記憶の片すみと(4)
猫カフェの前に猫が捨てられるニュースがあった。
「自粛期間中に犬や猫を飼い始めたが、飼うのが大変になって捨てる人がいる」
という話は7月あたりから目にするようになった。
きっとそんな人は、何かを理由にして
この先も同じようなことをするんだろうな…
と思って可哀想になった。
私が通っていた都心の幼稚園には、
猫が10数匹と年老いた犬が1匹いた。
(猫はもっといたかもしれない)
兄が入園したときは、犬は3匹いたそうだ。
普段から猫が園内を自由に歩き回っていた。
猫は子供達とはある程度の距離を保っていて、
子供達の輪に入ってくることは無い。
少し離れたところで子供達のことを見ていた。
それが普通の光景で、子供達も
猫に悪さをしたり追いかけることはしなかった。
冬になると、猫達は教室に入ってきて、
先生の膝の上で丸くなった。
戦後間もなくからある古い幼稚園だった。
「困ってる子供達が多くて、幼稚園を始めたけど、
いつからか犬や猫が園の前に捨てられるようになって、
それを引き取ると、どこかで噂に聞いたのか
また捨てに来る人がいて、どんどん増えた。」
そんな話を先生がしていた。
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