「京都グルメタクシー」の岩間孝志さんに取材。もう話が機関銃のように止まりません
拙著、「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの第10巻が、来春、発売になります。
本シリーズはフィクションですが、実際に京都に存在する店やスイーツを描いています。
それだけではなく、実在する人物も本名で登場します。
例えば、金平糖の老舗「緑寿庵清水」の女将・清水珠代さん。
俳優の佐々木蔵之介さんの実家の造り酒屋「佐々木酒造」社長・佐々木晃さん。
300年以上の歴史のある麩の老舗「半兵衛麩」社長・玉置剛さんなどです。
もちろん、取材をして、掲載のお許しをいただいてのことです。
そして、今回、第10回に登場予定なのが、「京都グルメタクシー」の岩間孝志さんです。
岩間さんの経歴がなんともスゴイ!
ただ、美味しいものが好きで、オススメのお店を紹介するから「グルメタクシー」と名乗っている訳ではないのです。
大阪阿倍野辻調理師専門学校を卒業後、フランスのレストランで修業。帰国すると、京都のホテルでフレンチのシェフを務めます。もっと料理の道を究めたいと思い、渡航費用を稼ぐために、タクシードライバーになりました。
ところが、作るよりも食べることの方が楽しくなってしまったといいます。そこで考えたのが、グルメスポットと観光をセットにしたタクシーでした。
なんと今までに、4.500軒のお店を食べ歩き、いつでもお客様に案内できるオススメのお店が800軒にも及ぶそうです。
実は、拙著「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの版元であるPHP研究所から、「おいしい京都」「もっとおいしい京都」という本を出版しておられ、そのご縁で、取材をさせていただいたのです。
「美味しいもの」のことになると、とにかく話が止まりません。
「中華でオススメのお店は?」
などと尋ねようものなら、まるで機関銃のようにお店の名前が次から次へとポンポンッと出て来て、メニューの味だけでなく、オーナーの人柄や材料のこだわりを語り続けられるのです。
それも、
「どこかの雑誌に載っているような、有名なお店の話ではなくて・・・」
と、聞いたことのない名前のお店ばかり。
一応、私も500回以上は京都を訪ねて、かなりのグルメと自負していました。
しかし、天と地、月とスッポンで、その情報量は足元にも及ばず、取材をしているうちに恥ずかしくなってしまいました。
さて、小説家として、どんなふうに岩間さんを物語の中に登場させようかと思案しました。
こんな構想・・・というより妄想している間が、一番の幸せです。