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阪神JF2024回顧~タフさを求められた一戦~
はじめに
阪神JFの予想が難しすぎて脳内を整理するために急遽書いたnote。せっかく予想したなら回顧しておこうのコーナー。素人的雑感です。◎ショウナンザナドゥ、〇テリオスララ、▲アルマヴェローチェ、☆リリーフィールド、△1番手ビップデイジーこれで当たらないのが競馬。回顧を積んで次に繋げたい。精度より鮮度。今回は一気に書き上げてみた。
馬場展開考察~想像以上にタフな競馬~
当日の京都芝は砂が舞っており誰が見ても荒れているのは明らかだった。そして前半4Fは46.5。この時期のタフな京都にしては流れたのかなという印象。昨日のリゲルSの前半4Fは46.9と0.4秒差であるが、雨も降り始めた中でこの差は大きかったと思う。ラスト4FはリゲルS46.0に対して阪神JFは46.9と後半大きく失速するラップであることが分かる。この時期の2歳牝馬にとってはかなりタフできついレースであったと想像できる。
道中の動き
~揃ったスタートと不気味な黒船~
スタートは概ね揃い、スタートが懸念されていた外国馬メイデイレディはまさかの好スタートで先団に取りついた。短距離馬の出足を活かしてリリーフィールドが出て行ったところを内からミストレスとモズナナスターが制して逃げ争い。
隊列はスムーズに決まり、①ミストレス⇒②モズナナスター、リリーフィールド⇒③ショウナンザナドゥ、メイデイレディ⇒④アルマヴェローチェ、ランフォーヴァウ、カワキタマナレア、テリオスララ、ダンツエラン⇒⑤ブラウンラチェット、ミーントゥビー⇒⑥ビップデイジー、ジャルディニエ、スリールミニョン⇒⑦ジューンエオス、コートアリシアン⇒⑧クリノメイという展開。何頭か想定外の馬もいたが、隊列はおおよそ想定通り。
ショウナンザナドゥとメイデイレディが予想より前目にいて、ブラウンラチェットが後方にいた。コートアリシアンはやはりスタートがイマイチで最後方に置いて行かれる形になりここで試合終了。ショウナンザナドゥは勝ちに来てると思ったが結果的にポジションが前過ぎたか・・・
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~早仕掛けとビクトリーロードを通る勝ち馬~
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4コーナーを回ると9ショウナンザナドゥは外目に進出して早くも先頭を捉える勢い。2テリオスララは道中9ショウナンザナドゥを見る位置にいたが前の馬の手応えが怪しいのでコーナーリングで6モズナナスターと7ミストレスの間を狙う。12アルマヴェローチェはコーナーでやや膨れるも外目に出すことに成功。前はがら空き。1ビップデイジーも2テリオスララの後ろに付けて後は付いていくだけのポジション。10ブラウンラチェットは勝ち馬を見ていたがこのあたりから離されてしまっている。17メイデイレディも9ショウナンザナドゥの後ろでいいポジション。
~伸びる外と瞬間移動~
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直線入口に向くと9ショウナンザナドゥはやや苦しそうにじわじわと伸び、内を突いた2テリオスララが9ショウナンザナドゥへ迫る勢い。そして12アルマヴェローチェは馬場のいいところに持ち出して後は伸びるだけの構え。ここで面白いのは1ビップデイジーの動き。2テリオスララの後ろにいたはずが、空いた進路を見つけて12アルマヴェローチェの内にスライド移動してきた。
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中団からスムーズに外を出したらそりゃ伸びるよねという形で最後は12アルマヴェローチェが突き抜けて、1ビップデイジーが食らいつく。9ショウナンザナドゥと1テリオスララは首の上げ下げで3着争い。
各馬考察~桜花賞には繋がらない?~
1着アルマヴェローチェ
勝ったから強いのは当然として、タフな馬場・展開、スムーズな進路どりに恵まれた感がある。スピードレースの桜花賞は割引でその後のタフなオークスや秋華賞で狙うのが良さそう。
2着ビップデイジー
この馬も今回進路どりと距離短縮ローテが嚙み合った印象。ただ、決め手勝負で勝ってきている実績もあるため、桜花賞でも抑える必要はありそう。直線の横移動も馬が強くないとできない芸当でオークスや秋華賞でも楽しみ。
3着テリオスララ
伸びない内を突いての3着で好内容。この馬もオークスや秋華賞向きと見ている。鞍上もレース後1600mは忙しいと言っており、桜花賞は割引きたい。
4着ショウナンザナドゥ
