路線バスでの決意表明

去年の今頃、路線バスの一番後ろの席に5人の男女若者が座って大いに盛り上がっていた。

結構な大声だったから、その内容も車内に響き渡る。どちらかというとやんちゃな雰囲気の子達だ。

彼らは高校を卒業して就職するようだ。

不安な話しなんてしていない。

「俺やってやる!」「いつか社長になる!」「 あたしもたくさん稼ぐ!!」

とにかく楽しそうで、確かにうるさいんだけど夢が溢れていて不快にはならなかった。

そして初月給が出たら、の話になった。

女の子がこう言った

「あたし、3万だけ自分のものにしてあとはお母さんにあげる!」

他の子も

「おれも母子家庭ですげえ世話になったから全部母さんに!」

どの子も親への感謝の想いを口にした。

どうしてここにこの子達の親がいないんだろう。  

親でもないわたしがぐっと来てるんだから、親御さんはどれだけの気持ちが溢れるだろうか

自分への愛や想いは、自分の知らないところで動いていることが多い


あれから1年近くたつ

彼らは思うような社会生活を送れているだろうか







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