北へ...... 6

どうしてこうなった。
どうしてこうなった!!

割と想像通りのピンク色の部屋で、さらにダブルベッド。
大型テレビからは妙に落ち着いた音楽が流れていた。

「カチカチじゃん」
「当たり前だろ!!初めてなんだから!!」

あはは......と笑う優奈。
流石に慣れた風だった。

「ほら、食べよ」
「お前なぁ」

麓のコンビニで買った弁当を広げ、いち早く食べ始めた優奈。

「図太いなぁ」
「そうかなぁ。普通だけど」

優奈はそう言いながらミートパスタを啜った。
俺も「いただきます」と言って牛丼を食べた。


「さて、お風呂溜めてくるね」
「おう」

食べ終わったゴミを片付けながら、ベッドに腰掛けた。
柔らかい感触。体が沈み込む。
それだけで、ドキドキと胸が躍った。

「少ししたら溜まるけど.......あー、そういう?」
「違うわ!!」

お風呂場から帰ってきた優奈にからかわれた。
全く、こいつは

「そういえば、着替えなくない?」
「......あっ」

これまで、二着をローテーション。あるいは数日着っぱなし。
コインランドリーで洗って着替える。みたいな形だった。

「どうするんだよ古いのしかないぞ?」
「今日はバスローブでいいか。ほらほら」

優奈は奥から持ってきたバスローブを見せびらかす。

「恥ずかしいからやめろ!!」
「オマセだなぁ。あっ、そろそろ溜まったかなぁ」

奥に消えた優奈。奥から「溜まったから入るね」と言い。シャワーの音が聞こえた。

「全く。アイツは.......」

少し、元気になった風の優奈を見て、少し安心した。

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