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物価が上がる原因とは?【お金の話】
おはようございます。ももたろです。
最近はあらゆる物の値段が上がって困りますよね。
そして現在の日本は記録的な『円安・ドル高』環境にあります。
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ところで前回の記事においては、
景気が良くなる → 物価が上がる → 金利が上がる → 円高になる
という流れがあると解説しました。
でも今の日本はまだ景気が良くなった実感がないし、金利はようやく上がり始めたけど記録的な円安。そして物価上昇。
何だかチグハグな印象を受けますよね。
というわけで。本日は最近の物価上昇の原因について探っていきましょう。
1)まず結論
結論を先に言ってしまうと、近年の物価上昇に大きく影響しているのは国際情勢や日米の金利政策の違いによるものが大きいです。
つまり日本の経済活動によってではなく外的な要因によって物価が上がっているというわけ。だからチグハグな印象を受けるんですね。
日本の景気も少しずつ良くなってはいますが。
近年の物価上昇に大きく影響している原因は次の2つ。
原因①:国際的な原材料価格の上昇とロシアのウクライナ侵攻
『原材料』とは、物(製品など)を製造するための元になる物のことを言います。ここではまず食品の価格推移を見てみましょう。
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出典:農林水産省 小売価格の全国単純平均値の動き 令和7年1月
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出典:https://www.dlri.co.jp/report/macro/183722.html
2019年(令和元年)の末から始まったコロナ禍の影響によって食品の原材料価格が上がり始めたのが見て取れます。
そんな状況の中、2022年(令和4年)のロシアによるウクライナ侵攻に伴ってエネルギー分野の原材料価格が高騰しました。
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ガソリンなどのエネルギー価格が上昇すると輸送コストが増大するため製品の価格が上がります。
またロシアは世界有数の原材料輸出国であるため、欧州各国が脱ロシア政策を進める → アジア市場にも影響という悪循環が生まれました。いい加減にしろ。
これら原材料価格の上昇が物価高を招いた原因のひとつです。
原因②:日本とアメリカの金融政策の違いによる円安の影響
もうひとつ大きな円安の原因として”日本とアメリカの金利差”が挙げられます。
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出典:https://www.ig.com/jp/news-and-trade-ideas/jpy-may-keep-on-strengthening-after-expected-fed-rate-cut-decisi-240918
現在は日本に比べてアメリカの金利が高い(お金を預けた場合の利子が高い)ため、円を売ってドルを買う動きが活発になっています。
すると円の価値が下がりドルの価値が上がる、いわゆる『円安・ドル高』となるのです。
日本は農作物、エネルギーなど実に様々な資源を海外から輸入しているため、円安が進行すると輸入価格が高騰し物価上昇を招いてしまうのでした。
この日本とアメリカの金利のギャップは、お互いが異なる金融政策を行っていたことに起因します。
アメリカはコロナ禍以降の景気回復による急激なインフレ(物価上昇)を抑えるために、2024年の9月まで『金融引き締め政策(政策金利の利上げ)』を実施していました(政策金利:上限5.25〜5.5%)。
対して日本は2024年3月まで景気向上を促すための『金融緩和政策(政策金利の利下げ)』を行っていました(政策金利:−0.1〜0%)。
これだけの金利差があればドルを買いたくなるのも納得ですね。
こうした2ヵ国間の金融政策の違いが生じた結果、円安が進行し物価上昇を招いたという訳なんですね。
現在は日本は利上げ、アメリカは利下げの方針であるため金利差は縮まる傾向にあります。
2)まとめ
以上。日本における近年の物価上昇原因について探ってみました。
物価が上がる仕組みは実に複雑であり、今回の内容だけでは解説しきれない要因も絡み合っています。
例えば今年に入ってからは政府による電気・ガス代への補助金縮小、ガソリン負担軽減策終了によるエネルギー価格の上昇なども物価上昇に影響しています。
個人の力では中々対策が難しいですが…家計の見直しを行ってさらなる物価の変化に備えたいですね。
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出典:https://onwa-illust.com/material/9685/
それではみなさん、今日も良い一日を。