【ももたろレビュー】映画#5『CITY HUNTER(2024年)』
1)あらすじ
現代の新宿。
相棒の槇村秀幸(安藤政信)とともに有名コスプレイヤー・くるみ(華村あすか)の捜索という仕事を請け負った冴羽獠(鈴木亮平)。
その頃新宿では謎の暴力事件が多発し、警視庁の敏腕刑事・野上冴子(木村 文乃)も手を焼いていた。
息の合ったコンビネーションでくるみを追うリョウと槇村だったが、秀幸の妹・槇村香(森田望智)とともに突然起こった事件に巻き込まれていく。
2)ももたろレビュー
「日本映画でこんな素晴らしい漫画原作作品を作ることが出来るのか!」
北条司の同名漫画が原作。
『シティハンター』の実写映画はこれまでに香港版(ジャッキー・チェンが主演!)や韓国版(2011年のテレビドラマ。人物設定などは原作から大きく変更されている)、フランス版(2019年公開の映画作品。監督のシティハンター愛があふれる素晴らしい作品だが、出演者がフランスの方々であり少し違和感がある)が制作されるものの日本国内で制作されたものはなかった。
そんな中満を持してNetflixにて公開されたのが本作。
評価は、漫画作品の実写映画化としては満点。
フランス版を超える原作愛に溢れたキャラクター造形、原作未読でも馴染みやすいストーリー(スマホやSNSの活用、イベント会場や町並みなど現代風にアレンジされている)、ジョン・ウィックを彷彿とさせる素晴らしいアクションと非常に丁寧かつ大胆に作り上げられています。
まずなんと言っても主演の鈴木亮平が良い。
ももたろは『HK 変態仮面』を観てこの俳優さんが大好きになったのですが、今作でも主人公冴羽獠を見事に演じています。
冴羽獠の格好良さとコミカルさの落差をしっかり表現できている。
また彼は作品ごとに身体を作り変えるプロフェッショナルでありますが、本作でもその鍛え抜かれた身体を披露しています(もっこりダンスは必見)。
そしてたゆまぬ鍛錬から繰り出されるガンアクション。
銃の扱いやリロード動作をプロ級に演じることにより一歩間違えば荒唐無稽になりがちなアクションシーンに説得力を生み出しています。
声が昔から馴染んだ冴羽獠(アニメの声優は神谷明)のものに近く感じられるのも最高。
そんな彼を槇村香演じる森田望智がフォローします。
彼女も最初は原作の香と声や容姿がちょっと違うかな〜と感じますが、映画を夢中で観ている内に違和感がなくなるから不思議。
ストーリーの流れも見事。
104分という2時間に満たない上映時間ですが、ド派手でユーモアと格好良さに溢れた導入から獠と秀幸の関係性を描き、次いで香との出会い、事件の捜査から最終決戦と無駄なシーンが一切なく綺麗にまとまっています。
そしてラストシーン、原作ファン感涙の最終シークエンスで完璧なタイミングで流れる『Get Wild Continual』
正にパーフェクト!
原作やアニメファンのみならず、シティハンターを知らない世代でも楽しめる本作は実写化映画のお手本のような作品です。
Netflixのみの配信ですがひと月分の契約料を払ってでも十分に観る価値あり。
機会があればぜひ視聴をお勧めいたします。
しかし日本でこんな素晴らしいアクション映画が創作できるとは思わなかったなぁ…。
ストリーミングサービスが出資のドラマや映画は、しがらみが少ないのか高クオリティの物が多い印象です。
今後の作品にも期待したいですね。
今日も良い1日を。