Loppis|まちの中での服選び
はじめまして、こもも(@momoko29893071)です。現在はスウェーデンのストックホルム大学にて10ヶ月の交換留学中です。
こっちに来てから1ヶ月と少し。自分に起きた変化のひとつに、「服選びが楽しい!と思えるようになったこと」があります。 ”このコーディネート、私に似合ってるじゃん!”と、自信が持てるようになったのです。
今回は、”Loppis”というスウェーデンの蚤の市文化での服選びに注目して、服選びが楽しいと思えるようになった理由を探ってみます。
ぜひ目次を読んで、好きなところをつまみ食いしてください。
日本での服選び|ぴえんな体験
日本に居た時は、こんな過程で新しい服をゲットしていました👇
服を見るのは好きですが、”自分には似合わないのだな…”と思う瞬間が多くて、私にとって服を選ぶ時間は、少しネガティブなものでした。
私を”ぴえん”にする理由は、大きく2つあるみたいです。
① 試着してしょぼん😢 ”骨格ガンダム”ならではの悩み
そのぴえんは試着の時にやってきます。
素敵だなと思ったものを試着してみると、大抵なんか想像と違う。特に胴回りがパツパツ。マネキンが着ていたのとは全く違うじゃない?状態です。
その理由は、私の規格外の体格。
骨格〇〇になぞらえるなら、私は骨格ガンダム。
日本の女性物の服は、私の体格よりも少し華奢な体格を想定して作られているため、可愛いな!と思うものがあっても、試着してみて「やっぱり自分には似合わないか」「もっと華奢に生まれていれば…」と悲しくなることがしばしば。
そんな私は、
・フリーサイズは手に取らない
・肩幅がごつく見えないように、首周りが詰まっている服には要注意
のように、ブラックリストを避けるようにして服を選ぶようになっていました。そりゃ楽しくはない。
② お店では似合うのに、外で着るとなんか違うかも…?という不安😔
もうひとつのぴえんは、服選びの最中や帰宅後のセルフファッションショーの時にやってきます。
お店で手に取った服を、街や大学で着ている自分の姿が想像できなくて購入を断念したり、帰宅後に鏡の前でひとりお披露目会をしている時に、「あれ、お店の中では似合ってたのに、家で着てみるとちょっと雰囲気違うかも?」と思って、自信をなくしたりすることが結構あります。
その理由は、お店の素敵な雰囲気と、日常の風景が違いすぎるから。
おしゃれでオレンジのランプに照らされた内装の中で服を選ぶ一方で、その服を身につける日常にはそんな雰囲気はありません。
福岡の田舎で生活している私を取り囲む風景は、
・広告とコンクリで覆われたビル群
・真っ白の蛍光灯ばかりの大学のキャンパス
・通学路の田んぼ道
が当たり前。
服を選ぶ時の風景と身につける時の風景の乖離が、「素敵な洋服でも、普段着ると浮いちゃうかな」という不安を連れてきます。
試着時には自分の体格へのコンプレックスを思い出し、自分が選んだ服にも自身が持てず、服選びが楽しいと思えなくなっていました。
スウェーデンのLoppisでの服選び
ただ、スウェーデンで服を調達するようになってからは、服選びの時間を楽しんでいる自分がいることに気づきました。
飛行機の手荷物の関係で、最低限の衣服しか持ってきていなかった私は、スウェーデンの秋冬に備えるために、セーターやコート、靴などを揃える必要がありました。
現地の友人から「Loppisなら安く中古品を手に入れられる」と聞いて、最初の衣服調達はLoppisで行うことにしました。
Loppisって何?スウェーデンの蚤の市/フリマの実態
Loppis(ロッピス)とは、スウェーデン語で、「蚤の市」や「フリマ」の意味。ただし、日本よりもアットホームでカジュアルなイメージ。
Loppisでは、一般の人が自宅近くの指定の場所に集まって、不用品やハンドメイドを販売します。夏から秋にかけての毎週末、各地で開催されています。
地域や季節によってLoppisで売られているモノや価格帯は違いますが、私がこれまでに参戦した4回のLoppisは以下のような雰囲気でした。
Loppisでは、こんな過程で洋服をゲットします👇。日本のフリマ(リアル)で服を買ったことがないので、あまり比較はできません。
この一連の体験の中に、私の”ぴえん”を払拭し、服選びたのしぇー!と思わせてくれる理由がいくつもありました。
① my規格だらけ!フリーサイズを手にできる喜び 💖
まずは、"骨格ガンダム"でも着こなせるサイズがごろごろと転がっていたことです。なんかこれいいかも?と思って手にとった洋服を試着してみると、なんとすっぽり!
