落飾
私が髪を切ってから、一年が経った。
鎖骨くらいの、少し長いボブになった。
自分は、ショートカットが嫌いだ。
最も、ショートカットの自分が嫌いだった。
実は昨年、やむを得ず髪を切らなければいけない理由があった。
この理由の理由を話そうとするには、まだ瘡蓋は完成していないため、この話を笑って話せるようになるのは当分先だろう。
昔の女性は、仏門に入るために髪を切り落とす習慣があった。タイトルである「落飾」とは、高貴な身分の女性が自分の決断によって髪を切ることをさす。
自分は、どこかで髪を切る前の自分が羨ましいと感じる時がある。
明るく常にポジティブなフリができる、何事に一生懸命な姿は、粗方お手本と言って良いだろう。
人生はそんなお手本の様を無理して動かしていると、時に動かなくなる時がある。
その原因は、自分なのか、疫病なのか、はたまた周りの人間なのか?
昔の自分なら、自分が悪いと0カンマ1秒で答えていたであろう。
今の私のお手本はこうだ。
「どれのせいでもない」
明らかに、自分は執着を捨てた。
一つのところに驀地だと、その地面が揺れた時に自分が危険になるからである。
周りに好かれたいと思わない、
周りにも期待しない、
自分にも期待をしない。
褒められた生き方ではないが、自分を守るための行動はこれだと考えている。
髪を切るのは、体力も覚悟もいることである。
ただ、たかだか40cmの髪の毛を落として自分を守る盾が手に入るなら、それは縁なのではないか。
結局、自分の身は自分で守るしかない。
いつだって自分を変えることができるのは自分だけである。
しかし、周りの全てのものへの感謝を忘れずに。
私が髪を切り落とした後に、自分を少し変えることができた事柄がありました。
その人に、今年はちゃんと感謝を伝えたいです。
いつも応援してくださってる皆さん、ありがとうございます。
関わって一緒にお仕事をさせて頂いている皆さん、ありがとうございます。
また明日も。
Sincerely yours,