過去と未来の繋ぎかた…⑧
アルノ:私、職員室に寄っていくから…
アルノはそういって職員室へと向かった
僕と池田さんは2人で帰ることにした
カサッ
○○:まただ…
靴の中にまた紙切れが入っていた…
瑛紗:うん?どうしたの?
○○:あー、例の紙切れが入っていて…
瑛紗:アルノが妹さんに犯人だと思われてたやつ…?
○○:そう…
紙切れをそっとひらく
” 応援してます "
○○:応援してます…?
瑛紗: ……
○○:なにをだろ…
瑛紗:なんだろ…私もわからない
今までとはどこか違う…そんな気がする
僕とアルノを応援してくれてるなら嬉しいんだけど…
…
……
アルノ:失礼します、
秋元:あれ?どうしたのアルノちゃん
アルノ:ちょっと先生にお願いがあって…
秋元:メイド喫茶に反対のこと以外なら聞くよー笑
アルノ:違います!
…
……
秋元:ふぅ…そうだったんだね…いいよ、先生から伝えておくね。
アルノ:ありがとうございます。
秋元:アルノちゃん
アルノ:はい。
秋元:がんばってね。
アルノ:はい…
次の日
キーンコーンカーンコーン
6限の終わりのチャイムが鳴り響く
今日は金曜日、つまり今週の授業の終わりだ
大田優男:よーし、今週もおわったー
中山守夫:どうする?ボーリングでもいく?
○○:お、いいね!!
○○くんが楽しそうに話しているのを聞きながら、私は帰り支度をはじめた
○○:あれ?アルノすぐ帰るの?
アルノ:うん…今日、行かなきゃいけない所があって…
○○:そっか…じゃあ、またね。
アルノ:うん…日曜日はまた明日、連絡するね
○○:わかった
私は5駅ほど電車に揺られ、目的地へついた
アルノ:すみません。
受付:どうされました?
アルノ:電話した中西ですけど…
受付:あーはい、少しおまちください。
??:えっと、中西さん?
アルノ:あ、はい。
設楽:待たせてごめんね。
えっと ” あの事件 ” 以来かな…
アルノ:はい。すみません。お忙しいのに…
設楽:あー、大丈夫、大丈夫。
今日は朝から変なおばさんがうるさいだけだからw
アルノ:変なおばさん…?
設楽:そうそう、日村さんっていうんだけどw
設楽:朝から暴れまわって大変w
アルノ:そ、そうなんですか…
設楽:まぁあの人のことはいいわw
それで、今日は何のようだい?
アルノ:えっと…お願いがあってきました…
設楽:お願い?
アルノ: はい…実は…
…
……
設楽:なるほどね、
アルノ:どうでしょうか…?
設楽:ありだと思うよ。
ああいうのはきっかけが必要だったりするからね
アルノ:ありがとうございます…///
設楽: 俺からもいいかい?
アルノ:は、はい。
設楽: " あの事件 " …まだ話してない事ないかい?
アルノ:え…?
設楽:もしあるなら…知りたいかな…
君の行動と僕が知ってる事それでは辻褄が合わない
アルノ: ……あの…笑わないでもらいますか?
設楽:笑わないよ、ぜったい。
アルノ:瑛紗…えっと友達に話したら…笑われて…///
設楽:そっか、じゃあ笑わないよう努めるよ…
アルノ:じつは…
…
……
設楽:だっはっははははwww
アルノ:うぅ、笑わないでって言ったのに…///
設楽:あ、いやごめんねwでもなるほどねーw
アルノ:はい。
設楽:中西さん、めちゃくちゃ青春じゃんw
アルノ:いや、もうやめてください……
設楽:ごめんごめん、あんなことがあったのに笑ってたらダメだよな
アルノ: ……
設楽:うん、そういうことなら大丈夫だよ、ぜったいうまくいく!!
アルノ:はい…
設楽:がんばれよ、中西ーwww
アルノ:もうっ///
帰りの電車に揺られながら、いろいろと考える
あとは…私が前に進むだけ……
私はクラスメイトにLINEを送った…
~ 過去と未来の繋ぎかた ~
第8話 ” 告白 ”
日曜日
○○:じゃあいってきまーす!
母:はーい、気を付けてね!
彩:お兄ちゃん、どこいくのー?
○○:うん…ちょっと遊びにね!!
彩:彩も行く!
母:だーめ、彩にはちょっと話があるの…母の手伝いして!
彩:えー
僕は待ち合わせ場所の駅前へと向かった
アルノ:おはよう!
○○:おはよう!!この前と一緒で木の裏にいるんだね笑
アルノ:うん、ここなんか好きなんだよね笑
○○:そうなんだ笑
アルノ:あー!!晴れてよかった!!!
○○:そうだね!
アルノ:よし、いっくよーっ!!
秋晴れという言葉がぴったりな天気
だからなのか、それとも彼女がこの日を楽しみにしていたからなのか?
歌も歌ったりしていて、
アルノのテンションはいつもより高かった
アルノ:太陽ノック~ 誘っているよ~ 空の下は自由だと言ってる~
○○:なんか今日テンション高いね、アルノ
アルノ:だって今日楽しみだったからっ
○○:え?
アルノ:○○は?楽しみだった?
○○:あ、うん、楽しみだったよ…///
アルノ:そっか、良かった!
駅前のビルで一緒に買い物をして
池田さんが言ってた新しくできた喫茶店で昼ごはんを食べた
いつもよりまっすぐなアルノ
その日の僕は彼女の魅力にどんどん惹かれていった
アルノ:そろそろかなー
○○:うん?
