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アラサー女 南米1人旅 4日目 #1
早朝3:30
起床。今日はレインボーマウンテンという地層が折り重なってできた山々を見に行く。昨日も爆睡だったので体は元気だ。干しておいた洗濯物を取り込み、準備を済ませる。4時にピックアップに来るとのことだったが、3:50にガイドから鬼電が来る。え、時間ミスった??と焦り始める。バスが予定よりやや早く着いていたようで他の人を待たせてしまっていたようだ。ホテルの前につけてるから早く下りてくるようにと、めちゃくちゃ電話で急かしてくるガイドニキ。急いでホテルの人に荷物を預け、ガイドニキと合流。「ごめんやで。4時って書いてあったから。」というと、一人一人ピックしてるから早く着くこともあるんだとのこと。ただし他の人を待たせてしまっているので申し訳ないなと思いながらバスに乗りこむ。乗る時にSorryとひとこと言うべきか否かやや葛藤したが、まぁ謝るほど私が悪い訳ではない。やっぱりいいやと特に何も言わず一番前の席に座った。乗り込む時目があったゴリゴリタトゥーニキが睨んできた気もしないが・・(気にしすぎ。多分早朝過ぎてみんな眠いだけ。)
さて私以降も何人かピックアップし、まずは朝食会場へ向かう。ここですでにバスで2時間ほど走ってる。(10時間以上の移動を当たり前にしているので2時間が体感30分になってしまっている。)食事はビュッフェ形式で、とにかく美味しかった。ガイドニキが言うには、これから5,000mを超える場所まで行くと今の体調とは変わってくるので、あまり食べすぎないようにとのこと。そしてコカ茶など高山病対策になるものを飲むよう言われた。が、さっきまで寝ていた私。ガイドさんがバスの中で説明している時にも半分寝ながら聞いてしまい、そうか、山行くからたくさん食べたほうがいいのか!となぜか勘違い。
たまたま私を囲むようにして座った男性たちが日本語を話していたので「日本から来たんですか?」と話しかけてみた。会社の同僚3人組でマチュピチュを見るためにペルーまで来ていたらしい。今日このツアーを終えたらそのままリマに飛んで日曜深夜の日本に帰るんだと。翌日から仕事で2日間しかペルーにいられないのにそれでもペルーを選ぶあたり、推せる。最後まで名前を聞かずだったので私の似ている友達に習って彼らをホンダ・ヤマザキ・ワタルと呼ぶことにする。(大変失礼。)おしゃべりなホンダと「このスープ美味しいですよね」と盛り上がり「俺も飲んでみる」ととりにいくヤマザキ。だがパクチーが苦手だったようで、結局口をつけず、おかわりしようとしていたので私が飲むことに。それに合わせてパンも欲しくなり、またペロリ。本当に食べすぎ。高山病怖いですねとか話しながら、お互い何かあったら助け合いましょうねと心強い友ができた。
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バスに乗り込み、ここからさらに1時間ほど山の麓まで向かう。みんなあまり食べすぎてないよね?大丈夫?とガイドが言った瞬間に焦る。あ、やばいその逆をいってしまった。吐き気とか起こったらやだな、絶対あのスープとパンが頭によぎるやん。と悪い方に考えてしまいそうだったので外の景色に意識を向けた。
初めてのコカ!
コーン畑や色とりどりの岩を楽しんで見ていると、ガイドが高山で気をつけること(手先が紫色になってきたら頭痛が始まるだとか、水を摂取しすぎないようにだとか)を手短に説明してくれ、その時々の体調としっかり向き合いながら登るよう改めて注意喚起される。そして高山病にきく、コカの葉が配られる。コカ茶は4gほどしか含まれていないため、コカの葉をそのまま口の中で噛み続ける方が効率よく効くのだとか。初めてのコカの葉。くちゃくちゃ食べてみる。うーん、草。幼稚園生とかの時に興味本位で食べた草の味。特に風味などもない。
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途中、現地人のおじいちゃんがヒッチハイクしていたので優しいガイドニキ彼を乗せることに。このあたりはスペイン語よりもケチュア語という現地の言葉を話す人が90%らしく、ケチュア語も堪能なガイドさん、何やらおじいちゃんと楽しそうに話している。まぁとりあえずタバコでもというノリでコカの葉を渡して噛んでいた。雰囲気リスニングでどこまで行くんかというところまでは大体わかったが、そのあとはちんぷんかんぷん。ただ、手がゴツゴツしていて私のおじいちゃんの手にとてもよく似ていた。手仕事している人の大きな手だ。元気かな、と急にエモになり南米から戻ったら会いに行くことを心に決めた。待ってろ、おじいちゃん。孫は今南米でサバイブしているからな!
