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出産しました①_前置胎盤で緊急入院~予定帝王切開レポ~
2024年11月14日、娘を産みました👶
予定日は12月2日、37週で約2週間半早い出産。
出生体重は2972g、早めの出産でも低体重時のラインである2500gをしっかりと超え、ふっくらした状態で出てきてくれました👏
しかしながら、当初腹を切るなどと夢にも思わず無痛分娩を希望していた私が帝王切開での出産…。
つくづくお産はどうなるかわからないなぁと思いつつ、母子共に無事に今日を迎えることができているのはサポートしてくださった医療関係者や家族のおかげだなぁと感謝が尽きません。
人生のビッグイベントがひと段落した記念に、
きっと今しか書けない文章を残しておきたいと思います。
◉妊娠判明🎉
今年4月、エジプト旅行出発前。
生理が遅れていた私は荷物に妊娠検査薬を忍ばせて関空を発った。
検査で陽性が出る時期がちょうどエジプト旅行真っ最中
ピラミッドとスフィンクスが見えるホテル屋上の朝食で
夫に妊娠報告したのが良い思い出😆
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クフ王のピラミッド前で妊娠がわかったので、
産まれるまで子の愛称は「くふちゃん」になるw
旅行の後半日程からつわり開始
モスク前で吐いた日本人妊婦は私くらいじゃなかろうか…w
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◉最初は無痛分娩を希望していた
妊娠がわかって初めの方に考えることの一つに
「どうやって産みたいか?」がある。
通常分娩には色々なスタイルがあり、
こだわりの産院で産む、水中出産…etc
など実に色々なお産の方法がある
私は
・産後の赤ちゃんのお世話に体力を残したい
・産後の回復が早い(らしい)
・もちろん産むときの痛みが大幅減
このあたりを魅力に感じて無痛分娩を希望
ところが無痛分娩を調べるとリスクがあることも判明
①計画無痛分娩では予定日を決めて陣痛促進剤を使用
②麻酔の際の医療ミスで下半身付随
こ、こわい…
「赤ちゃんに余計な薬は使いたくないし、
下半身付随は残りの人生キツすぎる…」
と思った私は上記2つの懸念に以下で対応しようと思い、
①計画無痛分娩では予定日を決めて陣痛促進剤を使用
→陣痛が来てから無痛分娩ができる産院を探す
②麻酔の際の医療ミスで下半身付随
→調べると個人の産科医院で、
麻酔専門ではない産科科医が麻酔を実施する事で起こった事故。
きちんと麻酔科医が麻酔対応をする産院を選択
ということで探すと大阪でヒットした病院はたったひとつw
日本の中でもわりと都会な大阪なのに選択肢がこんなに少ないなんてびっくり!
こうして
特に悩むことなく分娩予約を完了したのでした
◉32週を超えても前置胎盤が治らない
そして、何のトラブルもなく順調に経過…と思いきや、
20週頃に指摘されていた辺縁前置胎盤が治らない…
辺縁前置胎盤とは
“本来上の方にあるはずの胎盤が、子宮口のすぐそばについている” 状態
「今胎盤は下の方についていますが、妊娠後期には上がる人が多いですから経過を見ましょう」
と言われて呑気に構えていたものの、32週を超えても胎盤はぴたりと子宮のそばを離れず鎮座…
「子宮口から2cm離れれば無痛分娩できるんですけどね〜😅」
と受診のたびに医師と肩を落とす日々
帝王切開の可能性が濃厚なので37週後半の日程で手術を予約
大量出血のリスクが普通の妊婦より高いとのことで輸血用に自分の血を貯めるべく貯血、毎週300ml、計900ml貯めるべく計画
こうして
◉5時間腹痛が続く〜深夜受診〜緊急入院へ
妊娠35w2dの夜18時
会社からの帰り道、えらくお腹が痛い。
お腹の上の方が刺すように痛み。歩き続けられない😭
休み休みなんとか家の最寄り駅まで辿り着き、夫に迎えに来てもらってなんとか帰宅
その後も “横になっていればいつもは治っていた” 痛みが治らない
痛み始めてから5時間経った23時頃…
「さすがにこれは何だかいつもと違うぞ」
と思い、救急で病院を受診。
超音波の結果
「子宮頸管長(※)が19mmと短口なっています
この時期なら本来は3-40mm。
切迫早産の恐れがあるので、今すぐ入院です。
緊急で帝王切開になるかもしれないので、今すぐ手術同意書を書いてください」
と言われ、手術同意書を書いてお腹の張りを止めるための薬を入れるために点滴を指し、そのままMFICU(※)に入院。
いつ手術になるかハラハラの入院生活がスタートするのでした…
子宮頸管長とは?
子宮の入り口の長さのこと。
子宮頸管長がなぜ短くなるかはわかっていませんが、子宮頸管長が短いと早産のリスクが高いことはわかっています。 妊娠24週での子宮頸管長の平均は約35mmで、25mm未満の場合早産となるリスクは約6倍、13mm以下では約14倍といわれています。
MFICUとは?
