LADIES!! AND GENTLEMEN!/『ついでにジェントルメン』
うれしい本を読みました。
タイトルは『ついでにジェントルメン』、
大ファンである柚木麻子さんの新刊です。
ここ数年、ドはまりしている作家さんなのです。
コロナが始まったくらいに偶然読んだ『ナイルパーチの女子会』で「!!」、
過去作からほぼすべてを集めて読み、
文芸誌に掲載された新作もすべて追って、
友人たちに薦めまくり、薦めた友人もドはまり(笑)
待望の新刊は、なんだか、本当に、いろいろ、うれしかった。
読みながらずっと、うん、うんうん、頷き、笑い、時にほろり、
わくわくと、ぴりりと、「そうだそうだ(私たちには「せや、せや」)」と、
≪一緒に考えてゆこう≫ ≪一緒に踊ろーぜ≫を感じ、
読んだタイミングも重なって、グッと来てなりませんでした。
以前から好きだった話も再録されていました。
2年前に出版された料理小説アンソロジー
『注文の多い料理小説集』(文春文庫)に収められていた1篇です。
「お!」「わ!」となって、まず最初に読みました。
『エルゴと不倫鮨』。もうタイトルからして興味が湧きません?
エルゴとは赤ちゃんの抱っこ紐(私も知らなかったのだけれど)
舞台は隠れ家的高級お洒落会員制寿司屋さん、
若い女性を「なんとか」しようとイキったおじさんがイキって来るお店です(あーしみじみ)。
そこにエルゴ、つまり抱っこ紐のお母さんがドドドドッと入って来た!
彼女はドカッと座ってお寿司を注文しめっちゃ呑み始めて、
しかもその注文の仕方と内容が……!!
強烈さと、爽快さと、「巧いな」。
(当時はこれを全力いい意味で「性格悪いな!」とインスタに書きました(笑))
「嬉しいな」と、素敵やな、「こんなお話が書けるなんて」って。
中盤から胸のすくような、そして最後「うんうん」と頷いて頷いて嬉しくなるお話で、
強烈に覚えていた(そしてこれも人に薦めた(笑))のですが、
読み返すと、当時よりも、沁みること、考えさせられることもたくさんあって。
このお話を含む『ついでにジェントルメン』は、
敢えてアホな言い回しをしますが、「最高オブ最高」でした。
某『失楽園』を書いた大作家(違うけどそう)、
高級リゾートホテルでの実体験から書いたあの小説はいつの話だ。
自己陶酔気分とイキリとまだまだロマンスを追い求めて
かつてのホテルを訪れると、え、客層が。
え、しかもなんでこんな奴らとわし話してるねん、な、老害作家(失礼)が、
「今」と、それまで見てこなかった見ようとしてこなかったことに気付く話とか。
友人の勧めで整形をしようとクリニックに来たら、
待合室の女性誌がぜんぶとられていたからしゃあなしに謎の児童少女文学をめくっているうちに、気付いたこと、そして「自分でつくってゆく・変えてゆく✨」人生! な話とか。
(タイトルは『あしみじおじさん』(笑))
離婚しようと実家に逃げてきたら、
まさかの義父(イケメン・でもなんにも出来ない・いや、しない・しなかった)が
追っかけてきてまさかの謎の同居をすることに……から、みえてきたこと、とか。
そして、
この本の大事な、いや、楽しい仕掛けとなる重要人物、菊池寛。
私はこの人が以前からとても好きというか興味が尽きないのですが、
(北村薫作品の影響です)
この我が菊池寛(え?笑)がめっちゃええ感じのおもしろオジサンとして2度、2作品登場するのです。菊池寛おじさん、最高です。
最近、ほんと、ほんと最近、ちょっと色々考えたり、
てか考えさせられるをえなすぎる(日本語おかしい)ことが多くありました。
自分のことじゃない。大好きで大事な世界を通しての、おおきなこと、皆、皆のこと……。
悩んだりしていた時期を経て、このタイミングで読了をしたのも、
何かの縁や意味があるのかもしれません。
なんだ、なんだか、
背中だけじゃなく肩を掴んできゃっきゃポーンッと押してくれるような、
一緒にきゃっきゃわいわいな、本当に楽しくて嬉しい1冊となりました。
物語には、作品には、芸には、力がある。
読んだ、観た、誰かを、動かす、誰かの行動や人生すら動かし、変える、力がある。
大きかったり直接的だったりではないかもしれないけれど、きっと、絶対。
例えばひとりじゃなくても、
その作品に触れ、動かされた人々が同じ思いを持って集うことで。
これ、ここ何年か、大好きな表現者のステージにとてもとても思うこと。
そして、今作にも、とても、とてもとても、思いました。
そして私も。いやー、がんばらねば! やわー、ふふふ、うん!
短編集故に、ぱらぱらと、思うままに気になった作品から読んでいったら、
偶然、最後に読んだのが、一番最初の作品、『Come Come Kan!!』でしてね。
ちょっと泣いたよ! めっちゃ笑いながら!
今日も元気で。皆で元気で。 Shall we dance! わしも踊るよ!
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大阪の物書き、中村桃子です。
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/
大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。
ブログの右端に簡単な経歴やこれまでの仕事など書いております。連絡先も。
お仕事依頼は勿論大歓迎、以外のご連絡も大歓迎です。
現在、ウェブマガジン「tabistory」様にて女2人の酒場巡りを連載中。
現在第10回。11回(入稿済み)~12回もたぶんもうすぐ!
そして、あたらしい連載「Home」。皆の大事な場所についての文章、も、ぼちぼちと。
旅芝居・大衆演劇関係では、各種ライティング業。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、
各種文、台本、役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。あ、小道具の文とかも(笑)やってました。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
アーカイブがYouTubeちゃんねるで公開中(貴重映像ばかり)。
……と、New。今年からはYouTube絡みのお仕事にもかかわっております(演劇系とかじゃないけど)。ふふふ。
仲良くしてくれたら、とても嬉しい。
改めて今後ともどうぞよろしくお願いします。ありがとう。ラブ。