喉から手が出るほど、「普通」のレールに戻りたかった。


受験と就活の早期化について思うこと。

大学受験のときに早めに進路を絞ったことで、
逆に遠回りになってしまった話をしています。

前置きが長いけれど、よろしければお付き合いください。





「普通」になれなかった中学校時代


「『親が学校に行かせない』って、通報された事例があるんだって。
そろそろ行った方がいいと思うんだよね」


インターナショナルスクールに行っていたとき。

その日もベッドでうずくまって、
窓を閉め切って、部屋の電気を消したまま泣いてる私に、
お母さんが言ったのでした。



「日本に住んでる子は不登校になれるのに、私はなれないんだ」


浮かんできたのは、そんな真っ黒な感情。


「10年経ったら、環境に適応できるみたいだよ」


10年。

14の小娘にとっては、永遠と同じようなもの。

10年前っていったら、4歳だもの。
4歳から14歳の10年は、とてもとても長かったよ?


あなたは永遠に苦しむんだよって、通告されたような気持ちになった。


19の今ならわかる。
あぁ。大人と子どもでは、時間の進む早さがちがうんだね。ちがったんだね。



いつも心が張り裂けそうで。

寮のある高校を探して、目を皿にしてパンフレットをめくった。

でも、中学卒業見込みがないと、日本の高校には入学できないんです。
通信制の高校であっても。

小卒になるかもしれない。
日本に住んでたら、中卒にはなれるのに。

日本に帰りたい。

半ば狂ったように、毎日、そう思ってました。


帰りたい。帰りたい。帰りたい。

毎日、毎日、毎日。
そう思い続けて、(裏紙に)書き続けて、言い続けて、泣き続けて。


とうとう、帰れた。

空港のトイレがきれいで感動した。

帰ってきてはじめて食べたエビフライの味。
涙がにじむくらい、感動した。


「日本に帰ってきたんだから、もう大丈夫」って。
そう思ったんだけど。


「前とちがう」ことに動揺した。
クラスメイトの距離感、先生、ともだち。

私がいない間に変わっていて。
私の存在だけが異質で。
「私のいないクラス、学校」が普通になっていたんだって思い知らされて。


心臓が握りつぶされるみたいに痛くて。

海外にいる間も休日を捧げて勉強してたのに、授業、わからなくて。


教室で、私だけが浮いているみたいだった。

なにもかもに絶望しながら、学校への道を歩いた。



「日本に帰ったら、ちゃんと学校行くんだよ。
日本に帰ったのに行かないなんて、ダメだからね」


そう言われてたのに。

不登校になった。



明るい未来?
あぁ、私以外の子に与えられるものだね。


ぜんぶ。あきらめていた。


「早めに志望校決めとかないと」



高校は、親と先生に勧められた所に入った。

どうせ何にもなれないんだから、高校なんて行っても行かなくても同じ。

そう思ってたけど。


少しずつ自信を取り戻して、だんだんと「普通の子」に戻っていった。


でも私の心には、「焦り」がありました。


私がいる場所は普通のレールからズレてる。
普通に戻らないと…!!!


当時の私にとっての普通は、

そこそこの大学に入って、普通の会社に就職すること。



何をすればいいかは、大人たちが教えてくれました。


早めに志望校決めとかないと
「できるだけ多くオーキャン(大学見学)に行っておくといいよ」
「今のうちから勉強しないと」


志望校を決めるには、その先の目標がないといけない。

中学のときに行ったボランティアの記憶を引っ張り出してきて。



「この職業を目指す」と決めたのは高1のとき。


他の子に比べて早くからオーキャンに行って、
高2の夏休みも勉強に捧げて、
志望校も早くに決めて。


いつからだっけ。


「その仕事はお給料少ないよ」
「絶対大変だよ」

そう言われるようになって、揺らいできた。

「本当にこっちでいいの?」
「苦しむことになるんじゃない?」

自分の心の声がする。

わからない。わからない。わからない。


そんな私を置いて、受験は加速する。


「1日10時間勉強しないと」
「立ち止まってたら間に合わないよ」

学校でも塾でも、受験、受験、受験。
先生たちの口から出るのは「受験」ばっかり。


心が追いつかないまま勉強を続けるのが苦しくて。

でも勉強しろって言われる。

無心で勉強するのが正義って言われる。

「正しい側」でいたいから、今日もシャーペンをにぎる。



私はいま、何のために、誰のために、勉強してるんだろう…………



わからなくなって、シャーペンを置いた。


心の声に向き合って、進路を考え直すことにしました。



受験と就活の早期化について、思うこと。


今大学で納得して勉強できているのは、考え直す時間を作れたからだと思っています。


「早めに志望校決めなね」
っていう言葉、スルーすればよかった。

すごく遠回りをした気がする。


志望校を決めるには、自分の心と向き合う時間が必要。

自分の心が、何に喜ぶのか、何に癒されるのか。
人生でいちばん大事にしたいことは何なのか。

そして、色んな選択肢を知る時間も必要。

目標が高すぎたときのために、「決める早さ」も大事だけれど。
納得して勉強できる未来を迎えるには、「段階を踏む」ことが一番大事だと思っています。


私が早めにインターンに行ったりしているのは、
「色んな選択肢を知るため」であって、
「早く内定をもらうため」ではないんです。

「選択肢を知る」段階をカットして、焦って「内定のため」に動いてしまったら、
たぶん受験のときと同じことを繰り返す。


だから、「このままだと他の◯卒生に出遅れてしまいます」という煽りは、いったんスルーする。

感情を煽られて操られるのは、「意思」でも「決断」でもないと思うんです。


急かす人も、焦らせる人も、私の人生に責任を取ってはくれない。


誰の声を聞くか、
どの声を受け取るか
自分で判断したいな、という気持ちでいます。




インターナショナルスクールに行っていたときのこと。
こちらでも少し触れています。


☘️「なぜ日本人学校へ行かなかったのか」という問いは受け付けません。自分を守るために、その辺りの詳細は伏せます。

日本人学校の存在にも、たくさんたくさん救われました。
海外に住んでいても、日本語で授業が受けられて、日本の教育制度に合った内容が学べる。
本当にありがたいことだと感じます。




☘️ 色んな声を聞きすぎると心が疲れてしまうので、目に入る情報を制限しています。
note を開く回数も、他の人より少ないと思います。

コメントの返信、かなり遅いです。すみません。

でも毎回、とてもとても嬉しいです。
嬉しくてドキドキしてしまうので、メールで note の通知を開くハードルが上がっています、笑。

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