【イベントレポート】「公務員2.0 サナギ」寺西さんとカリスマ公務員とこれからの公務員を考える。
「公務員2.0 サナギ」は、テラロック主催の寺西さんとカリスマ公務員とこれからの公務員について考えるイベント。
当日は総勢20人を超える参加者と共に、これまでの公務員の印象、これからの公務員像について熱く語り合いました。
今回は、「公務員2.0 サナギ」のイベントレポートをお届けします!
変態。
イモムシが蝶になる過程。
競争環境を大きく変え、
新たな場所に羽ばたく…
…
これから時代が進むとともに、
公務員の形も大きく変わることが予測される。
今の時代に求められる公務員。
つまり、公務員2.0とは、どのようなものだろうか…?
公務員の方はもちろん、これから公務員になりたい方、公務員に興味がある方はぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
それでは、「公務員2.0 サナギ」の様子を紹介していきます!
参加者が思う、公務員の印象は??
公務員2.0を始めるにあたり、参加者が2人組を作り、アイスブレイクを行いました。
✓名前
✓所属
✓今の自分の業務
✓自分のいい意味で変だなと思う業務
✓公務員ってこんな人3つ+なぜそう思っているか
ここでのポイントは、いつもなら言えないことを言うです!
参加者の皆さんは、それぞれ、自分が思う「公務員」を話し合いました!
■公務員の印象
「真面目で安定志向」
「真面目で硬い考えを持つ人が多そうですが、意外と柔軟な考え方をする人も多い」
■いい意味で変だなと思う、自分の特徴
「島で働くために、2年間休学しました」
■いつもは言えないこと
「公務員でも、時間とか、いろいろ適当な人もいる(笑)」
参加者の自己紹介を踏まえ、お互いの公務員の印象を共有。
一般的な公務員像が話題になりましたが、これから登壇される方は一般的な公務員像とは大きくかけ離れた人たち。
参加者の期待が高まっていきます!
テラロック主催・寺西さんが公務員2.0になるまで
寺西康博さん
35歳
高松市出身
2008年 財務省四国財務局に入庁
2019年 多様な人が集まる交流会「テラロック」開始
2020年 KSBスーパーJチャンネルコメンテイターを経験
地方情報誌「ナイスタウン」で連載開始
ゲストの寺西さんは、公務員でありながら、個人活動でテラロックの主催やテレビ出演や雑誌連載など幅広く活動されています。
■テラロックとは
正式名称はテラニシロックフェスティバル。
起業家、金融機関の方、公務員、マスコミ…などの多種多様な人が集まり、それぞれの会のテーマに議論を交わしながら、価値観の変換、感性の再定義を目指す。
何かに”挑戦”する人たちが集まるコミュニティ。
寺西さん:実践を通じて知ったことは、簡単に解決できる問題は地域にないということでした。
そして、問題解決に最も重要なこと。
それは、知識やデータではなく目に見えない異質な価値観を理解できているか。
例えば、金融業務を担当するなら
「金融機関の職員に加え様々な関係者の思考様式、行動原理を理解できているか」
自分には出来ていなかった。
異質な価値観を理解するためには ”ひたすら対話する” ことが大切です。
そして、対話から真の課題が見えてくる。
更に、課題解決に向けた行動、事業構想、政策立案が生まれる。
社会的価値創出の第一歩は対話から。
これが私の信条です。
また、テラロックを始めた理由の一つに、社会に蔓延する同調圧力、そして生き方の”固定化”や”硬直化”への問題意識があります。
自分にとって居心地の良いコミュニティーに属していることは幸せに直結する。
しかし、その選択肢は多様か、また知らず知らずのうちに周りの空気に敏感になり自分を偽って生きていないか。
私自身、思考の固定化、硬直化に危機感を持っていました。
「思考や感性をどう揺さぶり続けるのか…?」
やむに止まれず始めたのが、テラロックです。
テラロックには、FIREという価値観があります。
■ FIRE
✓ Flexible(柔軟に)
✓ Inclusion(包摂する)
✓ Reframe(捉え直す)
✓ Explosion(爆発)
Flexibleは、心も行動も柔軟に。
Inclusionは、誰かの心の支えに。
Reframeは、フレームを変える。つまり、元々あった価値観や感性を再定義する。
Explosionは、爆発は、テラロックのキャラクターです(笑)
テラロックでは、このような価値観の元に、心に炎を上げながら、活動をしています!
テラロックを始めたことで、新たなつながり、挑戦の場が次々と生まれました。
また、自分が「公務員」という属性だからできることも見つかりました。
「公務員」の認識のリフレームですね。
スタートアップ起業家と考える、産と官の違い
民間(産)と公務員(官)で、共通する部分 or 異なる部分とは?
