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地域猫、地域猫活動って何?
地域猫活動が環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」に組み込まれてから10年以上経ちました。地域猫という言葉は広く知られるようになりましたが、地域猫は何故か言葉だけが独り歩きして真の地域猫とは違う捉え方をしていらっしゃる方が多くみられます。しかも今は保護が主流というかメディアで取り上げられるのは保護団体ばかり・・・でもね、保護譲渡は限界があります。事実保護団体は悲鳴をあげています。
それでね私、この場所をお借りして正しい地域猫活動の広報をさせて頂くことにしました。ノラちゃんの為にきちんとした地域猫活動を知って頂いて取り組んで頂きたいです。
地域猫とは野良猫に市民権を与えることです。冬の暖かい日差しの中でぬくぬく寝ていても、夏の涼しい木陰で涼んでいても、蹴飛ばされることはありません。
地域猫になると目付きの鋭さは消え可愛いお顔になります。
地域住民は猫を通してコミュニケーションが活発になり、子ども達は大人達が猫を世話する背中をみて小さきもの弱きものを慈しみ守る気持ちが芽生えます。
私は地域猫活動はどちらかというと猫より人の為と思っています。事実多くの方が地域猫活動は「殺処分0にする」と思っていらっしゃいますが、そうではありません。
地域猫活動は「環境問題」であり「猫による人と人とのトラブルを0にする」ことが趣旨です。その道程で殺処分0になったら尚良いねということです。
地域猫とは
餌をもらっている猫、不妊去勢して耳カットしてある猫ではありません。
それでは説明させて下さい。
地域猫の定義
地域の理解と協力を得て地域住民に周知されている特定の飼い主のいない猫。その地域に合ったルール(地域が100あれば100のルールがあります。)で餌や糞尿の管理、不妊去勢の徹底、周辺美化等管理しこれ以上増やさず一代限りの命を全うさせる猫
地域猫活動は地域住民が主体となりボランティア及び行政が共働して実施する
①地域住民(地域猫を世話する人=活動の主体)
飼い主のいない猫対策に取り組む住民
地域住民のボランティアを中心に主旨に賛同したその他の地域住民で代表者を決めグループ集団で役割分担する
②行政
地域猫活動の普及啓発
住民間の意見調整
地域の対策に沿って必要な支援を行う
③ボランティア団体
捕獲の指導、相談、活動の手順等
この1,2,3で三者協働といいます。どれひとつかけても上手くはいきません。
長く新宿区の飼い主のいない猫対策の担当者として長く第一線に立ち続けていらした高木優治さんのお話しです。
「まず地域があって、その地域の人達が野良猫問題を協議し、そこに行政が入り調整をし地域住民ボランティアと外部ボランティアと連携します。地域のボランティアがいないと外部ボランティアが入っても成立しません。この三者が一体となり野良猫問題を地域の問題として解決をする仕組み作りが地域猫対策といわれるものであって、単に野良猫の呼び名を地域猫に変えるわけではありません。」
もうお一方「地域猫のすすめ」の著者である黒澤泰さんはその著書の中で地域猫と地域猫以外の猫を呼び分けています。
地域猫・・・・・・・・・・・コミュニティキャット
地域猫以外の飼い主のいない猫・ストリートキャット
この呼び分けは私はとてもわかりやすいと思いました。でもストリートキャットがなんだか寂しいとおっしゃる方もいました。
だったらしませんか?地域猫活動。
もう一度言わせて下さい。
地域猫活動の本来の趣旨は殺処分0ではありません。 地域猫活動の本来の趣旨は猫による人と人とのトラブルが0になるということです。その道程で殺処分0になったら嬉しいね、ということです。そして地域の環境問題として捉えます
私の拙い説明で地域猫活動の本来の目的がお分かりいただけたでしょうか? 次回から地域猫活動の流れやポイント等お話ししたいと思います。
またいらして下さると嬉しいです。
最後までお付き合い頂き有り難うございました。