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やんちゃとのなれそめ
キジトラで丸しっぽのやんちゃは、我が家の初代にゃんこ。
賢くてお茶目で活発な女の子。
私たち夫婦がまだアパート暮らしをしている時に彼女は来た。
あの日は旦那の友人が郷里から来ていて二人で盛り上がっていた。私が少し退屈を感じはじめた頃、外で鳴いている猫の声に気づいた。誰かを呼んでいる。寂しげな気になる声。
外に出て探すが目には見えず、ちちちっと口で音を出しながら呼び掛けると、どこからともなく猫が現れた。それもアパート二階の階段を登って来たのだ。
自分に猫寄せの才能があるのかと嬉しくなるぐらいの反応で、さらにいきなり初対面で抱っこさせてくれて、ゴロゴロ言っていた。
家の中で盛り上がる旦那と友人に、突然どこからともなく猫を呼び寄せ、「ねー、見てー、猫来たー!」と抱いた猫を見せる私。
「どゆこと?」と驚く二人を尻目に、何か猫が食べられる物はないかと探す。
その日の晩餐は刺身の盛り合わせだったが、残念ながら甘エビのしっぽぐらいしかもう残っていなかった。
それでも、うにゃうにゃと言いながら、喜びを表しながら美味しそうに彼女は食べた。
初夏だったが暑い日で、玄関を少し開けていた。いつでも好きなタイミングで出ていけるようにしていたのだが彼女は出ていかず、さすがに寝るときに玄関を開け放して寝るのは無用心なので一晩彼女を泊める事にしてドアを閉めた。
部屋で粗相をされても困るので、段ボールに園芸用の砂を敷いて簡易猫トイレを作ってその日は寝た。
やんちゃとのなれそめ・2に続く
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