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夫が余命宣告された32歳の私の幸福論
それなりに幸せで
それなりに辛くて
それなりに努力していて
それなりに希望を持って
それなりに満足して生きてきた。
【30歳までは】
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31歳になって2児の母になって
それなりに泣いたりしながらも
それなりの幸せを噛み締めて生きていた私に
突然の夫の病。
悪性脳腫瘍のグレード3。
大して苦労もしてこなかった。
究極のストレス下での戦闘術も
自分の心の保ち方も、人を守る力も
一気に装着しなければなかった。
でも時間がない。体がついてこない。
子ども達に笑顔を作るけど笑えてない。
ある日の晩もうダメだと思った。
このままでは確実に私がダメになると思った。限界で、ふと深呼吸しようと気を緩めると悲鳴をあげてしまいそうなのをこらえる夜中2時。
【助けてください】
パリに住む日本人の自然療法士さんにメッセージをしてみた。
翌朝電話がかかってきて、手を差し伸べてくれた。そこからその方の紹介で多くの方が、力を貸してくれた。常に私をサポートする環境を整えて電話やメッセージで支えてもらった。世界はこんなに暖かいところなんだ。私はこの日を機に人生が変わった。
【幸せとは】
幸せはみんなそれぞれ形あって
大なり小なり感じて生きている。
幸せホルモンは3種類
【オキシトシン・セロトニン・ドーパミン】
【オキシトシン】は思いやりホルモンとも呼ばれ、スキンシップや感謝の気持ちなどによって分泌される。不安感や緊張、孤独感を和らげる力がある。
【セロトニン】は脳と腸から分泌される。規則正しい生活をし、太陽を浴び、適度に運動をし、腸内環境を整える。イライラや疲れを取り、良い睡眠や良い精神状態を保つ助けとなる。
【ドーパミン】は有酸素運動をしたり、目標を達成したりと好きなことをした時も多幸感、集中力増加などを促す。
やはり、シンプルに大切な人と安心感のある環境に身を置き、規則正しい生活をし、腸内環境を整え、適度な運動をして好きな事をする。
そして幸せは総合競技、トライアスロンの様だと思っている。1種目でも得点が極端に低ければそれは勝てない。掛け算である。
例えば
【自己愛×お金×人間関係×健康】
ひとつでも0だと全部0になる。
すべて高得点を追い求めなくても、小さく満遍なくあればそれなりに幸せなもの。
あのハリウッドスタージムキャリーが言っていた。
I hope everybody could get rich and famous and will have everything the ever dreamed of, so they will know it’s not the answer."
【誰もがお金持ちになって、夢に描いているものすべてを手に入れられたらいいのに、と思う。そうしたらみんな、それが答えじゃないって分かるから。】
そう、やっぱりそれだけじゃない。
幸せの器が整っていれば、お金も名声も無くても幸せな器さえあれば、その上に名声やお金が乗ったらもっと幸せになる可能性はある。
多くの富に恵まれたいわゆる世間一般の成功者が自ら命をたつこともある。
何でもあるように見えても身体が言うこと聞かないなら気持ちは落ち込んでしまう。
お金があるのに毎日罵り合い家族じゃあ息ができない。
その器とは
自己愛【心の健康】と【体の健康】だと思う。
そしてその器はさらに他者が溺れている時に手を差し伸べる余裕に繋がってくる。
ここが満たされていないのに人を助けようとするのを自己犠牲と呼び、それは助けていない。というより助けられない。一緒に流され溺れる。
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もしあなたの大切な人が川に流されたら
自分の身を投げうってでも助けたい衝動に駆られる。最初はなんとか泳いで近づけるかもしれない。しかし、数分泳いで終わる訳でもなく、案外長期戦。体力勝負になる。
ちゃんとライフジャケットを着て飛び込まないとただの共倒れ。その人生のライフジャケットになり得るものが、心と体の健康。これを普段から身につけるトレーニングをしておく事が大切になる。
わたしは夫の命が危険だった時、大切な人を助けたいけど助けられない人をたくさん見た。自分を含め。
自分に幸せの器が完成しておらず、自分の心が健康でないために、目の前で苦しむ大切な人を助けたいのに自分の自制が効かないから取り乱し、時には怒りをばら撒き、コントロール不能になってしまった人々。助けたい、力になりたい。でも自分の不安を取り除くためにしか行動出来ず、一見愛のある行動に見えるけど実は自己防衛のための行動。
【助けたい】
【力になりたい】
強く願うのにそう動けないのは辛い事だと思った。その時自分が幸せでいる事は大袈裟ではなく世界平和への貢献になると確信した。幸せは伝染するし、同じように不幸や怒り不安も伝染する。
世界中の人が自分を幸せに満たしてあげられたら、手を差し伸べる余裕も生まれ、いいエネルギーの循環になる。
私はこのライフジャケットを急いで身につけることにした。
自分とたくさん時間を過ごして、自分の心の傷や思考の癖を見つめて癒し。
自分に親友にかけるような言葉を自分にかけて励まし続け。
自分の好きなことを少しでも毎日取り入れて。
自分と他人にしっかり境界線を引き。
苦手な事は人に頼って。
多くの本を読み知識をつけ。
腸内環境を整えて。
コンフォートゾーンから飛び出して。
辛い時は成長痛だと言い聞かせ。
怒りがこみ上げて来たら自分の心の傷を見つけるチャンスだと内観を続けた。
食事を整え、頭をはっきりさせた。
我が子を育てるという考えを
自分を育てて背中を見せると決めた。
人生は楽しいよと。
そしたら、
毎朝登る朝日がどんなに美しいか知り
体が休むことなく働き生かし続けてくれている奇跡に涙をし
食事へ深い感謝が生まれ
酸素が絶え間なく与えられ続けている事実に驚愕した。
奈落の底に落とされたら
あまりに暗すぎて
そこにいつもあったはずの星が
何倍にも明るくまぶしく光って見えて
そこには深い感謝と幸福感しかなかった。
これを見せてもらう為に
奈落の底に落としてもらった。
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31歳の泣き虫の私はもう卒業。
幸せは新しい物を手に入れる事ではなく
今目の前にある小さな小さなキラキラを意識して見つけていく事。
大人が気にもとめず踏んで潰して歩くどんぐり。子どもはポケットいっぱいに入れてスキップをして帰ってくるどんぐり。
同じドングリ。ゴミと宝物。
テレビも映画も携帯も仕事も
全て自分の意識、気を外へむかわせる。
社会の仕組みがそうだから。
それを全部脇に置いて
気を自分へ向ける事を少しでもできたら、
人生の荒波に浮かんでいられる
ライフジャケットが手に入るんじゃないかな。
地球が周り天体が動きつづけるように、
誰かが苦しみから抜け始めるとき
また他の誰かが苦しい角度に入る。
だから私たちは助け合う。
先に抜けた人が次の苦しい人を支える。
わたしは本当に多くの人のサポートや祈り言葉をもらった。今度は私の番。
わたしは出来合いの継ぎ接ぎの即興で作った、ちょっとミスぼらしいけど愛おしいこのライフジャケットを武器に、せめて家族や大切な人くらいは守れる人間になりたい。
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宇宙に合わせて生きていく。
助けられて助けて
人の幸せを祈る。
それが私の幸福論。