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LINEなどのスタンプが、iMessage用のステッカーに盗作・盗用されたときのまとめ
[記事更新履歴]2016.12.30 記事作成 2017.1.31 Amazon対応を追記
2016年半ばから、iOSアプリのひとつ「iMessage」(iOSのLINEみたいなもの)用に、LINEのスタンプが盗用販売される例が相次いでいます。
iMessage内でLINEで言うところの「スタンプ」に相当する「ステッカー」機能が使えるようになったのは、2016年の9月からですが、このステッカーを販売するにあたっては、著作権的なチェックが何もされないまま通過してしまうらしく、盗用が横行しているのが現状のようです。個人的には、LINEスタンプだけでなく、Facebookで公開中のFacebookスタンプも盗用の憂き目に遭いました。
LINE社の方にもこの類の報告が相次いだようで、LINE Creators Market内でも2016年10月末に以下のような注意文が告知されました。もっとも、盗用はクリエイターズスタンプだけではなく、公式スタンプにも及んでいます。
盗用がないか調べるには?
iPhoneやipadなどがあれば、直接iMessageやApp storeで検索して調べられますが、無い場合は、こちらなどで検索できます。
以下、盗用された場合のために、対処法をメモしておきます。
その1.スクリーンショットやWeb魚拓を取っておく
盗用された画面をHDDに保存しておくのはあまり気持ちの良いものではありませんが、まずは証拠を残しましょう。「Web魚拓」も便利です。→https://megalodon.jp/
2.犯人にtwitterなどから注意できるようならする(意外とすぐ取り下げるケースも)
盗用犯が連絡先(twitter・Facebookなど)を表示している場合、そこへ直接注意文を送ると、やはり自分が悪いと分かっているせいか、すぐにページを削除する場合がほとんどでした。あくまで個人的な例ですが。
「このステッカーは、盗作です。 著作権を侵害しています!今すぐ取り下げてください!」などと訴えてみましょう。個人的にはこちらが一番効果的でした。
3.Appleに著作権侵害の申し立てをする
もちろん、iMessageの親であるAppleにも、申し立てをする窓口(フォーム)はあります。
App Store Content Dispute http://www.apple.com/legal/internet-services/itunes/appstorenotices/#?lang=ja
Appleはアメリカの企業なので、基本的にはサイトは英文ですが、こちらに関しては日本語に対応しているようです。ちょこちょこ英語のままではありますけども。もちろん申し立て自体も、日本語で通ります。一応。
自分の作品が盗用された著作者としては、当然、Appleに対して「おいおい、盗っ人を放置しているんじゃないよ、然るべき制裁をしてくれよ!」と思うのが人情かと思います。なので、まず真っ先に、Appleに申し立てをしたい!と思うかもしれません。
では、なぜこれよりも、2.として「直接注意」の方を先に書いたのかといいますと、実はAppleに申し立てをしても、結局は「犯人と直接メールでバトルしてください」となるから、です。しかも、返事のメールが来るのは1週間以上も後、しかも全て英語です。その際、相手方の名前とメールアドレスがこちらへ知らされますが、同時にこちらの名前とメールアドレスも相手方へ知らされることに注意しましょう。
Appleは、取り立てて、自分のお店での著作権侵害を積極的に取り締まる気はないようです。個人的には、でっかい椅子に座りながら、小指で鼻をほじほじして「勝手におやりなさいな」とのたまっているイメージです。あまり期待できないと思っておいた方がよさそうです。
とはいえ、2.の直接注意が通用しない場合は、やはりここに至るしかありません。慣れない英語で奮闘することになります。著作権を侵害されている側が、わざわざ骨を折って盗用者と闘わなければならないとは、なんとも酷な世の中です。(まあ、最近はGoogle翻訳の精度がちょっとUPしたので、英語対応も少しは楽になりましたが)
このバトルで決着しない場合にどうなるのかは、この先へ進んだことがないので、まだ分かりません。Appleが介入してくれることはあるのでしょうか…。
ところで、盗用が横行するなら、自分で「本物の」iMessageステッカーを作ってしまえばよいではないか、と思うところですが、こちらはLINEのように簡単に作ることができません。基本的にはステッカー自体もiOS扱い※ですので(2016.12現在)、アプリを作る知識が多少なりとも必要になるほか、Macが必要になります。知識のある方は、作っておいた方がよいでしょうね。私自身はそうではないので、仕方なくひたすらサイバーパトロールを行うに留まっています。
※筆者はiOSと呼ばれるものにはたいへん疎いため、iMessage用ステッカーの制作に関しては、その都度、最新の情報を調べてくださいませね。
その他:盗用されたサービス元に連絡する
盗用元がLINEならLINE、FacebookならFacebookへ連絡しておくのも一手段です。ただし、Apple側の対応がこんな調子ですから、相手が企業になるとはいえ、さして大きな展開は期待できません。9月から今までに、盗用の横行が一切解決していないのがその証拠です。
ただ、私がFacebookスタンプが盗用された際に、Facebookの担当者さんへ知らせた時には、とても真摯に、しかも優しく対応していただけました。結局はこちらからの直接注意によって犯人が退いたため、Facebook社が直接動くことはなかったかと思いますが、Facebookさんにはちょっと後光が差して見えました。同じアメリカの企業でも、ここまで違うものか…。
番外:AmazonならAmazonへ
「Amazonなら」というのは、LINEスタンプの絵柄が盗用されて、Amazonの商品として売られたこともあるからです(世の中は悪い奴だらけなのです)。Amazonの場合の窓口はこちら。
知的財産権侵害についての申し立てとその手続き https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201995100
こちらは、侵害された権利が何かによって、Webのみで済むか、郵送(!)になるかが分かれています。商標権などの場合はWebで済みますが、私の場合は「著作権」だったので、たいへん面倒ながら郵送になりました。
この際、『5.申告者が正当な権利の保有者であることを証明する書⾯』で少々つまずきます。自分が描いたことは間違いないのに、それを証明しろとはどういったことか?と思いますね。
この時どうすればよいかというと、「書面とはどういったものでしょうか、こんなんありますけど、これでいいでしょうか?」と、「商標権または意匠権の侵害を報告」のフォーム(https://www.amazon.co.jp/gp/help/reports/infringement)の方へ、確認を先に送ります。例えば、個人サイトや、LINE STOREのURLを送ってみるとよいでしょう。そうすると、Amazonの中の方が事前に確認をしてくれて、この5.に関する書面が特に必要でなくなったりします。
郵送した書類が受理されると、下のような書面が返って来て、解決に至ります。…と言いたいところですが、実はこれを受け取った時、まだページが残っていました。一体何を見て書いているのだ。
Amazonへ「まだページが残っているんですが!」とメールをして、ようやくページが削除されました。確認を忘れてはいけませんね。
こういう記事が必要でない世の中になればいいのですが。
(随時、追記します)