旅する猫 ③
ボクはクライマー
2021.9月
ボクはまだ小さいから
外に出ちゃだめって言われる
ボクの大きなおうちは網だらけ
小さなボクがすり抜けちゃうから。
母ちゃんはワンちゃんのおうちを買ってきたらしい
やれやれ。だ
ボクが保護されたとき
猫風邪で目ヤニがすごくてまぶたがくっ付いてて
先生が
「もしかしたら視力はどうなのかわからないですが」と。言われてた
母ちゃんはボクと遊びながら
ボクの目の前にオモチャを置いたりしてた
見えているか確かめていたんだな。
ボクは見えているよ
はっきりではないけれど
大丈夫さ
ちゃんとエモノも捕まえられるからね。
チビ姉ちゃんは外でゴロゴロと気持ち良さそうに転がってる
ボクだって出たい!えいっ!!
ボクは小さなツメをひっかけてグングンのぼっていく
でも
外にでられないんだ。
グングンのぼるボクを見た母ちゃん
笑いながらちかよってきた
「ツネ!降りられなくなるよ」って
ボクをつかんで外に出してくれた
母ちゃんは笑ってるけど
ボクはいたってマジメなんだぞ!
高いところだってへいきだ。
ふん。でもいいや
「わーい!まんまと出られた!」
ボクとお花
2021.10月
ボクはどんどん大きくなる
母ちゃんたちが庭のお花を触っていた
これは
食べものではないんだ
ボクはどんどん大きくなる
母ちゃんはボクの背中を撫でながら
「ツネ。そのうちチビ姉ちゃんよりおおきくなるね!逞しく育ってね」
だって
まかせて!
ボクはかっこいい大人の猫になるんだ
少し大きくなったボクは
外に出る時間も増えてきたよ
外はおもしろい。
チビ姉ちゃんのケガも良くなってきた。
良くなってきたけれど
変わらず
ボクにはスパルタだ。
スパルタだけど
ボクの好きな良い匂いがするんだ
こっそり触るとふわふわしてて
大好きなんだ
チビ姉ちゃんに会いたいな
今のボクは旅の途中だ
ふぁ〜。お腹いっぱいだし
ちょっとお昼寝しよう
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