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息づまったことをみんなの希望に

今週もココとランは息苦しい社会の中で、ぐるぐる迷いながら話をしています。

ココ:ラン、前に話していたリムは結局休めたの?

ラン:それが、そんな話は上手くいかなくてね。周りの人に話したんだけど、みんな余裕がなくて…。いつも大変なのに、リムが休むとさらに大変になるって、話をしたところでどうにもできないって。なんだか全体が諦めモードだったよ。

ココ:そうなんだ。今はロボットが沢山のことをやってくれているんでしょ。だったら、人はもっと楽になるんじゃないの?なんだか不思議だね。

ラン:そうなんだ。これって前にモモが言っていたみたいに、誰か一人のせいというわけではない。もっと「当たり前」とか「常識」だと思われていることに上手くいかないところがあるのかも知れない…。
でも、そんなのどうしようもないじゃないか。私は目の前のリムさえも休ませてあげられない。本当はこうした方がいいって思うことがあってもね。なんだか息苦しいよ。

モモ:ラン、あなたって本当によくやっている。リムの周りの人に、掛け合うなんてスゴイことよ。でも、確かに誰かが悪いというわけではないようね。それって、もしかしたらみんなが行き詰っている事なのかも。

ここ100年くらいかしら、機械が発達して自動で色んな事がすすむようになった今って、何でも、しっかりきちんとあるかのように表面的には見えているけど、実は色んな事の裏では人が関わることで不具合があって、沢山の人がとっても苦労している。何か一つ変更するのにもみんなが理解して、慣れるためにとっても時間がかかったりするのに、それを想像しないまま自動で出来ると錯覚して計画が立っているんじゃないかな。何かおかしいと思ったら、機械に合せるのではなくて、人に合せてマイナーチェンジ、計画変更が必要なのよ。

ラン:でも、マイナーチェンジって意外と難しい。

ココ:その場でいる人で考えて変えちゃダメなの?

ラン:うーん、色んな事情をそれぞれが抱えているからね。後は誰かが決めたことに従わないといけないってなっていることも多くて。

モモ:そうね、でも、みなが行き詰っている事って、それはいわゆる社会課題なんだよ。

ココ・ラン:社会課題…?

モモ:そう。社会の一人一人が関係していて、誰かにお任せでは解決していかない問題っていうのかしら。例えば、環境問題なんかもそうよね。私には関係ないって、海にゴミを捨てる人が多いと、他の動物に悪い影響が出てしまったりする。世界や国が決めた方針があっても、それがどんな場面でも正しいとは言えないし、それを守るためにはみんなの理解や努力が必要になるから簡単じゃない。つまり、ゴミを捨てるその人だけを責めても解決しない

ラン:そうだね。1900年代はそう言った事の解決のために社会の意識を変えるためにデモ行進とかを活発にしていたな。

モモ:そう。今では人間はそういった社会課題の解決を仕事や事業として取り組むことを目指すようになって、そういうのを社会事業とかソーシャルビジネスっていうの。色んな形態があるのよ。人間は本当にいろんなことを考える。

ココとランは「残念な生き物図鑑」って知っている?人間が作った面白い図鑑よ。メガネザルは目が大きすぎて目玉を動かすことが出来ないのに絶滅しないで生きているって事が書いてあったりする。
でもある時思ったの、あんたたち人間が一番「残念な生き物」だって。
例えば、大体みんな同じような姿・形をしているからか、自分に出来ることは人にも出来るって思うとか錯覚が多かったり、そのことに気がつくための想像力も足りないから喧嘩をする。考えと感情のバランスも悪くて、思うようにいかなくて苦しんだりもする。寿命もそれほど長くないから沢山の事をやろうとして焦ってしまったり、ようやく色々出来るようになったと思ったらいなくなってしまうし。

でもね。私は人間が案外好きなの。苦しんだり失敗してぐるぐるしながらも、それぞれの力を合わせて粘り強く良くなろうとするところは本当に素敵。実際に多くの社会課題が前より良くなってきて、いきづまっている事をきっかけに、力を合わせて、みんなの希望に変えられたりしているのよ

ラン:いきづまったことをみんなの希望に!誰かを責めるのではなくて、仕組みを変えたり、みんなの考え方に働きかけたりする。それを仕事にできるっていいね。でも、なんだか難しそうだな。

ココ:そうだね。でも、まあ、出来ることからやってみたらいいじゃない。ココは絵を書くのが得意だから、みんなに人は休むことも大切っていう事をお知らせする絵を書いてみるよ。

モモ:ココもランもその調子。そうやって考えたり行動し始めるだけでも、先ずはいいのよ。


さてさて、こんな風に私たちはぐるぐる考える中で、ボーダレス・ジャパンの社長、田口一成さんの著書である「9割の社会問題はビジネスで解決できる」という本を読んで、今ある現状では息詰ったメンタルヘルスの専門家達が、自分たちも息がしやすくなるために、誰かを責めるのではなく、ソーシャルビジネスとして何かできないかと考え始めました。

その中で、「病気になる前に心の事を考えたり、知ったりする機会が少ない」という社会課題を少しでも解決したくて始めた会社が「ももここら」なのです。

それでは、今回の記事があなたのお心に合いましたら幸いです。今週もちょっと息がしにくいと思ったその時は、この記事を思い出して「ふぅー」っと一息ついてみてくださいね。

#ソーシャルビジネス #社会事業 #ボータレス・ジャパン #残念な生き物図鑑


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