「おしゃれはサイズ感が7割」なんて聞きますが、”自分にピッタリのサイズがこの世にある”ことを実感したのは、はじめてでした。
気になって調べてみると、
・スウェーデン人女性の平均身長:166cm
・US,UK規格の方が、身丈や肩幅が大きく作られている
・二の腕周りも、日本よりゆとりがあるように作られているものが多い
などの情報が。
細かい数値はさておき、その国の標準体型に合わせたサイズを”フリーサイズ”とするならば、私にとってのフリーサイズは、ここ🇸🇪にありました。
もちろん私には入らないサイズもありますが、”自分の体格に合っている”と感じる洋服に出会う確率が、格段に増しました。
② ”今の私は、この街に似合うか”だけで決められる手軽さ😎
それから、”Loppisならでは”の服選びも、私に自信を持たせくれる理由になっています。
それは、「街の中で試着できること」です。
試着室などはないので、他の住人が通りを歩く中、気になった服を手にとって試着します。日本での、”実際にこの格好で街を歩いたら似合わないかも?”という心配は、街のなかで試着してしまえば、無用です!
街並みがとってもおしゃれで綺麗なので、
「おしゃれな街に似合っている=私もおしゃれ」
という単純な思考で服を選んでいます。
しかも、私の住むストックホルムの街並みや大学のキャンパス、普段歩く道の雰囲気が似通っているので、服選びをしている時の街に似合っていれば、普段の生活でもきっと似合うのです。
「この服を着ている私は、この街に似合っているだろうか?」と考えるだけでその服を買うか買わないかを決めることができる、というわけです。
③ 素敵なお姉さんを探せ
最後に、最近身につけた「Loppisでときめく服を見つける方法」を紹介します。
それは、「素敵なお姉さんのいるブースを探すこと」です。
Loppisでは、販売している人自身が使っていた物が、各家庭のブースに並ぶことが多いです。なので、並んでいる品を見るよりも、売っている人を見る方が、そのブースの雰囲気をなんとなく掴むことができます。
素敵なお姉さんが販売しているものは、そのお姉さんが愛用していたもの。つまり、素敵なお姉さんのセンスまるごと譲り受けられるわけです。
しかも、お姉さん自身がマネキンとなって、素敵なコーディネート例を教えてくれます。
ただし、いくら素敵でも、自分の体格と全く違うお姉さんから服を買うのは要注意。代わりにアクセサリーや雑貨をいただきましょう。
日本のお店でも、店員さんを参考にすることはできるかもしれませんが、より”着飾っていない普段のコーディネート”を見て学ぶことができるのは、アットホームなLoppisならではの利点です。
ムードボードが作られていく毎日
入国後1ヶ月はLoppisで調達していましたが、最近は古着屋さんでも洋服を買うようになりました。
その時も「この街に似合っているか?」を頼りにして服を選んでいます。
これが、ムードボードの使い方と似ているな、と思っています。
(いきなり!?)
ビジュアルデザインを考える時、テキストでは伝わりにくい雰囲気やイメージ、コンセプトを共有するために、ムードボードを作ります。そして、新しくデザインを考える時には、この”ムード”を参考にして制作を進めます。
デザインの方針を決める、羅針盤の様な役割です。
スウェーデンに来てからの服選びでは、ストックホルムの街並みが、私にとっての羅針盤でした。つまり、街全体がひとつのムードボードのような役割を果たしてくれているのです。
街を歩くだけで、街並みをカメラに納めるだけで、どんどんムードボードが出来上がっていきます。
秋もそろそろ終わりそうです。街の景色も衣替えを始めました。街と一緒に、どんな衣替えができるのか、楽しみです。
おまけ|”10ヶ月のトライアル”という無双状態
Loppisという街の中での服選びに注目して、自分自身が服選びに自信をもって楽しめるようになったきっかけを考えてみましたが、理由は他にもあるようで。
出発前に留学経験のある友人から、こんな言葉をもらいました。
ちょっとした失敗が怖くなったり、勇気が出ない時には、彼女の言葉を思い出して、背中を押してもらいます。
服選びも、”ちょっとうまくいかなくても大丈夫”という気持ちで、気軽にいれることが、楽しめている要因のひとつかもしれません。
日本に帰ったら、また元に戻るのかもしれませんが、ひとまず現地を楽しみます。
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