“ Maternal Fetal Intensive Care Unit ” の略で、日本語では「母体・胎児集中治療室」を意味します。MFICUでは、妊娠から出産までになんらかのリスクを伴う妊産褥婦や、お腹の中の赤ちゃんに治療が必要な場合、注意深く見ていく必要がある場合に入院します。
◉それまでの生活とは一転、とにかく安静にする日々
先生からの指示は「とにかく安静にする」こと。
「前置胎盤、中堅医師の私でもそんなに遭遇したことないですからね
とにかく安静にしていてくださいね と念を押される」
行動範囲も制限。
5Fにある自分の部屋と、MFICUのエリア以外は外に行けない。
もちろん病院1Fにあるコンビニにも一人で行っちゃいけない。
(行きたい時は看護師さんに車椅子を押してもらわねば移動できない)
朝と夜に子供の心音確認。
これは毎日とっても楽しみだった。
力強く、早い鼓動にとても勇気づけられた
毎日安静に…
今までしていたことがいきなりできなくなる日々…
(産前の楽しみ!と思って予約していたランチにもいけず涙)
点滴がつながった腕がこんなに動きにくいとは…
コントロールできないことに凹んでも仕方がないので、
切り替えて読書と動画鑑賞の日々。
こんなにゆったり過ごすのは今の会社に就職する前ぶり。実に5年ぶりか…
ゆるりと本を読んで、お昼寝をして過ごす
きつかったのは常時入れている点滴…
お腹の張りを抑える薬なので仕方がないが…
私の血管は細くての漏れやすく、普通なら3-7日持つ血管が2日ほどでダメになり、点滴漏れ。
何度も差し直してもらうことに。
しかも血管が見にくいのので、後半はエコーで見ながらの
切迫早産の恐れのためいつ陣痛が始まるかわからず
時々出る出血や腹痛に “いよいよか!?” と怯えつつもなんとか手術予定の37週まで持ち堪える。
37週までくればもう赤ちゃんの体は出来上がっているので、外に出てきてもOKだそう。
最後のエコーではギリギリ体重2500g、
毎日お腹に「11/14まで待つんだよ〜」と言っていた甲斐があった!
入院中に役に立ったもの
・ペットボトルストローキャップ
・延長コード
(微妙に電源が遠い。2m3口はあると便利)
・S字フック・ベッドとマットレスに挟めるタイプの収納
・アームウォーマー
(点滴を繋いでいると袖が下まで下げられなくて寒い)
・お菓子・ご飯のお供になるもの
(美味しいものは元気になる!)
この間いくつかのドラマや映画を見たり、本を読んだりできた。
出産後、1ヶ月経って思うのは本当にまとまってエンタメを見れる時間がない(時間がない、に加えて内容を噛み砕ける脳のキャパも無い)ので、この時色々見れて良かったなぁ
◉無事予定帝王切開の日を迎え、娘誕生✨
入院してからは切迫早産の症状も落ち着き、無事帝王切開の日を迎える。
帝王切開の日は前日夜から絶食
いよいよ明日娘に会えるのか〜そして腹を切るのか…と緊張しながら就寝。
翌朝、朝イチの手術だったので9時頃に看護師さんに付き添われながら自分で歩いて手術室まで移動
手術室はまさにドラマの世界
銀色とブルーの手術室に入り、名前と手術内容の確認。
(患者に確認するんだなぁ。安全チェック大事)
手術台に登り、横向きになった後、エビのような姿勢になって麻酔注入
痛み止めの注射の後、下半身の麻酔が打たれる
すぐにあったかい感じになり、麻酔科医が麻酔の効きを確認
保冷剤を肩につけると冷たいのに、下半身につけると冷たさを感じない。不思議な感覚…
麻酔が効いたことを確認し、手術がスタート。
ガッツリ麻酔が効いているおかげで痛みは全く感じず
「はい、もうお腹切ってまーす」と言われた時はここまで切られた感覚が無いものかとびっくりした。
麻酔って発明だな…本当にすごい…
ちなみに手術中の音楽をリクエストできた。
CDを持参してマーラーの9番を流してもらう。
手術開始後15分ほどで
「はい、赤ちゃんが出ます!」と声掛け
お腹が少し押される感じあり、次の瞬間
「オギャー!」と元気な鳴き声が聞こえて、娘誕生👶
出て来た途端大きな声で泣いてくれる
お腹から出てきた途端にこんなに力強い鳴き声が聞けると思っていなかったので、感動…
生命力を感じる良い声でした👏
まず思ったのは、
「ちゃんと形が赤ちゃん!」
そして、
「腹の中でここまで人間に育ったのか!!わたしすごい」
と思うw
左目を開けてこっちを見ている
吸引・体を拭いた後にわたしのところまできてくれる
触れる、ほっぺもくっつける
あったかくて、かわいいなぁ
スタッフさんがみんなかわいいと褒めてくれる
久しぶりの女の子!
