北へ...... 1
「どうしてこんな事に••••••どこで間違えたって言うんだ」
暗闇の中で、誰かに問いかけた。
もちろん、その返事が帰ってきた試しはない。
バイト帰り、俺はいつものように23時までの勤務時間に2時間追加して真夜中に誰もいない道を歩いていた。
やけに忙しく、帰ったら飯の前に寝る。位の勢いだったことはよく覚えていた。
「誰か、居ないのか?なんでなんだ。俺がなにをしたんだ」
懺悔をする生活は送ってないハズだ。
最低限の生活をできるようになればいい。と六畳一部屋のアパートで、伸び伸びと生活をしていただけだ。
目隠しをされ、軟禁されるような事はないハズだ。
「どうしてだよ。なぁ••••••」
返ってくるわけもなく、今の自分がどうなっているのかすらわからない。
このままなるようにしかならないのか?
「いやだ。まだ死にたくは••••••」
吐き出すように訴えた。
誰かに届くと信じながら••••••
「じゃあ、条件付きで逃してあげようか?」
渡りに船。
それがたとえ泥舟だろうと、今を覆せるならそれでいい。
俺は考えもせず言った。
「頼む。助けてくれ」と。
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