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【番外編】レトロ専門家に聞く! なつかしすぎる・・シリーズ累計1,500万枚!驚異の大ヒットメールソフト[PostPet]の魅力 ”PostPet モモ×レトロ専門家 山下メロさんインタビュー”

皆さんは「平成レトロ」という言葉をご存知でしょうか?

ギャル、ガラケー、ネット文化など、デジタルとアナログが共存しあっていた、ちょっぴり懐かしい青春時代・・その当時の文化やアイテムが今、「平成レトロ」として改めて10-20代を中心に「エモい」「ダサかわいい」と人気になっています。
そんな平成レトロの生みの親 山下メロさんに、ポストペット、そしてモモの魅力を語っていただきました!

*モモはおしゃべりができないので、モモスタッフが代わりに質問していきます!

モモスタッフ(以下:スタッフ): 山下メロさん、本日はよろしくお願いします!

山下メロさん(以下:山下): よろしくお願いします!

momoアップ

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「人の記憶の扉を開く」ーレトロ専門家としての使命感

スタッフ:まず、山下さんは一体何をしている人なのか、お聞きしてもよろしいですか?

山下:私は人の記憶の扉を開く、というような活動をしています。
忘れさられたものだとか、「懐かしいなー」と青春時代を思い出すようなものを、探してきて人に見せる、そういう活動ですね。

スタッフ:なるほど!

山下:その中でも特に、昔のお土産品や平成初期の忘れられがちなカルチャーの発信を仕事としています。この分野の専門家をやっている人が少なくて、「自分がやらなきゃ」という使命感もあって。

スタッフ:使命感!かっこいいです。その発信・保護の一つとして、イベントなんかも精力的に開催されてますよね。

山下:はい。2年前に開催した「なつかし部屋再現展」では、再現した昔の子供部屋の中に入ることができて、モノに触れられるような展示にしたんです。
アイテムの写真とかってSNSに溢れていますけど、体験しないと得られないものってあるじゃないですか。私はそういう手触りとか香りとかを大切にしていますね。カルチャーを五感で味わうことが重要だと思っているので、現物を見て、ネットでは味わえない体験ができるイベントを行っています。

その流れで平成レトロを扱っていただいたのが、TV番組「マツコの知らない世界」です。この番組では、平成初期のアイテムを紹介させていただきました。よく話題に上がるメジャーなものではなくて、部屋にポンと置いてあったみたいな……見ると当時を思い出して、「あったあった!」ってなるようなものをご紹介しました。

スタッフ:面白い〜!それでいうと、『たまごっち』ではなくてってことですよね?

山下:そうですね!たまごっちもあるけど『ぎゃおッPi』もあるよと(笑)

スタッフ:し、知らない!(笑)

山下:たまごっちがあまりに売り切れたんで、ぎゃおッPiっていう類似品が出たんです。
怪獣を育てるんですけど、すぐ死んじゃうんですよ。でもそれも人気で、とにかくそういうインスパイア品がたくさん出て……。
あと、同時期にちっちゃいテトリスも出ましたね。いっぱいゲームが遊べる『8 IN 1』とか『144 IN 1』とか。

スタッフ:ちっちゃいゲームブームだったんですかね?

山下:そうですね。私はそういう、たまごっちが流行った周辺で起きてたことまで伝えたいんですよね。類似品が出て、最終的にこんなんまで出ちゃいましたみたいな。

90年代後半といえば『たまごっち』ってなっちゃうんで、そこも含めて文化だなってことをちゃんと伝えたいと思っています。

スタッフ:なるほど。名前のないものから、当時の暮らしぶりとかブームを紐解いてお伝えする……

山下:当時を知らない世代にも「こんなのあったんだ!」とか「この時代ってこういう暮らししてたんだ!」っていうのを感じさせることに意義があるのかな、と思います。

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青春だったあの頃を忘れないで!ー『平成レトロ』に込めた想い

スタッフ:素敵です!では、『平成レトロ』というワードはどのようにして生まれたんですか?