公務員(官)代表は、寺西さん。民間(産)代表は、ももスタコーディネーターである、藤田さんと山田さんが参加し、議論を重ねました。
✓藤田圭一郎さん
藤田圭一郎
”藤田酒店”の二代目店主
IT系のスタートアップ企業”COMPUS”を運営
岡山からスタートアップ起業家を生み出す、ももスタのコーディネーター。
✓山田邦明さん
山田邦明
株式会社"Conote inc."のCEO
地方の教育を一緒に考えていくプロジェクト無花果🍊に取り組む。
上記の3人と、会場の皆さんで議論した内容をシェアしていきます!
■テラロックでは、どのようにして、たくさんの多様な人を集めるのですか?
寺西さん:オンラインになって、人に集まってもらうのがめちゃくちゃ大変になりました(笑)
実は、参加者が来てくれるかどうかのポイントは、私との関係性なんです。
テラロックでは、毎回異なるテーマを設けます。
どんなテーマでも
「あいつがやるなら行ってやろう!」
このような人が、テラロックに来てくれます。
日常の信頼の積み重ねが大切です。
招待制にして、私が信頼する人と”私の信頼する人が信頼する人”だけを呼んでいます。
これをすると本当に良い人ばかりが来てくれます。
お陰様で、たくさんの素敵な方と出会うことができました。
■公務員はレバレッジが効きやすい!?
藤田さん:僕はよくポジションを取る方法を考えています。例えば、軸足を稼業で、ベンチャー企業を立てると注目される。軸足を地方において、都会で流行っていることをするなどです。
そして、軸足がガチって固められているほど、効果が出るなって考えます。起業家が起業をするのは当たり前です。
しかし、会社員が、起業することは、ポジションが取りやすい。つまり、レバレッジが効く。公務員だと、より軸足が固められているので、もっとレバレッジが効きやすい。これが、会社員と公務員の同じ部分かなって考えています。
寺西さん:確かに、公務員って、めっちゃレバレッジが効くんですよ。少し人と違うことをするだけで、「公務員なのに」ってなります(笑)
しかし、公務員には、たくさんの制約があるんです。
ルールの制約だけではなくて、心理的な制約も。
例えば、職場の空気で「余計なことやってんじゃないよ」的な(笑)
その中で、”抜け道を探す力”。
これこそが、これからの公務員に必要ではと考えています。
枠をはみ出した行動をするには、誰よりも枠を熟知する必要があります。
境界線を見極めたうえで、どうすればその境界線をストレッチすることができるのか。
それを常に意識することが、新たな公務員の価値発揮につながります。
制約の中でも自分がやりたいこと、楽しいことにどんどん取り組む。
それは個人にとっても社会にとっても幸せですよね。
”公務員が様々な行動の選択肢を持てるように”
それに貢献できたらと思い活動しています。
■公務員が抜け道を探すには
山田さん:個人的になのですが、「公務員と社会人の人が、こうしたらいいんじゃない?」と思っていることがあるんですよ。
両者ともに、「ここまでやっていいよね」っていう、”本当のやってもいいライン”は、結構ぼやけている。
一般的に、先輩などが「やめとけ」って言うことでも、よーく見ると、やってもいいことがよくあります。
つまり、めちゃくちゃ厳密に考えていくと、「これ、やってもよかったんだ」っていうことが、よく見つかるんですよ。
なので、解像度を高くして、ラインを見つけられたら、行動範囲が広がるかなって。
寺西さんを見ていると、こんなことを感じました。
寺西さん:僕もそう思います。少し付け加えをすると、公務員は、”やってもいいライン”を一気に超えるとダメなんですよ。
ギリギリを狙う、それか少し上を狙う。
そして、成功すると、”やってもいいライン”が上がるんです。
更にギリギリを狙う、成功する…
それを繰り返すことによって、公務員の出来ることが広がっていくと思います。
④カリスマ公務員の公務員2.0
ここで、ついに、あの”カリスマ公務員”が登場……!
その、カリスマ公務員とは…
🎉47会代表 脇雅昭さん🎉
47会とは
47都道府県の地方自治体職員と国家公務員が集まる場。
民間企業の経営層はじめ国、自治体の公務員など「誰かのために何かできる」セクターを超えた仲間づくり・人の志と志が繋がるきっかけを作る。
(47会ホームページより)
脇さんの自己紹介を終えた後、再びアイスブレイクを行い、脇さんに質問をしました!
■47会ではどのような活動をしていますか?
