見出し画像

ミルク育児をするお母さんの肩身がせまいなんて、どうかしている

世の中には数多く〇〇神話が存在する。この神話という言葉は母親たちを苦しめる規範としてネガティブに捉えられることが多い。

その中でも私が苦しんだのは母乳神話だった。

子供があの頃と比較すると成長し、幼稚園に通うようになった今になってみると、なぜミルク育児のことをあれほど引け目に考えていたのだろうと思う。

出産して1か月ほどは、ほぼ毎日ミルク育児のデメリット、メリットを検索していた。また人に、お母さんのおっぱい飲みたいのかな?とおっぱいの話題を出されることさえ嫌だった。

ミルク育児をしているダメな母親だと思われるのだが嫌だったため、健診や人に聞かれた際は「混合です」と答えていた。

思えば出産前はミルクで育てるか母乳で育てるのかについてはこだわりが、ほとんどなかった。しかし出産した病院が、母乳育児推進の病院であったことから、産後は母乳で育児することが当然だと考えるようになっていった。

私の息子は全く乳首を吸わなかった。助産師さんが無理やり口をおっぱいにもっていくのだがそれでも吸わない。そのため助産師さんは3時間ごとに搾乳、おっぱいを吸う練習(練習しても吸わないのだが)15分ほど→吸わない場合はミルク というローテーションを3時間ごとに実施するようわたしに言った。

結局入院していた間に息子が乳首を加えることはできなかったのだが、退院後も当たり前のように母乳外来を予約するよう指示があり、里帰りから帰るまでの1か月1週間ごとに母乳外来に通った。

その際、助産師さんに「最初全く吸わない赤ちゃんでも4か月たって完全母乳になった赤ちゃんもいますよ。」と言われた。

わたしは彼女が何を言ってるのか全く分からなかった。こんな大変なことを4か月もする?他にもおむつをかえたり、お世話は山のようにあるのに、こんな大変なこと4か月もできるわけじゃない。

そこでぷつんと何かが切れ、わたしは授乳の練習をあっさりやめた。

しかしながらそのあとも1年間くらいはなぜあのとき頑張れなかったのかという思いが残った。頑張れなかったことに対する後悔というよりは、頑張れなかった自分は母親には向いていないのではないかという思いだった。

いつもミルク育児をしている理由、言い訳を考えていた。

「夜泣きがひどくて、精神的に追い詰められていた」

「何か月たっても息子が乳首を吸わなかった」

人に「ミルクで育ててるの?」と何気なく聞かれるたび、責められているように感じていた。

このような経験を持つ私であるが、本当に今になると、なんであんなことを気にしていたのか、まるでわからないのだ。

今、ミルク育児に罪悪感を抱えているお母さん、ミルク育児に切り替えたいけれど、周囲や自分を納得させられるだけの理由が見つからないお母さんに一つわたしがいえることは次のことだ。

大丈夫、ミルクでも母乳でも赤ちゃんは育つ。デメリットもあると言われるが、はっきり言ってさほど気にすることではないと思う※。もちろんどうしても気になる人が、別の選択肢(母乳、混合)を目指して頑張ることは全く否定しない。

※もしミルク育児が母乳育児に対して極端に劣っているのであれば、ミルク育児が選択肢として提示されることはないだろう。

大切なのはお母さんが追い詰められたり嫌な気持ちになることではないのだろうか。

母乳育児=愛情の大きさだと語られることがあるが、ミルク育児のお母さんに失礼な発言である。それに、子育ては長い。子供への愛情が授乳方法だけで決まるわけがない。愛情をかけられることなんて、いくらでもある。

もしミルク育児にする十分な理由がない、でも実はミルクに変えたいと考えているお母さんがいるのなら、わたしがしていいよ、許可するよ。と言ってあげたい。

ミルク育児と検索すると、特に掲示板などで、「甘い」「なぜ頑張らない?」との声が上がる。育児で疲れているお母さんにそんな言葉しか投げかけられない人の声など、放っておけばよい。自分の意見の正しさを主張したいだけだ。

一人でもミルク育児のお母さんが楽な気持ちになれますよう。願っています。






いいなと思ったら応援しよう!