山下:最近まで『昭和レトロ』がブームだったんですよ。時は平成だったので、「平成って今じゃん。今のものは古くないよ」って言う感じで平成カルチャーが無視されてたんですよね。昭和ばっかりがいいものとして持ち上げられてて。

でも、平成の初期は懐かしがれるし、みんな青春だったし、「もっと平成もちゃんと取り上げようよ!」って言う気持ちで『平成レトロ』っていう言葉を作ったんです。そうして、レトロの中でも「ここ忘れてるよ!」っていう所を、掘り返すようになりました。

スタッフ:なるほど!平成の、みんなが忘れている部分を補填しよう、みたいな?

山下:そういうことです。

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平成初期の若者パワーに魅せられて


スタッフ:では、(色々あるとは思うのですが)ズバリ平成レトロの1番の魅力は?

山下:平成初期の話でいくと、バブルが崩壊して、焼け野原みたいな状態から、若者が文化を作っていったっていうのが良いですね。

スタッフ:おおお〜!それはギャル文化とか?

山下:そうですね!ギャルとかポケベルとか。
ポケベルって元々、ビジネスツールだったんですよね。ビジネスマンはバブル崩壊で大打撃を受けてて、お金とか使えないんですけど、女子高生はそんなの関係ないので、親の金とかバンバン使うし、お父さんが使ってたポケベルを友だちとのコミュニケーションツールにしちゃったり。

スタッフ:うわあ(笑)でもそうやって新しい文化ができていくんですね。

山下:イノベーションというか、新しい価値を生み出していって、それが文化になっていく。働く世代は元気がないけど、学生はじめ若い子たちが、焼け野原みたいなところに新しく文化を積み上げていく……その勢いがいいなぁと思います。

スタッフ:今では当たり前になっている『若者がトレンドを作る』の先駆けですね!!

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ポストペットは平成のEメールの価値観を変えた?!


スタッフ:それでは、ここからはポストペット、それからモモについてお伺いします!
まず……ポストペットって利用されてましたか?

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山下:使ってました!
ポストペットもまさにポケベルと同じなんですよ!つまり、Eメールってビジネスツールだったんです。すごいお堅いソフトしかなかったところに、このポストペットっていう概念が生まれてガラリと価値観が変わったんですよ。キャラクターを使った楽しい世界観が良くて、ビジネスシーン以外でもメールを送りたくなる。

スタッフ:確かに!

山下:まだPCがそんなに普及してなかった時代なのに「ポストペットを使いたいからPC買ってみた」って人いましたよ。なのでポスペが出てなかったら、iMacやケータイメールの流行りも無かったかもしれないですね。

スタッフ:そうですよね!それこそ究極チャットアプリなんかも流行らなかったかも?!

山下:うわ、ありえますね(笑)

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「モモちゃんがPCやインターネットを身近なものにさせてくれた」


スタッフ:モモについてはどうですか?印象というか。

山下:当時のキャラクタービジネスは、キャラクター会社のキャラより、企業発のキャラが強いっていう風潮があって。その1番の象徴がモモちゃんなのかなぁって思います。
あとは……斬新ですよね。

スタッフ:この色ですよね。

山下:多分このカラーリングって、当時そんなに見かけなかったと思うんですよ。バービーピンクっていうんですかね。このモモちゃんのピンクは、ピンクの価値自体を変えた気がします。見た目の印象強いですし、これはすごい発明ですね。

スタッフ:あ!モモ嬉しそう!(ルンルンなモモを見ながら)ありがとうございます。
ちなみにモモのグッズとかってお持ちですか?

山下:実は今日持ってきたんです!

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スタッフ:かわいい〜〜〜!マウスですね!このスケルトンな感じが良いなあ。

山下:これが発売された時期、まだPCの周辺機器って可愛くなかったんですよ。なんか無骨というか。そこにこういう気分の上がるような、可愛らしいマウスやキーボードを作ったていうのはすごい重要ですよね。モモちゃんがPCやインターネットを身近なものにさせてくれたんですよ。

スタッフ:確かに。メールだけじゃなくて、PCを触ることに対するハードルも下げたんだ!

