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プレママに心がけてほしいこと「SLEEP FOR TWO(ふたり分眠る)」
米国IPHI認定の「妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント」は名前のとおり、プレママ(妊婦さん)の睡眠についてもサポートをしています。
今回はプレママの睡眠について理解を深めていただきたくて書きました。
プレママだけでなく、妊婦さんが周りにいる方にもぜひ読んでほしいです。
■ 妊娠と睡眠の関係
「Eat for two(ふたり分食べる)」というのは聞いたことがあると思いますが、「Sleep for two(ふたり分眠る)」は聞いたことがありますか?
妊娠中のママは、ママと赤ちゃんのふたりのために、ふたり分寝てほしいんです。
(ちなみに、食べすぎは良くありません。「赤ちゃんの分までふたり分食べくちゃね」というのは迷信です。必ず医師等の指示に従いましょう。)
妊娠中の睡眠の量と質を確保することは、ママの身体だけではなく、赤ちゃんの健康やぐっすりねんねにとっても大事なことです。
なので、私はプレママさんとお話しするときは必ず「Sleep for two」という言葉を紹介しています。
妊娠中に睡眠問題があると、出産後に子どもの睡眠に影響が出てくる可能性が示唆されています。また、妊娠中に睡眠の量と質が不足すると、陣痛時間が長くなったり、帝王切開になる可能性が高くなるという研究結果もあります。
今よく眠れないと感じているプレママは、心配しすぎないでください。
妊娠中は生理的な変化がおこるため、結果として睡眠に影響を与えることがあります。
また、実際に妊婦の大半が睡眠に影響があると感じています。
良い睡眠は量だけでは決まりません。質も影響します。
これから少しでも睡眠の質をあげていきましょう。
妊婦さんが周りにいる方は、体調と睡眠を気にかけてあげてください。
■ プレママは睡眠コンサルに相談できるの?
もちろんできます。睡眠コンサルタントはプレママの睡眠についても相談にのっています。
ただし、私の場合は医師ではないので医療行為は行いません。
あくまで対処療法やサポートになります。
妊娠するとホルモンバランスの変化や筋肉の働きが弱まり、生理的な影響があります。
また、妊娠や出産への不安など精神的な影響により、眠れにくくなりがちです。
アメリカ国立睡眠財団によると、妊婦の78%が不眠症やその他の睡眠問題を経験しているとの調査結果があります。
よくある睡眠トラブルとしては、寝つきが悪い、夜間に尿意で目が覚める、つわりで眠れない、足がつるなどなど。
医療行為はできませんが、対処療法やマインドの切り替えなどお手伝いできることはあると思います。
もちろん、かかりつけの産院にご相談するのもいいと思いますよ。
その他の相談内容としてよくあるのが、出産後の赤ちゃんのねんねについてです。
ベストな睡眠時間や活動時間、睡眠の土台など、赤ちゃんのぐっすりねんねについて、講座形式でレクチャーすることもあります。
他にもご要望があれば、兄弟が生れる場合の出産前の上の子のケアや兄弟寝かしつけについてもお話しすることがあります。
■ プレママがの睡眠の質をあげるコツ
プレママがぐっすり眠るためのヒントをお伝えします。
まずはできることから少しずつ、ママと赤ちゃんのため、ふたり分眠ることを心がけましょう。
妊娠中に少しでも不安なことや心配なことがある場合は、医師等の専門家に相談しましょう。
起床時間を定め、朝起きたら日光を浴びましょう。朝日を浴びてから約15時間後に眠くなるホルモンが分泌されます。
睡眠を妨げる食材は避けましょう。例えば、脳を活性化するカフェインを含む食べ物(コーヒー、チョコレートなど)や消化に時間がかかる食べ物(キャベツ、ブロッコリーなど)があります。詳細はこちらを読んでください。
お気に入りのシーツやパジャマで安心して眠れる環境を作りましょう。
スマホやパソコンを寝室に持ち込んだり、寝る直前まで見るのはやめましょう。
就寝する90分前の入浴をルーティンにしましょう。寝る頃には深部体温が下がるため、入眠しやすくなります。
左側を下にして寝てみましょう。下大静脈(下半身から心臓に血液を戻す役割をしている静脈)の圧迫を防ぐことができます。
今日のぐっすりねんねポイント
プレママのためにも赤ちゃんのためにもふたり分眠りましょう。
参考文献
『ママと赤ちゃんのぐっすり本』 愛波 文著
『スタンフォード式最高の睡眠』 西野 精治 著
Michele L. Okun, James F. Luther, Stephen R. Wisniewski, and Katherine L. Wisner. Disturbed Sleep and Inflammatory Cytokines in Depressed and Nondepressed Pregnant Women: An Exploratory Analysis of Pregnancy Outcomes. Psychosomatic Medicine, 2013; DOI: 10.1097/PSY.0b013e31829cc3e7
University Of California - San Francisco. "Inadequate Sleep In Late Pregnancy May Influence Labor And Delivery." ScienceDaily. ScienceDaily, 4 January 2005.