〈ネタバレ含む〉最近観た映画の感想
▶【約束のネバーランド】
原作読んでないけど、オリジナルエンド？
友情出演の松坂桃李とグランマ三田さんは原作にいるのかな？
ちょっとだけ雰囲気は知ってたから、
閉じ込められる系の話だし、
食肉用人間の飼育っていう残虐なテーマは本当なら避けてるんだけど、
原作ジャンプだし、
渡辺直美の演技が見たかったのと、北川景子きれいだし、
浜辺美波ちゃんかわいいし、これなら観れるかも！
ってかんじで気楽に観始めたら･･･
最後泣いちゃったよ。
みんな一生懸命演じてた～。
歪んで捻じれた景子ママが怖かった。
でも、ママが最後に喰われるフラグ立ってたから悲しくて。
いろんな意味で“生かされていた”エマ達の命が、もう救われることのない人たちの希望になっていくんだけど、
「自分が存在しなくなっても、その先の未来で生きている誰かが繋いで、いつか世界を変えてくれ」っていう、
虐げられる者の心の叫びが胸に痛かった。
ノーマンかレイは喰われるだろうな～って思ってたけど、
ノーマンがやれることやりきって繋いだ命のバトンが尊くて眩しくて。
レイがホントはママの息子なのに、それを認めてはいけない世界。
出荷って、異常だよ。でも、少し前まで戦争でこんなことが行われてたことをどうしても思い出す。
そこまで存在を蹂躙されるような悪魔の世界にいて、
「悪魔に屈する価値観の世界はおかしい」と、
自分たちの命を守るために行動できるエマ達は、本当に強い。
思ったより早めに直美が喰われたけど、最期の「なにがなんでも逃げろよ」ってかんじのメッセージが強くて良かった。
ダークファンタジーっていうのは、支配からの解放がテーマなのかな。
「生きることを、あきらめなくていいんだよ！！」
と言って笑うエマの、絶望に屈しない心。響きました。
面白かったです。
▶【喝 風太郎！！】
坊主頭じゃない破天荒坊主（修行中）が、
人生を風に任せながら生きていく間に出会った人々にちょっと変化のきっかけを起こしていって、
しがらみを解いていくようなかんじのストーリーでした。
破壊と再生のきっかけを与える、死神タイプのメンターヒーロー（造語です）ってかんじ。
原作がヤンジャンなので、これもジャンプ系列？
狙って選んだわけじゃないけど、市原くんの演技が好きなので。
【おいしい給食】の甘利田先生役のときと話し方とかが似ていて、
ちょっと風太郎のキャラがつかみにくかったけど、
ヘンなお坊さんらしき人、っていうキャラが逆に役割背負い過ぎてないかんじでよかったのかな。
金になる価値の方があまりにも重要で
人権よりも上に来ちゃってるような現代社会では、
平気で社畜とかブラックとか言いながら馬車馬のように使われてたり、
人の求める情報の中に自分を売ってたり。
人として人と繋がってない透明な人たち。
「生きる」ってことが人から与えられるような状況になってしまいかねないような危うい現実にいて、
他人に「自分は生きていていいんですか？」って顔色を窺ってるような人生を送ってる人たちに、このお坊さんは、
「他人に聞くな。自分を生きるということは、生きてみないとわからんのだし、生きてみても答えは見つからんものだから、好きに生きろ。」
というメッセージをくれています。
なんかわかったような、わからんようなかんじですが、確かにそうだなぁと思います。
登場人物たちの行動が上手く絡んできれいに解決していく様を
わりとアナログな感じで表現していて、
破天荒というよりは朴訥とした印象の作品でした。
▶【騙し絵の牙】
キバ、っていうのがなんかキーワードみたいな扱いだけど、
ストーリーにはそんなに影響ない気がする。
あからさまに牙剥いてる人がいないからかな？
騙し絵、ってタイトルに入ってるけど、アートの話じゃない。
出版不況、枯れた雑誌ネタ、はやらない小説。
傾いた経営を立て直すために、
人の注意を惹きつけ、購買欲を起こさせ、世間にブームを仕掛けていくためにはなにをどうしたらいいのか？
っていうところを解決する為に、大泉洋が「おもしろけりゃいーじゃん！」っていうムードでいろいろとけしかけていくお話です。
腹の中でいろいろと目論み、スタンドプレイが過ぎて暴走していく大泉洋を見ながら、
主人公の女の人（名前忘れた）が着々と成長していき、
みんなの思いを汲んだ、とても気持ちのいい解決策を提案してくれる･･･
というかんじの、素敵なエンディングでした。
「おもしろけりゃいいんでしょ？売れりゃいいんでしょ？
使えるもんは何をしてでも、丸め込んで使っちまえ！！」
っていうやり方の大泉洋が
少しずつみんなから相手にされなくなっていっちゃう流れは、
まあビジネスと言えども、みんなで作ってるものだから、人の気持ちを汲む度量っていうのが必要ですよね～
っていう雰囲気を感じました。
「人を見掛け倒しで騙して支配して動かしても、それは本当に人の心を動かしたことにはならないんですよ、先輩！」
というメッセージがガツンときました。
面白かったです。
では、今回はこの辺で。