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学会発表の練習方法のポイント
まったく自慢でもないですし褒められたものではないのですが、以前は練習をほとんどしないで学会発表に挑んだものです…練習しても1回か2回くらいでした。
自分は発表がうまいという謎の自身と先入観があったせいか、あまり練習せずともやれるだろうと考えていましたし、実際こなせていたように思います。
しかし、一度原稿なし、練習なしで臨んだ結果ぐだぐだになった経験があり、「自分はあまり発表がうまくなかったのだ」と気づきました。
あのスティーブ・ジョブズでさえも、初代iPhoneの発表のプレゼンを何度も練習したと言います。
凡人であるならば、ちゃんと練習をして、余計なミスをなるべく最小化して、ちゃんと聴衆に中身が伝わる発表をするべきと猛省し、学会発表や大きなプレゼンを行う前にはしっかり練習を行うようになりました。最低でも20回は練習するようにしています。
私自身が意識している学会発表の練習のポイントを簡単にまとめて共有します。
本番とほぼ同じ姿勢、環境で練習する
座ってパソコンを見ながら練習するのと、立って発表するのとでは、雲泥の差があります。
よく自分が遭遇するのは、想定よりも演台が低く、演台の上に置いている原稿やパソコンが遠く、視線がぶれやすくなるパターンです。
それを想定して立って練習しましょう。
また、学会発表ではマイクを使用します。自分は絶対にマイクスタンドを使用せず、左手で持つと決め、左手にマイクみたいなものを持って練習しています。
身長が180㌢オーバーなので、マイクスタンドに声が当たらなかったり、身振り手振りをしたりして口の位置が変わったときに、声を拾ってくれないことが多いからです。
とすると、左手はずっとふさがっています。右手でパソコンのEnterキーで操作する必要があります。
さらに、視線は手元のパソコンの画面を見るか、聴衆に映し出されているスクリーンをポインターなどで指したりしながら見るか、あるいはパソコンのマウスカーソルでポインターの代わりとするか、場面によって変わってきます。
このように、演台の上では、多くの聴衆の前で、緊張しているにもかかわらず、様々なことを同時に行わなければなりません。起立して、マイクが拾うようにしゃべりながら、パソコンを操作して、スクリーンを指して、聴衆の反応も確認する…
しかも、演台の机の環境は発表時に初めてわかります。実際の練習場面をできる限り学会発表時の環境に近づけて練習することで、余計な緊張をせずに済みますし、ある程度の環境の変化(マイクの位置やパソコンの操作方法など)に対応することは可能になります。
発表の背景を知らない人に聞いてもらう
背景を知っていると、どうしても辻褄をあわせて頭の中で理解してしまうのですが、まったく発表の背景を知らない人に聞いてもらうと、そうはいきません。
本番の発表の際に、背景を知っている人はほとんどいません。
背景が知らない人でも、すんなりと理解できるか、腹落ちできるかどうか、できれば背景を知らない方に聴いてもらうと良いです。
できれば、院内や部署内で事前発表会みたいなものを開くといいかもしれません。
自分はバッググラウンドが違う同じ部署の方に聴いてもらって、感想を確認するようにしています。
原稿を読まない発表でも原稿を用意する
発表慣れしている方は、資料を作った段階で原稿を用意せず発表できると思うのですが、慣れないうちは原稿をあらかじめ作っておいた方が良いと思います。
というか、どちらにせよ自分は絶対に原稿を用意しておきます。
これは原稿そのものというよりも、原稿を準備するプロセスが重要だからです。
資料を作る上で気づかなかった矛盾や話の論理的な破綻に気づきやすくなります。
聴衆に伝えるためには、どんな順番で、何を話さなければならないかを整理できるので、本番に原稿を使わなかったとしても準備しておくことをお勧めします。
あと、原稿を作ることである程度の時間を予測することができます。
決められた時間内に、きっちり終わるかどうか確認することもできます。
録音して、それを聴き込む
自分の練習の声を録音して、後で聞き返すと、原稿を作った時には感じなかった矛盾やよくわからない部分が出てきます。
聴衆は原稿を見ているわけではありません。
発表資料を見て、発表者の声を補足して聞きます。
録音すると、聴衆の状態に自分を近づけることができるので、客観的に発表を聴くことができます。
しかし、それだけでは無く、録音した音源を何回も聴くことで良い練習になります。
ある程度原稿が完成していて、それを使った練習をした音源を後で何回も聴くと、特に原稿を用意しない発表だと次の言葉が詰まることが少なくなります。
原稿を使った発表であっても次にどのような言葉が出てくるか予測がつくので流暢になります。自分の声を耳で聴き続けることによって、より記憶の定着を促すことができるのではないかと思っています。
人によって効果はそれぞれかと思いますが、試してみてはいかがでしょうか。
また、うまく行った録音を聴いていると、自信が出てきます。発表をする上で自信があることは、発表を楽しくするのにとても有効です。
努力や練習は裏切りません。やればやっただけうまくなっていきます。
ぜひ皆さんも自分なりの練習方法を見つけて、粛々と学会発表をやっていきましょう。