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転校生と幼馴染 〜選択肢をあなたに〜 #7 新学期編


俺は悩んだ末に…


〇〇:去年と同じ図書委員にします!

美月:わかった!よしっそれなら安心だ

〇〇:うん、安心?

美月:うん、もう1人が遠藤さんだからっ

〇〇:あ、そうなんですね!

さくら:〇〇くん、よろしくね


〇〇:うん、よろしく!

さくら:あの…

〇〇:うん?

さくら:賀喜さん…と…

〇〇:遥香と?

さくら:賀喜さん…とっても辛そうだったけど大丈夫かな?

〇〇:あー、昨日あまり寝れなかったらしいから、寝れば大丈夫だと思うよ

さくら:そうなんだ、良かった…


美月:はぁーい!各委員会は今日の放課後からあるので必ず行ってねー!


生徒:はぁーい!


キーンコーンカーンコーン

美月先生の言葉と同時にチャイムがなる

黒板をみると遥香は飼育委員になっていた
本人がなりたかったのとは違うかもしれない…まぁ今度困っていたら手伝ってあげようと思う



〜昼休み〜

遥香が心配になり俺は保健室に向かった


〇〇:こんにちはー

美波:うん?賀喜さん?

〇〇:はい!

美波:いま寝てるからカーテン開けちゃダメよ

〇〇:そうですか…体調は?

美波:かなり良くなってたよ

〇〇:良かった

美波:1時間くらい前かな、起きてお弁当食べてたから、とりあえず今日は1日休んでもらおうかな

〇〇:お弁当食べたんですね

美波:美味しい美味しいってずっと言ってた笑

〇〇:あ、そうですか(良かった)

美波:うん。そんなに独り言いう?っていうくらいずっと言ってた 笑

〇〇:そうだったんですね 笑

美波:うん、だから安心して!

〇〇:わかりました!


梅澤先生の言葉をきいて俺は保健室をでた
肩の荷がおりたのか少し安心し午後の授業は集中して受けることができた




〜放課後〜



図書室


史緒里:はい、以上が図書委員の仕事になります、まぁ基本的にはたまーに昼休みや放課後に本の貸出返却の対応をするってことだね

図書委員会の担当を受け持っている久保史緒里先生の挨拶と説明が終わる

史緒里:じゃあみんな今年もよろしくね!

生徒:はーい

史緒里:今日はみんな帰っていいよー!あ、でも〇〇には残ってもらおうかな

〇〇:あ、はーい

史緒里:なに、その腑抜けた返事は…笑

〇〇:いやだってさ…

史緒里:いいから手伝うっ!!

〇〇:わかりましたよ

史緒里:ありがとうっ!


3年間図書委員だった俺は度々、久保先生の作業のお手伝いに付き合わされていた
そのせいもあって呼び捨てで呼ばれてもいる 笑



さくら:えっと…私は…

〇〇:遠藤さんは帰っちゃって大丈夫じゃないかな?

さくら:そ、そう…

史緒里:うん!遠藤さん、大丈夫だよ!〇〇がいればなんとかなるからっ笑

〇〇:うわっ、もう少し良い言い方あったでしょ

史緒里:ごめんごめん笑

〇〇:ったく。それで今日は…どうせ新しい本を区別するんでしょ…

史緒里:正解!!!さすが〇〇っ!校長先生がまた新しい本たくさん購入しちゃってさ、もう大変なのよ

窓から映る校長室を指差しながら久保先生は愚痴る

〇〇:今年はなに購入したんですか?去年みたいなことはやめてほしいなぁ

史緒里:ほんとうにそう!笑

さくら:去年?

〇〇:去年はね、なんか英語の本たくさん買ってたのよ…案の定、誰も読みたがらなくてさ笑

さくら:そんなことがあったんだ…

史緒里:まぁそれに関しては今年は"まだ"大丈夫かな?笑

〇〇:ま…だ?

史緒里:今年はね…絵本です

さくら:!!!

〇〇:え…?

史緒里:絵じゃなくて、絵本!笑

〇〇:わかってますよ笑 まぁ英語よりはいいかな…

史緒里:そうなのよ、それじゃあやりますか

さくら: ……

〇〇:はーい

さくら:あ、あの…

史緒里:ん、どうしたの、遠藤さん?

さくら:私、手伝います!!!

そこにはいつもおどおどしてしまう遠藤さんはいなくて、逆にやる気に満ち溢れている遠藤さんがいた


史緒里:でも大変だよ。

さくら:手伝いたいです!!!

史緒里:えー、でも結構大変だよ?

さくら:いえ、大丈夫です!!

史緒里:でも時間もかk



さくら: "大丈夫です!!!"



史緒里:(圧がすごいw)

〇〇:遠藤さん

さくら:はいっ!

〇〇:もしかして、絵本好きだったりする?

さくら:は、はい…///

史緒里:あー、なるほどね笑

さくら:だ、だからその…

〇〇:良いんじゃないですか、久保先生

史緒里:そうねっ、なら手伝ってもらおうかな笑


さくら:ありがとうございますっ!!!


史緒里:(いや圧www)

〇〇:笑笑



そこからは3人で校長先生が買ってきた大量の絵本や本を整理していった

遠藤さんは作業中ずっと楽しそうにニコニコしていた


〇〇: ……(遠藤さん楽しそうだなぁ)


さくら:な、なに…?


〇〇:いや、楽しそうだなぁって笑


さくら:うん…


〇〇:それなら良かった


さくら: ……


〇〇:あれ、どうかした?


さくら:〇〇くん…


〇〇:うん、なに?


さくら:あ、あまりこっち見つめないで…


〇〇:え?どうして?


さくら:だって…





さくら:〇〇くんに見られると…ドキドキするから///







〇〇:ご、ごめん…///

さくら:ううん…///





〇〇: ……

さくら: ……///




〇〇: ……///

さくら: ……///





そこから俺ら2人は作業が終わるまで会話することはなかった

ただあの言葉を言われたとき、
俺の心臓はドクンッと小さく跳ね上がり、それからずっと鼓動は早くなっていた




転校生と幼馴染 〜選択肢をあなたに〜
新学期編 おわり



次回、従姉妹襲来編につづく。



↓つづきはこちら↓




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