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MOMOとファッションの出会い
MOMOにとってのファッションとは
初めまして、MOMOと申します。アカウント名は昔からのニックネームを冠しました。この記事では私がこれまで最もお金と時間を使ってきた趣味であるファッションについてまとめます。
古代ギリシアの格言に「汝、己を知れ。」という言葉があります。これを知ったのは私を厨二病にしてくれた映画の一つ「The Matrix」でしたが、私にとってのこの世界の捉え方は、「自分自身はこの世界の一部であると同時に観測者であり、それつまりは己をよく観察することでこの世界のことを深く洞察することが出来る。」というものです。早速本題から逸れているようにも思えますが、上記の言葉は私がファッションを解釈する際の道しるべでもあります。
私にとってのファッションとは、この世界が自分を通じて表現し生み出した成果物です。能動的でもあり受動的でもあります。これは私の人生観にも通じており、私という存在はこの世界のバイオリズムの一部に過ぎず、土から生まれ、また土へ帰還するだけの存在であると捉えています。だからこそ、この世界丸ごと謳歌するために自分が思う最高の服やアクセサリーを纏っていたい、その瞬間に出せる最高打点を出したい。それらを全うする結果として、何かしらこの世界にポジティブなインパクトをもたらせられたらといつも考えています。
兄と姉とスポーツ
ファッションとの出会いに関して、私は恵まれていた方なのかなと自負しています。私には歳の離れた兄と姉がおり、彼らの影響が少なからずあったと思います。
兄は高校へ入学したあたりからファッションにのめりこんでいた様子で、当時2000年代中後期あたりに流行していたストリートファッションに傾倒していました。休日になると、オオスミタケシ氏によるSwaggerやPhenomenonのTシャツやアウターを身にまとい、DOUBLE STEALのアクリル系のグリーンのベルトでバギーパンツを締め上げ、仕上げにジョーダンを履いてからスケートボードを片手に颯爽と外出する姿はとても印象的でした。
一方、姉は私が中学に入学する頃に、女性らしい細やかな視点でもって身だしなみに気を付けるよう指導してくれました。彼女が使っていたヘアワックスを使って髪型の整え方を彼女なりに説明してくれたり、眉毛の整え方や肌の保湿の大切さなどを教えてくれました。
この内容からすると、とても面倒見の良い兄姉であったかのように伺えますが、実際はかなり辛辣かつスパルタな扱いを受けていたのはここだけの話です。笑 ただ、兄のストリートファッションと姉のフェミニンな感性により、私のファッション感覚が養われたのは事実です。
加えて、FIFA日韓ワールドカップで大活躍したドイツ代表キーパー、オリバー・カーンの影響で小学生の頃からサッカーに打ち込んでいたこともあり、当時からスポーツウェアならではの機能性や解剖学的なデザインにも惹きつけられていました。よく学校の休み時間などに、自分が好きなメーカーのモデルなどをトレースして考案したスパイクやキーパーグローブをデッサンしたり、休日にはスポーツ店へ赴いて一日中じっくりと全てのメーカーの最新モデルのチェックをしていました。
これらのように、私のファッション観における重要となるポイントをグループ化すると次の3要素となると思います。
①ストリート
②品性や清潔感、ドレス
③スポーツ、肉体的・造形的な美しさ
そしてMOMO少年はその後、それら全てをカバーしたアイテムを展開するデザイナー(メゾンブランド)と運命的な出会いをします。
Ricky
中学3年生の頃、当時志望していた高校に合格するために地元で評判の良かった塾へ通い始めました。講義は土日にあったため、当然私服で通う必要がありました。姉から教わった通りなるべく清潔感のあるよう身だしなみには気を付けていましたが、その時初めて自信をもってお洒落に着こなせる服を持っていないことに気が付きました。
