ロビンフッド物語 その4


 レイアの事件の首謀者は、チーム内で上位の実力を持っているヘラクレスだ。

 彼とは何度かあっている。ボクの嫌いなタイプで、話すことはあまりしかなった。


 ヘラクレスは、強者は弱者より優れている。この趣向をぶつけてくる。いわゆる独善的な男だ。

 ボクやイアソンは弱者に入る。強くもなければ弱くもない。中途半端な人なのだ。


 だから必要以上にはかかわらない。

 今回の件も、関わらないほうがいい。ボクとイアソンはそう思った。


 だが、ボクには助けを求める言葉は続いた。


「毎日ヘラクレスさんからメールが来るんです。返信しないとすごい怒ってきて……」


 ボクは迷っていた。

 手を出すべきか。

 見逃すべきか。


 メールを打つ手を止めながら、ボクは悩んでいた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?