アルノ:移動しまーす!!
○○:どこに行くの?
アルノ:うーん、思い出の場所? 笑
○○:なにそれ?笑
アルノ:いいから、黙ってついてきてくださーい笑
そういって彼女は僕の手を握る
温かい手に引っ張られ、僕はアルノと電車に飛び乗った
アルノ:あのね、○○は怒るかもしれないけど…
突然、窓の外みつめながらアルノが話し始めた
○○:うん…
アルノ:”過去”の場所の行きたいの…
○○:えっと、その…いなくなった彼氏との…場所…?
アルノ:”未来”のために…
〇〇:未来のため…?
アルノ:うん… " 過去と未来を繋ぎたくて "
○○: ……わかった
アルノ:ごめんね…
○○:乗り掛かった舟だよ、今は電車だけど 笑
アルノ:○○なら許してくれると思ってた… 笑
そのあと殺風景な駅で降り、
僕たちはたんたんと砂利道をあるいていく
○○:あれ……?
アルノ:どうしたの?
○○:ううん、なんでもない…(あれ?なんだろ…)
違和感が何かわからないまま
アルノに手を引かれ歩いていく…
すると校舎がみえてきた
○○:これは…廃校?
アルノ:そう、ここがその場所…
○○:すごいところだね笑
僕たちは校舎に入り、探検していく
○○:へー、こうなってるんだ…
アルノ:意外と面白いでしょ笑
○○:うん、なんか不思議な感覚 笑
アルノ:ねぇ、ちょっとまってて!!
○○:うん、わかった
アルノはバッグをもってどこかへ行ってしまう
…
……
アルノ:おまたせ。
○○:あれ、着替えたの?笑
アルノ:そう、ねぇ…どう……この格好?
○○:うん、似合ってる!!
アルノ:もっと…
○○:??
アルノ:もっと、ちゃんと見て……
あれ?…
僕は…
その服を…知ってる…
アルノ: ……
○○:夢で見た……
アルノ:うん。美術室でそう言ってたね……
○○:夢でみたアルノと同じ…なにこれ?デジャヴ……?
アルノ:ちがうよ……
○○:え……
アルノ:これは…
" 私と○○が初めてデート " した時の服…
アルノ:私の大好きな人は " ○○ " だけ…
それだけは絶対に "ずっと" 変わってない
○○:ま、まって…どういうこと…
アルノ:私の彼氏はずっと ” ○○ ”なんだよ…
○○:いやいやいや!! 僕は10月に転校してきたばかりで…
アルノ:してないの…○○はずっと私と同じクラス…
○○: えっと…
アルノ:○○は…○○は…夏休みに交通事故にあって…
○○:交通事故…?
アルノ:それで…記憶喪失になって…
〇〇:記憶喪失…?
泣きながら話してくるアルノ
アルノがとても嘘をついているとは思えなかった
○○:ご、ごめん。あたまが追い付かなくて…
アルノ:ごめん…いきなりこんな…
○○:僕は…みんなと同じクラスだったってこと?
アルノ:これ…みて…
アルノは手帳をとりだし、
前に僕に見せてくれた写真を渡してきた
アルノ:何枚か、見せなかったよね…
○○:うん…
アルノ:これは…そのとき、見せなかった写真…
その写真には…
写るはずのない人が写っていた…
○○:彩が…彩がうつってる…
アルノ:彩ちゃんは…よくクラスに遊びに来てたから…
〇〇:彩が?
アルノ:だってこれは " 〇〇が撮った写真 " だから…
〇〇:え?うそでしょ…
アルノ:ほんとだよ……
○○:じゃ、じゃあ…僕はほんとに…
アルノにそんなことないよって言って
前の学校のことを話す、それだけなのに何もでてこない…
アルノのいうことが真実なら…僕は
アルノ:○○、ごめん…ずっと黙っててごめんね…
○○:そっか…だからだ…
アルノ:○○…?
○○:だから…冨里さんたち、僕の家知ってたんだ…
アルノ:私たちは小中高と同じだったし…
それに○○の家は和の家と近いから…
転校初日から近道を知ってる妹
クラスメイトの名前をすぐ覚えれる自分
僕の家を知っている冨里さん五百城さん
他にも…たくさん…
全部、そうだったんだ…
○○:じゃあ僕はほんとに…交通事故にあって…
アルノ:ごめんね…ずっと " 嘘 "ついててごめんなさい
〇〇:あぁ……記憶喪失……
涙を流す僕
アルノはそんな僕をぎゅっと抱きしめてくれた
○○:こう…つう…じこ…?
アルノ:うん…
○○:そういえば…そんな夢も見た気がする…
アルノ:○○…?
○○:バカ…大嫌いっ…って…
アルノ:!!
○○:っ……
ズキッ、と頭に衝撃が走る
バカ…大嫌いっ…
そう僕に放つ女の子
僕がよく見る夢…
そう言い放ったのは…アルノだ…
ズキッ!!!
どんどん頭の痛みが強くなっていく…
○○:はぁ…はぁ…痛っ!?
アルノ:○○!!大丈夫?!!
○○:はぁ…僕は…ズキッ……アル…ノに振られt……
アルノ:○○…?
頭の痛みで朦朧となり、僕はそのまま倒れた
アルノ:○○っ!! ○○っ!! ○○っ!!!
意識が遠のく中、
アルノの声が最後にかすかに聞こえていた
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