誕生日に不謹慎な写真が生まれがちな運命について
誕生日はいつも、夫が旅行に連れて行ってくれる。
当日までどこに行くかわからないミステリーバースデーツアーを私は毎年、楽しみにしている。
いつも積極的に写真を撮らない夫だが、この日ばかりは思い出を切り取ろうと張り切ってシャッターを切ってくれる。
そんなハッピーな旅行の中で、なぜか不謹慎な写真が生まれがちなので、今日はそれを見てほしい。
まずは、去年の誕生日のもの。
夫は横浜の「ロイヤルパークホテル」の一室を取ってくれていて、高層階からならではの風景や、頼んでいてくれていたルームサービス(すごい!)を楽しんだ。
ルームサービスなんて初めて体験するものだったので、テンションはMAX値で、私たちは初めて地上に降り立ったサルの如くはしゃぎ倒した。(初めて地上に降り立ったサルがはしゃいでいるかどうかは不明)
ルームサービスはコース料理なのだが、最初に全ての料理を届けてもらい、自分たちでコースを進めていくスタイル。(それがルームサービスというものなのか、そのホテルだけのスタイルなのかは不明)
サラダや前菜、パスタ、肉料理…と満足度の高いコースを心ゆくまで楽しみ、
最後はバースデーケーキ!
何歳になっても自分の名前が書かれたケーキというものは嬉しく、私は初めてディズニーランドを訪れたサルの如く喜び跳ねた。
ケーキと一緒に写真撮りたい!
しかし、前述した通りスタッフの方はすでに退出され2人だけの空間になっているため、撮ってくれる人はいない。
そして私たち夫婦は揃いも揃って自撮りが下手であった。
どうやって撮ろう…セルフタイマー?しかしどこに置けば…
あくせくしていたら、ふと思いついた。
そうだ!この広い窓に映る夜景の反射を利用して、ツーショット撮れるじゃん!
そうして実行した写真が、これだ。
いいんだ。
いいんだけど、なんか…
ポツンと映るケーキ、
夜景と夜空、夜空に浮かぶ半透明の男女…
これは…
これは…
圧倒的見守り感。
この作用を転用し、ライオン○ングのあのシーンを再現してみた。
ムファサがシンバに、プライド・ロックに戻って家族を取り戻せ…と諭すシーン。
圧倒的威厳と、愛、強さを感じる一枚になった。
次がもう最後なのだが、これはもう決定的なアレなのでどうか見てほしい。
一昨年の誕生日のものだ。
夫は星野リゾートグループの、「リゾナーレ熱海」を予約してくれていた。
このホテルは本当に素晴らしく、今も強く思い出に残っている。美味しい食事、広い館内、たくさんのアクティビティ、サービス…
特にわたしがお気に召したのは、ツリーハウスの中でアップルパイを食べるという、チップとデールになりきれるアクティビティである。
ハピハピのやつじゃん❗️🥹🐿️🥧
↑
わたしの精神年齢は本来こんなレベル。
スタッフの方が丁寧に、準備をしてくれる。
このツリーハウス、予約した組の貸切になるので、30分ほど他の誰の侵入をも許さない優越感を手にすることができる。
スタッフの方が去り、ふたりだけの空間になった瞬間、大いにテンションをあげて楽しむ。
我々は食べるのが早く、いわゆる食い尽くし系男子と食い尽くし系女子である。
そんなふたりが結婚してしまったものだから、アップルパイは一瞬にして消え去り、後にはニコニコの男女だけが残った。
あと25分なにしよう。
あっという間に食べ尽くしてしまったものだから時間がたっぷり余っている。
そこでわたしは閃いたのだ。
「よし、写真撮影大会だ!!!」
我々はツリーハウス内の色々な画角で、写真を撮りまくることにした。
ツリーハウスには素敵な小窓があり、この小窓から森林の緑がよく映えてとても綺麗だった。
この小窓の向こう側に立っている夫を写真に撮ったら、なんかいい感じになるかも??!
「ここでこのポーズ撮って」「自撮りするから写って」
日頃から数々の指示になんでも応えてくれる夫は、この時も同じように、ニコニコのスマイルをたたえながらシャッターを切っているだろう私を見つめている。
小窓の内側にいる私は、画角にしっかりとおさまる夫をカメラ越しに確認しながら、笑いを堪えられずにいた。
これ、完全にアレやん…
ではその「アレ」な写真をぜひご覧あれ。
遺影やん…
もうさあこれあかんよ本当に(ポジティブな意味で)
みかんだかレモンだかのフルーツと木製のカレンダーがこれ本当にアカン。(ポジティブな意味で)
アルコールスプレーとかの生活感もさあ…
なんかもう演出としか思えないくらいにさあ…
アカンって…(ポジティブな意味で)
自分がまさか遺影演出を食らっているとは微塵も知らない夫は、「どんな写真撮れたあ?」と呑気な顔でツリーハウスに入ってくる。
私は無言で写真を見せると、夫は瞬時に
「遺影やん!!!!」
と叫んだ。
不謹慎極まりないが、こういう話題で笑い合い盛り上がれるのが本当に嬉しく、お互い肩を叩きながら悶絶するほど笑った。
尚私も挑戦してみたのですが身長が足りずフィットしてない…
遺影になりきれなかったという、嬉しいんだか残念なんだかよくわからない感覚になった。
夫は
「さっきの表情だと遺影には選ばれにくいと思うから、もっと優しげで誰に見せてもいい人だったねと懐かしまれるような表情で撮り直してほしい」
と謎のプロ根性を見せてきた。
夫はこのノリの良さが大好きな私である。