脇さん:47会では、全国47都道府県の公務員、地方公務員、国家公務員を横に繋げる活動をしています。
現在、47会のFacebookグループには、5000~6000人のメンバーが参加しており、民間企業の方を参加されています。
また最近でしたら、オンライン市役所というものを作りました。
公務員では、3~4年で人事異動がありますよね。
前職で、凄く頑張っても、人事異動をすると、転職と近いくらい、異なる仕事をすることがあるんですよね。
これでは、今まで培ってきたスキルが使えない。
これは、凄く勿体ないなって、思いました。
僕が最初に行ったのが、熊本県庁なんです。
ここでは、市町村をサポートする、市町村課に所属していました。
この職について分かったことがあるんですが、県庁だと10人でするような仕事を、小さな村では1人でするんですよ。
この中で「頑張れ」って言うのは、キツイなと思って。
全国に地方自治体は1741あります。
小さな村では、1人で仕事をしています。しかし、全国には、少なくとも1741人は、同じ仕事をしている人がいる。
なので、彼らを横で繋いで、知識を共有したら、めちゃくちゃいいじゃんって思ったんです!
今、オンライン市役所には30~40くらいの課があります。
仕事に直結するような課だと、「みんなの財政課」というものがあります。ここでは、査定などの情報共有をしています。
趣味のサークル的な課もありまして、みんなでオンラインカラオケを楽しむ課があったり、カメラ好きを集めた課などもあり、横の繋がりを生むことができました。
■自分の組織に多様性を持たせるためにすべきことは?
脇さん:まず、自分が「あの人が言うんだったら」って言われる存在にならなくてはいけません。
僕は神奈川県のコロナ対策を担当していたんですよ。
しかし、実は、神奈川県のコロナ対策を中心で考えているのは、民間企業の方なんです。
圧倒的に危機管理が出来る人を呼ばないとなと、思って僕が呼んだんです。
僕は、今の職場に8年間くらいいて、その信頼を元に、「この人を是非!」と推薦しました。
耳を傾けてもらえる存在。
このようになるには、”外から言ってもらう”が大切です。
どの人が言うかって、本当に大切なんですよ。
今日は、寺西君が、僕のことを褒めちぎってくれたから、「脇はいい人だな!」って思われています。
しかし、これを自身の自己紹介で、「僕は凄い!」って言ったら、ダメですよね(笑)
誰が言うかって、大切なんです。
外の人たちと何か事業を行い、結果として、彼らに、自分のことを紹介してもらう。
これによって、仲間からの信頼を得ることが出来ます。
「公務員2.0 サナギ」を終えて
以上が「公務員2.0 サナギ」のイベントレポートです。
イベント終了後に、参加者の方々に、感想を聞いてみました!
↑ インタビューをさせて頂いた方々
(写真右の女性)
以前、私は、ももスタのイベントに参加したことがあり、知り合いがいたので、イベントに参加しました!
また、脇さん・寺西さんに、直接お会いしたことがなく、会いたいなって思ったからです。
今回のイベントを通して、いろんなことにチャレンジする勇気が貰えました。
寺西さん・脇さんの話の中で、色々な課題があって、目の前のことを頑張った。それにより、今の活動があるという話があったじゃないですか。
「目の前のことを解決したい」って言う気持ちは、誰にでもあります。
なので、私も、「こう在りたい!」って思いました!
(写真左の男性)
僕は原田謙介さんの選挙のお手伝いをしており、誘われたので、来ました。
また、今後は、公務員のような働き方をする民間企業に勤めます。
なので、公務員に興味があったので、参加しました。
意思や熱意があっても、段階を踏むことの大切さ。
僕は「公務員2.0」で学ぶことが出来ました。
何かをする際は、段取り・戦略。
これらを意識して働きます!
他にも、ここでは紹介できないくらいたくさんの熱い感想をいただき、大盛り上がりのイベントでした。
「サナギ」というイベント名
ちなみにですが、イベント名の「サナギ」って、とても面白くないですか?
イベント前、筆者は、「サナギ、少し変わったイベント名だな」って思っていました(笑)
しかし、このサナギには、"熱い思い"が込められていたんです…!
イモムシが、サナギになり、蝶になる。
この変態では、元々あるあるフィールドから、全く違う環境に行くんですよね。
幼虫の時は、行動できる範囲が狭い。しかし、蝶になると、色んなところに行けるようになり、環境を変えて生きることが出来る。
イモムシは葉っぱを食べます。
しかし、葉っぱは、いつまでも、そこにある訳ではないんです。いつか無くなるんです。
何故なら、葉っぱは持続可能ではないし、循環しないからです。
公務員も、同じように、どんどんと餌場を広げていかなくてはならない。変態しなくてはならないんです。
なので、公務員も、色んな所で色んなことを見つけれる人、開拓者にならなくてはなって思います。
これから時代が進むとともに、世の中のたくさんの物事の変化が予測されます。
同じように、公務員の形も変化するでしょう。
「公務員2.0 サナギ」では、これからの”公務員の姿”を学ぶことが出来ました。
これから、蝶のように羽ばたき、新しいフィールドに挑戦していく公務員2.0の方々が増えていくといいなと思います。
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