北へ...... 9
長湯に浸った後、俺は部屋に戻った。
ダブルベッドで眠る優奈を見て、俺は車内から持ってきた毛布を手にし、ソファーで眠ることにした。
ベッドほどじゃないが、柔らかい感触で手すりがちょうどいい枕がわりになる。
まぁ、フルフラットの車内よりは10倍マシだ。
「ねぇ」
目を閉じたところで、優奈が声をかけてきた。
「ん?どうした?」
「あのさぁ......」
出し渋る優奈。
一体何を言われるんだ?
「寒いんだけど......」
「あぁ、毛布か」
「いや、その......」
顔が見えない。どんな表情かわからない。
だからこそ、俺は身を起こし、優奈の方へ向いた。
「どうしたんだ?」
「......」
ボソボソと何かを言った。
よく聞こえない。
「え?よく聞こえないんだけど」
「一緒に......」
一緒に?
「一緒寝て?」
一緒に......
寝て?!
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