家庭復帰って本当に良いこと?
親子は一緒にいるのが一番いいのか?
児童養護施設にいる子どもたちや一時保護されている子どもたちは、最終的に家に帰って親と暮らす「家庭復帰」を基本的には望まれます。
一時保護所から家庭復帰する割合に関しては、一時保護に至るほどの事由があるにもかかわらず約半数と、高くなっています。
虐待の疑いがある家庭においても「この家は本当に母子分離する必要があるのか」慎重に判断されます。大切だとは思うけど、基本が"親子は一緒にいた方がいい"だから母子分離に慎重でありすぎるが故に保護が間に合わないこともあります。
この「基本的には家庭で親に養育されるべき」という児童福祉の考え方、理解はできるのですが私はあまりいいとは思えないのです。
一時保護所や児童養護施設から家庭復帰したこどもは本当にみんな幸せになっていると思いますか?
児童養護施設から家庭復帰した友達たち
家庭復帰した同じ施設や一時保護所の子どもたち、何人もいます。たくさんいます。
でも大体が、帰ることを喜んでませんでした。
喜んでた子も、施設に戻ってきたことがありました。
久しぶりに会ったら、身体中ピアスだらけで学校も行ってなくてっていう子もいました。
「もう家に帰れる」と児相や施設職員など様々な機関で判断され、家庭復帰に至りますが本人や親以外の家族の意思は無視です。いや無視はないけど、尊重されません。
その結果施設に戻ってきたり、一時保護を何度も何度も繰り返したり、虐待が繰り返されたり。
家庭復帰がうまく行った事例ももちろんあるでしょう。
ただ、私の周りには一切成功例がありません。
家で暮らすのが最善か
いいえ、そうではないから保護されたり施設に入ったんです。
そう簡単に家庭復帰を目指していいものでしょうか。
虐待は根強い親の辛い課題です。
簡単に正常な精神や暮らしになるわけではありません。
一生繰り返し変われない親だって正直いっっっっくらでもいます。
施設にすぐ戻ってくることになる子供の気持ちがわかりますか?
私は家庭裁判所でも児相の職員でもないから本当の基準がわからないけど、本人や家族の意思を尊重しない家庭復帰が行われているのは事実です。
虐待死してしまった子供のニュースでも、過去に保護歴があった子どもが少なくないですよね。
家庭復帰し家で暮らさなくても、親との関係を築きながら施設で育つ方法があります。
施設の空きが足りないとかあるけど、そうなんだけども・・・。
虐待が増えている以上、一時保護や施設の枠と職員を増やし「今施設にいる子」も「今居ない子」も犠牲になることがないようにしないといけない。
もちろん、そもそも虐待が起こらない用にする必要がありますが。
家庭復帰、家族の意思を無視した例
私の弟が高2で途中退所しました。(普通は高3の3月)
理由は、弟と親が望んだからです。
弟が家庭復帰を望んだ理由は「おこづいかいが少ないから」「門限があるのが嫌」「ルールが嫌」そんな理由です。
ルールを破るたび呼び出され、一時保護所に送られを繰り返していた弟は、そりゃ自由な実家を選ぶでしょう。
親は、「〇〇(弟)が望むなら別にいいよ」それだけでした本当に。
私は施設と児相の職員に訴えました。
「弟が施設を出たら縛りがなくなって一気に悪い道へ進み高校も辞めてしまう」
「生活が変わることでお母さんが精神荒れることが明らか」
何度も訴えて、「〇〇(私)も含めた家族みんなの意思を尊重する」と言われましたが途中退所、家庭復帰となりました。
結果どうでしょう?
ルールがなくなってお金だけはある実家のお金を自由に使い、高校はやめて、月に何度も警察送りになり散々なことになっています。
お母さんは、弟が家を散らかすことや言うこと聞かずに癇癪を起こす弟の影響で精神状態が悪くなりました。
弟は自由になるために施設を出たけど、結局本人も「10何年も家にいなかったんだから、家にも施設にもどこにも俺の居場所はない」と一度泣いていました。
一時保護所から家庭復帰、最悪だった
私自身も7回くらいでしょうか。何度も何度も一時保護所を入ったり出たりしました。そんなに繰り返すの、おかしいと思いませんか?
ひどい時は、一時保護所を出て数日で出戻りました。
家に帰りたい?と福祉司には聞かれます。
帰りたくない、結局変わらない、叩かれる。、毎回そう答えても家に返され、保護所に戻りました。
家庭復帰しなくてもいいのでは
全く誰も目指さないというのは極端ですが・・。中には18ケースといって家庭復帰をしないことが決まっている子どももいます。
「基本的には勝て復帰を目指す」なんて概念、なくていいと思うんですよね。
特に虐待では。面会や外泊など、親との関わり方はいくらでもあります。
施設の空きが足りない、職員が足りない、そんな理由で虐待を受ける子供を増やしてはいけない。
皆さんはどう思いますか?