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今だからこそアレン・ギンズバーグ…

こんにちは!カナダはモントリオールにある独立系レーベルで色々やってるMomokaです。

こちらはもうすっかり雪でございます〜!カナディアンからはウザがられるんですが、やっぱり雪景色は綺麗!!寒いけど、大好きです🎵

夜の散歩中に見つけた美しい影

というわけで、もう気づけば12月ですが、12月11日に年内最後のリリースとして、我らの一推しアーティストAlex Henry FosterがEP『A Whispering Moment』を配信リリースしました!

こちらは楽曲「Shadows of Our Evening Tides」を中心に構成されているEPでして、ライブバージョンが3曲とオルタナティブバージョン("A Whispering Moment")が1曲という感じになってます。

は?全部同じ曲なん?

って、思うかもしれません。そりゃそうよね〜。

なんでこんな構成になっているのかというと・・・

Alex Henry Fosterというアーティストは「その瞬間」を大切にする人で、その時の気分や雰囲気に乗せて、よくステージ上で「即興演奏」をします。

なので、スタジオバージョン(オリジナルアルバムに入ってるもの)と、ライブバージョンは、まずほぼ違います!必ずと言って良いほど、新しいメロディーやセクションや歌詞までもが追加されます。

更に!ライブの際も、演奏するたびに、違うバージョンが次々と生まれていきます。

それは、どの瞬間もユニークなもので、思い出深いもの。だからこそ、今回は同じ曲だけど4つの瞬間をEPとしてリリースしたんですね。

この「Shadows of Our Evening Tides」という曲には、アレン・ギンズバーグ本人が自分の詩を朗読している声が入っています。

The weight of the world is love.

Under the burden of solitude,
under the burden of dissatisfaction
the weight, the weight we carry is love.

but we carry the weight wearily,
and so must rest in the arms of love
at last, must rest in the arms of love.

No rest without love,
no sleep without dreams of love–

The warm bodies shine together in the darkness,
the hand moves to the center of the flesh,
the skin trembles in happiness
and the soul comes joyful to the eye–

yes, yes,
that’s what I wanted,
I always wanted,
I always wanted,
to return to the body
where I was born.

(世界の重さは
愛である。
孤独を背負いながら
不平不満を背負いながら
重さ
我々が運ぶ重さは
愛である。

だが我々はその重さを
だるそうに運ぶ
だからこそ愛の腕に包まれ
休まなければならない

愛なくして
休めはしない
愛の
夢なくして
眠れはしない

温かい身体が
闇の中で
共に輝き
手は肉体の中心へと
向かう
肌は幸福で震え
魂は喜びとして
目に映る

そうだ、そうだ
これを
望んでいた
ずっと望んでいた
ずっと望んでいた
生まれた体へと
戻ることを)

アレン・ギンズバーグはアメリカのビート詩人として知られています。のちにヒッピームーブメントへと進化・発展していく思想の発端というか、生みの親として知られていると思います。

アレン・ギンズバーグ

そして、彼の代表作であり、今回抜粋されて曲に使われている詩が登場する『Howl』(吠える)という作品には、"人間性の原点への回帰"を促す内容です。

今現在、世界情勢はとても不安定。戦争は続いているし、各国の経済もなかなか苦しいし、未知のウイルスとか出てくるし、AIとかいう機械が人の世界にガッツリ侵入してきています。

そんな現実の中で、アレン・ギンズバーグの詩がフィーチャーされた楽曲を聴くと"人間性への回帰"について考えたくなります。いつの間にか、薄れてしまった人としての美しさ、人間として生まれた意味・・・

この作品は主にライブバージョンで構成されていますが、Alexたちのライブがとてもインタラクティブなことを考えても、とてもしっくりきます。

アイコンタクト、クラウドサーフィン、ハグなどなど・・・人と人との繋がりや触れ合いがたくさんあるのです。(特にそれができるコンサートの場合)

今の時代、お買い物も、仕事も、娯楽でさえ、人と顔を合わせなくても、完了できちゃいます。

知らないうちに「独り」が蔓延しています。

そこに警鐘を鳴らそうとしている、というか、そこに待ったをかけることができるのも、音楽(や芸術、創作)の魅力ではないかと・・・

勝手に思ってるし、願っています。

とても愛に溢れた曲「Shadows of Our Evening Tides」…どうぞ、楽しんで下さい!

ちなみに、Alexのファンクラブメンバー限定ではありますが、我らレーベルのクリエイティブ・アトリエチームがシルクスクリーン印刷をし、旋盤カット技術で作ったLPレコードもあります。レコードファンの方はぜひ🎵



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