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「デジタルだけどアナログ」ーポスペが多くの人に愛されたヒミツ


スタッフ:そんなメールやPCに対する堅苦しさを変えたポスペですが、もう少し詳しく、山下さんの思うポスペの魅力についてお話していただけますか?

山下:Eメールのやりとりってすごく無機質なんですけど、そこにモモちゃんが入ったことで、温かみがプラスされたという点ですかね。
本来の手紙のやりとりって、『家の郵便受けに手紙が入ってそれを取りに行く』っていうアナログな手触りがあるじゃないですか。ポスペはそれがビジュアルで示されているので、PC苦手な人にもわかりやすいですし、温かみがあった。それってすごく大事なことだと思うんです。

スタッフ:ビジュアル化されているから、手紙のやりとりを実感するというか。

山下:そうそう。さらに、そこにまたプラスの要素(飼育したり、コレクトしたり)がある。それを維持して楽しむっていうのがすごく良かったです。
デコレーションメールが流行ったのもだいぶ後なので、それまでメールは味気なかったんですよ。なので、無機質だったメールのやり取りに色がついたというか。かつ、ちゃんとデジタルだけどアナログみもあるおかげで、PCやEメール、インターネットの世界に親しみやすくなったという点が素晴らしいと思います。

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令和でもバズりたい!ーモモと平成レトロのこれから


スタッフ:では最後に、モモと平成レトロのこれからについてお聞きします。
今の10-20代に、90年代〜2000年代初期のギャルブームやカルチャーがウケていて、『平成レトロ』がアツい!と言われているのですが、これに対して山下さんはどう思われますか?

山下:すごく嬉しいです!時代を通ってきた人は、流行りすぎたものって流行った直後に「ダサイ」とか「黒歴史だ」って思ってしまうけど、若い世代がこうやって「エモい」とか「面白い」とか、そういう風に見せてくれることで「あっ!これも魅力的な時代だったんだ」って再確認できる部分もあると思うんですよ。「あんな時代もよかったよね。懐かしい」って良い思い出とともに蘇ってくると思うので、すごくいいなと思います。

スタッフ:確かに、再発見できるっていうのは良いですよね。
そんな平成レトロの波が来ている令和の時代で、モモに期待することってありますか?

山下:今その若者の間で流行っている、カセットテープ、レコード、使い捨てカメラって面倒じゃないですか。要するに手間をかけるのが良さなんですよね。

スタッフ:ああ〜、めちゃくちゃわかります!

山下:ポストペットって「あー!届いてる!」「届いてない!」「どっか行っちゃった!」って言うのを楽しめるものなんで、そういう不便の象徴というか(笑)
普通のEメールは一瞬で届きますからね。突然メールの行数が増えるだけです。結局人間って、なんでもかんでも瞬時にやられると面白くなくなっちゃうんですよ。そういう手間の象徴として、平成レトロを引っ張ってくれると嬉しいですね。

スタッフ:面白そう!Eメールのちょっとしたタイムラグを若い子に新鮮に思ってもらうとか…手間の体験をポストペットでやってほしいですね。

山下:アナログな手触りがあった時代の方が「エモい」って言う感情が動くから、そこに意味があったんだと思います。そういうサービスがまた復活したらいいなぁと思います。

スタッフ:最近5Gが話題になって、どんどん生活が速く、快適になっていく予感がしますが、結局人間ってアナログな手触りとか、ちょっとした面倒臭さが好きなんでしょうね。

スタッフ:今日は本当にありがとうございました!

山下:こちらこそありがとうございました!


スタッフ:モモのこと、新しい人にもたくさん知ってもらえるといいね。頑張ろうね!

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山下メロ(やました・めろ
1981年 広島生まれ。庶民風俗の研究家。
バブル時代の観光地みやげ「ファンシー絵みやげ」と平成初期の文化「平成レトロ」を主に研究。
著書に『ファンシー絵みやげ大百科 失われたバブル時代の観光地みやげ』(イースト・プレス刊)がある。
絶滅危惧種である「ファンシー絵みやげ」の保護活動を日本全国で行い、そのフィールドワークの出来事や調査結果を各メディアで随時発信している。
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