採用する立場になって思うのは、面接で本音で話してくれない人には魅力は感じないという事です。もちろん、最低限の礼儀作法は知っていて欲しいのですが、それ以上にテンプレ全開の全く響かない言葉で話してくる人を見るともっと本当の事を知りたいんだけどなーって思い、落とします。入社してから教育するのは私になる可能性が濃厚なので、私との相性も重要な要素なのですが、何年も一緒に働く、しかも我が社みたいな社員数が少ない環境においては腹割って話せるかどうかって重要です。もちろん、こちらとて本音を引き出すように努力しますが、綺麗事しか言わない人は信用できないですね。その中でも、一番重要な質問だと思っているのが、前職での最大の失敗だと思う事を教えてくださいってものです。
ある程度自主的に仕事をしてきた人なら、成功の数だけ必ず失敗しています。この質問に対して、本音で話してくれた人にはすごく共感できます。よく面接のテクニックで全て前向きに捉えられるように話すというものがありますが、そんなのはいりません。失敗して、大火傷を負って、その反省や悔しさが話す姿から感じられればそれでいいんです、別にそれをどう乗り越えたかはどうでもいい。なぜなら、失敗やトラウマ、は仕事に対する大きなモチベーションになるからです。本当に大きい失敗であればそれが何年前であれ、心の片隅には痛みとして残ります。しかし、その痛みがある人は人一倍頑張れます。それは薄ぺっらい自己実現したいというモチベーションに必ず勝てるようなものです。あくまで私個人的な意見ですが、私は面接官として、相手にそのような失敗経験やトラウマがあるか?そしてそれに勝ちたいと強く思っているか?を大きな判断基準にしています。技術的な事や多少のビジネススキルはどうせ教育担当になる私が教えればいい、しかし、仕事に対する心の中から湧き上がるモチベーションは上司でも中々管理することは難しいのです。もし、失敗談が思いつかないという人がいるとすれば、それは自分のキャパを超えるようなチャレンジングな仕事を任されてこなかった人、と判断するし、そういう人はたぶんベンチャー企業には向いてないと思われます。IT転職と同じぐらい、ベンチャーという環境は特殊でやりがいもリスクもある、という認識は持っていて頂きたいと思いますね。失敗とか自分の弱み、是非本音で話してみて下さい。