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300年の一年目

これは、一年の振り返りです。

なんでこんな時期に。そう思われるだろうが、じんわりとした変化が近頃目立つので、これは引きで見ると一体どういうことだろうと知りたくなったもので、書き始めました。個人のことなので、大層な内容ではありません。社会を変容させようと考えている人が、アプローチを変えたことで付随する価値観や行動の変化はなんだろうか、それはなぜか、という内容にはなると思います。

この記事に副題をつけるならば、「ビジネスデザイナーとしての一年がもたらしたパースペクティブの変化」です。

ここ最近、内向きだったエネルギーが外に向き出した。これまで興味を持たなかった切り口に次々と関心がいく。楽しい。

これまでなかった感覚です。没頭する趣味とは別のアンテナが働いていて、社会をより細かく見られるようになった感じ。Pace Layering でいうと、地球の動きとガバナンス、インフラストラクチャーばかりを見ていたのが、商業とトレンド、それを楽しむ人々の反応に自然と目がいくようになりました。

過去10年間、企業活動が地球や生活環境、そして人々の健康に負の側面を作り出しているシステムが、私が世界を眺めるレンズでした。

そのため新商品とか新品を好きになれず、廃棄物が増えることが嫌で、自分の生活が地球やシャドウプレイスの負担であることに嫌気がさしています。この気持ちは決してなくならないですが、今新たにシステムを描くならば、異なるシステムになるでしょう(システムシンキングのよい使い方は、各自の思考のクセを見つけ出すことですから)。

先日も、ここ数年の変化を見ている人に「正しさに固執しなくなったんだね」と、驚かれました。

ざっくりした表現ですが、正しさは学術の世界にありました。利他的で社会善な正しさであっても、なんだろう、"正論"では人も組織も動かないことを、過去10年で思い知ってアプローチを変えてきました。

一年前、30年かけて実現しようと思っていたことが300年かかると知って肩の力が抜けた、リラックスしていいんだと思えるようになったことを書きました。

社会は思い描いている方向に進む。この安心感が、この一年でさらに身体感覚を持って強まりました。それはなにより、BIOTOPEのプロジェクトでお客さんの熱量と推進力を目の当たりにしているからです。

「よい社会」を形づくるサービスや事業が生まれようとしている、実装されていくのが、楽しみでなりません。それをドライブさせるのに役立てたことが、心から嬉しい。

BIOTOPEを通じていただく相談は様々ありますが、社会をよりよくしたいという思いで携わっている人たちに何度も出会ってきました。どのようにしてそれをビジネスで表現できるか。その確度を高める伴走をすることがなによりの喜びであり、社会がよりよくなる未来の兆しを感じて、心が穏やかになってきたのでしょう。自分もこの世界を楽しんでいいんだ、と思えるようになってきたみたいです。



「300年かかると知って」の一年後の投稿でした。

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