と、おじいちゃんを下ろして、しばらくまた山道を登っていく。美しい景色を眺めていたのも束の間、また爆睡。気づいたら山の麓に到着していた。降りた瞬間からすでに酸素が薄いのを感じる。ただ景色はめちゃくちゃに綺麗。今日もまた天気に恵まれ綺麗に晴れていた。
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みんなで円陣を組み、気合をいれる。同じツアーできたメンバーは「プーマ ファミリー」とのこと。山では我々は一つの家族なのでお互い助け合いながら向かおうというガイドのポリシー。素晴らしい。名前を忘れてしまったが、登る前にガイドがみんなの手に怪しいエキスを数滴垂らして回った。せーので手を擦り合わせて鼻と口を覆い吸い込む。ガンギマリ。鼻がよく通り酸素を取り込みやすくなるのだとか。目まで開いた気がする。まじでキマるこれ。(このあと登山途中も何度も吸ってキメていた。が、結局あれはなんだったんだろう。)
アタック開始
いよいよ5,000mアタック。といっても距離的には3.5kmほど。地元民たちはわずか20分ほどでいけるらしい。すごすぎ。体力には自信があったが、正直かなりきつかった。身体が重い上に、すぐに息が上がる。でも立ち止まりすぎると動けなくなるので、ひたすら少しでも歩みを進める。オプションで馬に乗って上まで行くこともできるらしく、ところどころに現地住民と馬がいる。そして馬のフンが大量に落ちているのでこれが厄介。酸素吸いたい。けど臭い。ああまたフンだ。酸素不足よりも先に馬のフンの臭さを胸いっぱいに吸い込むことで体調が悪くなりそうなそんな道中だった。
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お互いに声を掛け合いながら、ところどころ休憩を挟みながら、やっとレインボーマウンテンの絶景スポットまで到着。朝は晴れていたが山の天気は変わりやすい。雲がかかり、霧とやや強い風で寒くなってきた。このスポットよりもさらに上から見晴らせるとのことで、日本人3人衆と合流して上まで行くことに。見たことないエメラルドや白色の岩を登り、ついに山頂へ到着!!!が、霧に覆われて周辺真っ白!!めっちゃ寒い!人生初の5,000m超で写真をパシャリ。まじで酸素薄い!頭がぼーっとするけど達成感すごい!!山頂でシャッタータイミングを伺って、しばらくしたがなかなか霧が晴れない。諦めて徐々にくだり始めた。
(ちなみに寒い寒い言ってるとガイドが、左から右へ風が抜けているから、右の山側にいれば少し風を防げるぞと。行ってみると体感温度が全然違う。当たり前だが、風を読みその場で判断して生き抜く知恵。大事だ。)
もう1つの秘境 レッドバレー
レインボーマウンテンは有名だが、実はもう一つレッドバレーという山がある。体力的にいける人はオプションでいけるとのことで、せっかく来たし行くかという3人衆の勢いに飲まれて私も行くことにした。(1人だったらもしかしたらやめてたかも。マジでありがとう。)これが・・・本当にすごい。心底感動した。レッドバレーだけに行くでも良いくらいにすべてが美しかった。岩も植物も水も土も何もかもが生きていて圧倒されて泣きそうになった。この景色は多分一生忘れられないと思う。
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すごすぎるな、綺麗だなとプーマファミリーのみんなで感動を分かち合い写真を撮り合った。2人組で参加していたアメリカ人ガールたちはハグしあっていた。ハグでシェアする感動いいな。私も混ざりたい気持ちをグッと抑え心の中でセルフハグ。感動を胸に、くだり路へ。相変わらずどこにでもいるアルパカ。ムシャムシャ草食べててかわいい。おりてくると岩肌の間にところどころ緑が増えてくる。時には可愛らしい花や水も流れていてどこを切り取っても美しかった。
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無事に最初の集合地点に戻り、みんなでハイタッチをかわす。バスに乗り込む前にトイレを済ませ手を洗うと、爪の先が真紫だった。人の爪ってこんな色になるんやと感心してしまうほど。高山病対策薬・解熱剤・頭痛薬を服用していたので症状としては出なかったものの、多分身体には相当過酷な状況だったんだろう。私の体、よく耐えてくれた!ありがとう!バスに乗り込み朝食を食べたのと同じレストランへ向かう。緊張の糸が切れたのか、お腹がぐーと鳴っていた。