良い質問/質問者の共通点
学会やセミナーに参加すると、とてもセンスが良いな…と思う質問者と出会うことがあります。
また、Youtubeで著名な先生方同士の話を見ていると、なんて良い質問をするんだろうと感銘を受けることがあります。
そんな質問や質問者の方々の共通点を考えてみました。
ここまでの文脈をつかんでいる
ここまで回答者が話をしてきた内容を、しっかり聞いていないと、良い質問はできないと思います。
それは、当たり前のことなのかもしれないんですが、回答者のここまでの話の文脈をちゃんと捉えて理解していて、その結果、ここまで話してきた内容に被ることなく、だけど、その内容を発展させられる質問にすることが可能になる。
と、同時に回答者の話の足りないところを補正することもできる。
時間の関係で話すことができなかった内容や、論理的に足りない場所、さらには回答者がそこを質問をさせるために、わざと説明しなかったところに対しても、質問する(もしくは、してあげる)ことができる。
質問できる力とは、傾聴して、理解できる力を包含しているのかもしれません。
あと、その場に合っているかどうか、というのも重要かなと。
セミナーなのか、審査なのか、学会発表なのか、講演なのかによっても、聞かなければならない角度や質問が変わってくるような気がします。
そこに参加しているみんなが聞きたい質問なのか、そこで話をしている人が話したい内容なのか、みんなのことが考えられている質問は聞いていて楽しいと思います。
程よい抽象度/具体度
その場にあった抽象度、具体度というものがあると思います。
あまりに広すぎて回答するには何時間もかかりそうな内容(〜とは何ですか?)は抽象的過ぎるし、その人しか興味がない、あるいは必要がないような内容は具体的過ぎます。
程よい抽象度/具体度とは、その場その場によって生き物のように変化するので難しいんですが、ひとつは質問者に仮説があるかということかなと思います。
自分の仮説が回答者と合っているのか、違うのかと確認するのは、どんな質問でも程よい抽象度/具体度に落ち着くような気がします。
なぜなら仮説があると、回答者が答えやすい質問をすることができるからです。
抽象的過ぎる質問になることはまず無いですし(質問者もそんな長々とした仮説は立てられない)、具体的過ぎる質問は回答がYES/NOで答えられるような質問になります。
仮説が回答者と違ってても、問題はありません。回答者の仮説を聞ければ、それでいいので。
雰囲気(語尾、口調、御礼)
これは言わずもがな、穏やかで、攻撃的でない雰囲気というものがあると、回答者の心理的安全性が保たれます。
本人はそんな気はないのに、詰問調で質問してしまうともったいないなぁと思います。
回答者も、次質問する人も、座長も、司会も次の一言に怯んでしまって、場の進行が固くならないような雰囲気にしたいですね。
あと回答を聞く時、ちゃんと頷いているかどうかも重要な点だと思います。
直立不動で聞いていると、本当に届いているのか、理解してもらえているのか、回答者はわからないんですよね。
御礼も大事ですね。
学会やセミナーとはいえ、人間と人間のコミュニケーションなので。
質問する目的を押さえる
なぜ質問するのでしょうか。
自分が知りたいから。それが一番だと思います。
でも、その場(セミナー、学会、講演、勉強会など)が設けられている目的は、参加するみんなのためだと思います。
その目的に適った質問はどうしたらいいのか、どんな質問をしたらいいのか、少し考えてみると良い質問者になれそうだなと思いました。
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