しばらくは兄が要らなくなった服を着ていましたが、兄は私より10cm以上身長が高かったこともあり完全に服に着られてしまっている状態でした。笑 恐らくその経験が漠然と「完全なストリートファッションは自分に似合わない」と感じ始めたキッカケであったと思います。そもそも当時の私は服そのものや店舗の知識も乏しく、誰もが知るようなファストファッションブランドも今ほど洗練されていない時代でもあり、お洒落な服を身近に感じられませんでした。自分にある限られたリソースから何とかファッションセンスを磨きたい…そこで私が思いついたのが、小学生のころから愛用していた某オークションサイトで服を調べることでした。
先ずは兄が身に着けていたブランドから調べてみましたが、あまりしっくり来るものが見つかりません。モヤモヤとしながらメンズカテゴリーを片っ端から閲覧していると、やたらと気になるブランドを見つけました。当時ファッション界を一世風靡していたRiccardo Tisci(以下Ricky)期Givenchyでした。
ちなみに、当時GivenchyのクリエイティブディレクターがRickyであったことや、その頃兄から借りてよく聞いていたCDアルバム「Graduation」のアーティストであるKanye WestがRickyの服を愛用していたことは後に知りました。
余談として、Rickyと同様に私の兄もAir Force 1を愛用していましたが、ストリート要素の匙加減で全く別物に見えたことも面白かったです。
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衣装だけでなくMVの映像そのものもRickyがプロデュースしていました。
当時、アイコニックなアイテムとしてロットワイラーやバンビの大判プリントが施されたアイテムが注目を集めていましたが、それらよりも私はゴシックやストリートの要素を含んでいながらもメゾンらしい上品さを醸し出すその世界観に引き込まれました。Rickyはメンズのランウェイショーで好んで筋骨隆々のマスキュリンなモデルを採用してましたが、そんな彼らが着用しても何故か似合ってしまうフェミニンなアイテムに特に酔いしれてしまったことを今でも覚えています。それは私にとってある種の性衝動に近い体験でした。
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筋肉質なモデルの上半身(マスキュリニティ)とスカートのようなエプロン付きのショーツ(フェミニニティ)、バスケットボール選手を想起させるようなロングタイツ(スポーツ)。
それぞれの要素を最大限まで強調したRickyらしいルックです。
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イエス・キリストがその最期に頭に被せされたイバラの冠(Crown of Thorns)を模した首飾り。
キリスト教世界におけるイバラの冠は、イエスを偽りのユダヤの王として嘲るためローマの兵士により被せられた受難の象徴ですが、転じてイエスこそが神の御子であり真のユダヤの王であった証としても解釈されています。それをゴールドカラーの首飾りとすることで、まるで宗教画の登場人物みたく後光が照っている様に魅せ、その神聖さを見事にモードシーンへ落とし込んでいます。
このアイテムは商品化されることなく、ランウェイのものと数点のサンプルだけが業界関係者間のみで取引された様子です。後に私はこのアイテムのために海外まで奔走することとなります。笑
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ベーシックかつ洗練されたシャツとスラックスに、先ほどのネックレスとサンダルを合わせることで一気にRickyらしい雰囲気に。秋冬コレクションにしては寒そうですが、当時の私にはそんなことどうでもよく、そのコンセプチュアルな世界観に魅了されていました。
これほどまでに憧れたGivenchyですが、当時の自分の予算と自身の田舎者メンタリティーが理由で「今の自分には身分不相応だ。」と感じてしまいました。結果、ネットで閲覧はしても実際に身に着けるイメージが沸かず、そのまま一度も着る機会が無いまま高校を卒業してしまいました。ただし、その当時に感じたことは確実に自身のファッションの基礎として今もなお組み込まれています。(未だにGivenchyのアーカイブを漁っています。笑)
終わりに
以上が私とファッションの出会いです。いかがでしたでしょうか。もし少しだけでも楽しんでいただけましたら是非「スキ❤」とフォローをいただけると嬉しいです。