ロビンフッド物語 1
ボクは今年で二十歳を迎えた。
村では二十を超えると”冒険”をすること。その内容は人それぞれだ。
「ロビンは何をするんだっけ。確か、森を守るっていてなたよな」
「それを言ったのはおじいちゃんだよ」
身体の大きな男 ヘラクレスは嫌味の様な笑顔をしながら続けた。
「じゃぁ、お前は何をするんだよ。子供みてぇな身体でなにができんだよ」
ヘラクレスの言葉は正直、腹が立った。だが、図星だ。
ボクの身体は小さい。そこら辺の子供と変わらないほどの身長しかない。二十なのに、成長をしなかったこの身体を恨んだことしかない。
「さぁな、やれることをやるだけだろ」
「カッコつけやがって」
ヘラクレスは捨て台詞を置いていくと、どこかへ歩いて行った。
ヘラクレスは村一の力持ちだ。そして、だれもが認める英雄だ。
ボクとは違う。彼こそが英雄だ。
もしも村が襲われれば、きっとみんなは彼を頼るだろう。ボクが気付く前に何もかも終わってしまうのだろう。
ボクは、この村には要らないのだろう。ヘラクレスを見ているとそんなことを考えさせられる。
だから僕は村を出ることにした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?