今回先行した馬の中では再先着。消耗が大きい中で4着に粘ったのは好評価。ペースは速かったものの素質を考えれば押し切ってほしかった内容で距離は1600mまでが限界かもしれない。桜花賞で人気を落とせば再び狙いたいが人気しそうである。
5着スリールミニョン
後方待機策で展開が向いたとはいえ、このメンバーで上り3位での5着は好評価。地力面は1歩足りないものの、勝ったききょうSも人気薄で後方一気だったように、展開待ちで重賞でも穴をあけられるかもしれない。
6着コートアリシアン
出足が付かず、最後方に置いて行かれるも上り2位の末脚で6着に突っ込んできた。伸びない内を突いており、ポテンシャルだけで差してきている。出遅れ癖と掛かり癖があるため、出遅れても出していけず後方一気になる点で乗り難しい馬で、気性が成長すれば大化けする素質馬。成長を待ちたいがオッズが下がれば買いたい1頭。
7着ミーントゥビー
外枠から行きたがるのを抑えながら、終始大外を回っての7着で評価を下げる内容ではない。本質は短距離馬で次走1200m~1400mに短縮してきたら買いたい。
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8着ミストレス
今回はこの馬の展開・馬場ではなかった。やはりきれいな馬場で先行してこその馬だと思う。
9着モズナナスター
この馬もミーントゥビーと同じくスプリンター。先行してこのメンバーで9着に粘ったのは評価できる。
10着ジャルディニエ
道中後方になってしまったのが良くなかったか。上りはそこそこ使えたものの伸びきれなかった。もともとスタートセンスよりは二の足で先行していた馬で上級条件の多頭数だとポジションが取りにくいと感じた。小頭数で立ち回りを活かせそうなレースで狙いたい。
11着ランフォーヴァウ
4コーナー出口では勝ち馬の隣にいたが、内の馬が斜行した影響で弾き飛ばされてしまった。不利がなければいいポジションにいたのでもう少し着順は上だったかもしれないが、大外を回っていいたため着内は厳しかったか。出遅れ癖が改善してきているところは良化点。
12着リリーフィールド
個人的には上位評価の中で唯一掲示板外に飛んでしまった馬。パドックもよく見えたしやはり距離適性。大負けはしたが前半のスピードはいいものを見せていたので、距離短縮で買い。
13着メイデイレディ
好位に付けており、道中はやられたと思ったが大きく敗れてしまった。鞍上は馬場が緩くて空回りしていたと言っており、日本を狙ってきたことからも地盤が硬い方が向いているということか。カワキタマナレアの斜行の影響を受けているがあまり関係なさそう。やはり外国馬は難しい。
14着クリノメイ
ゲートで暴れて外枠発走。外枠でなくても地力が足りていなかった印象。
15着ジューンエオス
前に付けると思ったがテンの脚で置いて行かれていた。今日のコンディションで見せ場がないなら、やはりダートで買いたい馬。
16着ブラウンラチェット
馬体重減、初輸送、初ハイペースと様々な懸念がある中過剰人気していたが、それでも負けすぎな印象。鞍上は3、4角の馬場が悪くて進まなかったとも言っておりスローペースで立ち回りと瞬発力を活かせるレースで狙いたい。
17着ダンツエラン
距離がギリギリな中でタフな展開は厳しかったと思う。短距離でレースセンスを活かせるときに買いたい。
18着カワキタマナレア
距離が長い中でこの馬にしてはポジションを取りに行き最後はきつかったか。斜行もしていいところなし。前走まで見せていたように短距離の差し展開で期待したい。
総評~阪神JFで見える勢力図~
1着アルマヴェローチェにより、札幌2歳Sのレベルの高さが実証された。もともとこの馬の予想見解で書いたように札幌2歳Sで3着のファイアンクランツが東スポ杯で4着とその片鱗があったが、今回で実感した人も多いのではないか。札幌2歳Sで1着のマジックサンズは次走ホープフルSを予定しており、適性面からも楽しみである。
阪神JFの1~3着馬は各馬考察に書いたように桜花賞につながりにくいと思うので、桜花賞では相手関係から慎重に判断したい。逆にブラウンラチェットやショウナンザナドゥ、コートアリシアンなど今回負けた馬の巻き返しも要注意。適性は逆になると予想している。もしかして賞金積めなかったショウナンザナドゥはまた抽選チャレンジですかね・・・?次も頼みますよ!JRAさん!
短距離馬で面白そうなのはミーントゥビー。この馬の舞台ではなかったが3着と0.4秒差の7着は評価したい。
今回は1800m以上の適性や荒れ馬場適性のある馬が好走して、1400m~1600mのスピード適性がある馬には厳しかったと考えられるので、そのあたりを見極めて今後の評価につなげたい。
最後に・・・岩田望来J、G1初制覇おめでとう!やっぱり若者の初制覇は気持ちいいね。(おじさん)