らしい
手を触ったりほっぺをつけれたりした後、赤ちゃんは夫と母のもとへ
赤ちゃんが手術室を出る前に胎盤を見せてもらう
両掌より少し小さめ、レバーみたい
臍の緒は周りが白い
これがわたしと赤子を繋いでいたんやなぁ
そそて私は引き続き手術。お腹を縫われ
ここでも全く痛みを感じずに、頭の上に居る麻酔科の先生と終始ずっとおしゃべりをしていたw
赤ちゃんかわいいですね〜から始まり
名前の話や仕事・保育園の話、麻酔科医の先生の研究の話まで、
私の気がまぎれるようにたくさん話しかけてくださってありがたかった。
無事手術が終了したことを医師から報告を受ける
お腹を開けてみて、気になることはあったか?と聞くと
エコーにはうつらない程度の子宮内膜症がある様子。覚えておこう
手術室を出て、夫と母、娘の元へ
体重はなんと2973g!予定日より2週間半早く生まれたけど、3000g近くまで育っていてくれた。安心安心
![](https://assets.st-note.com/img/1734581052-SsvnoNUMQuh4TREPkxcJijV6.jpg?width=1200)
出血量が約1Lと少し多かったので、手術後、すぐに産科病棟には戻らずにMFICUで過ごす。事前に貯血していた自分の血を300ml分戻す。
出血も落ち着き、子宮の収縮も順調とのことで
夜にはMFICUから産科病棟に移動
「帝王切開って術後が痛いって効いてたけどまだまだ余裕じゃん〜」と思っていた私は翌日から痛い目を見るのである…
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![](https://assets.st-note.com/img/1734580883-DKvibnlc2oP8VxCOYRpqAuXZ.jpg?width=1200)
◉産科病棟に移動。痛みとの戦い開始
手術当日の夜、痛みを感じた時に自分でスイッチを押せるタイプの痛み止めを入れてくれていたので、文字通り少しでも痛みを感じたらそれを押していた。
目覚めて翌日。
早朝に採血あり、Hb11で問題なし
自己血の追加返しなしのため点滴抜去
清拭をしてもらい、パジャマに着替える。
朝ごはん、五分粥に持って来た梅、味噌汁、野菜、りんご缶
1日絶食していたので沁みる😭
体がふわふわした感じがする。
大量の血を失ったからか…
この時点で10分に一度押せる麻酔(フェンタニル)
ラスト5回
今日のためにもう少し置いておけば良かった😭
痛み止めとして頓服、ロキソニンが処方されているため飲む
10:30頃
尿をバルーンに違和感が出てきたので初回歩行へ
ベッドから起きる時、お腹が大変痛い😓
これが先輩方が口を揃えていっていたやつか…
切り傷を100倍痛くした感じ…
なんとかよちよち歩きでトイレへ
行って帰ってくるだけでも大変😭
普段なら5分もかからない移動に30分かかった…
ゾンビかな、わたし…
3時間に一回くらいトイレに行ってくださいね と看護師さんに笑顔で言われたが、もはや動くが怖い今、トイレが苦行だ…と思った
この痛みから、いつ抜けられるんだろうか…不安だ…
と思いながらも一応ベッドに帰ってこれたので
無事バルーンとサーチ・心電図モニターを外す。
お昼前に娘と対面。授乳
頑張って飲んでくれようとしている。生きようとしているなぁ
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と、初日は痛みに四苦八苦だったものの1日経過するごとに痛みは軽減
退院日には手すりを使わずに歩けるようになり
人間ってすごい…と思う。
最初は到底出るなんで思えなかった母乳も
退院の時には少し搾乳できる程度に出るようになる。
そもそも母乳が出るタイミングなど人生の中で考えたこともなかった。。。
赤ちゃんが吸う刺激によって母乳が出るようになっていくとは
人体の奇跡だなぁ…
◉退院!3週間ぶりに外へ✨
私も順調に回復し、子供も元気
無事揃って同じ日に退院できることに👏
産前2週間、産後1週間の計3週間入院していた。
退院日、外に出て季節がガラリと変わっていて驚く。
入院した時はまだほんのり暑かったのに、もうすっかり冬の足音が聞こえている。
産前お世話になったMFICUにも挨拶して帰る
“親子揃って退院できるの、100%そのケースでは無いから私たちも嬉しいです!” と声をかけてもらえた。
まさかの前置胎盤からの切迫早産の恐れで緊急入院
お産は何が起こらないとは言うが、まさか自分に緊急事態が起こるとは思わなかった。
ほんと、子供が生まれるってすごいことなんだなぁ
たまたまお産をたくさん経験している病院にお産を予約していて
素敵なスタッフの皆さんのサポートしていただいて、本当に幸運だった。
家に帰れば三人家族の生活がスタート
不安だけど、とっても楽しみだ!
と幸せな気持ちで帰った。
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子供が生まれるまでで5000文字超えw
なのでここで一旦区切り。
きっと一瞬一瞬はすぐに忘れてしまう。
できる限り、文字に残していきたい。