コロナがなければ
就活が落ち着いて、慌ただしかった数ヶ月が終わりほとんど予定のない生活が始まった。
あの忙しさ、精神的疲労から解放された喜びもあれば、「コロナがなかったら今頃、、」と考えてしまう時間的余裕がある。
コロナがなければ、2020年の4月から半年間途上国10カ国を回ってボランティアをしているはずだった。
そのために2年かけて資金を貯めて、大学を休学してインターン先で勉強をして、飛行機も取ってあとは出国するだけの時に国内で感染者が増え始めた。
悩みに悩んだ結果、未知のウイルスを現地に持ち込みたくなくて断念。
この2年間はなんだったのか
なんでこのタイミングなのか
いろんな「たられば」が頭をよぎった。
今もそう。
「コロナがなければ」
学生の間に長期間途上国ボランティアしたいというの夢を叶えてた。
復学後も以前と同じように、大学で友達と授業を受けて騒げてた。
卒業旅行、ヨーロッパ一周するはずだったのに。
もっと気軽に祖父母の所へ遊びに行けるのに。
いろんな「できなかったこと」「叶わなかったこと」が頭の中に浮かんで、パラレルワールドを想像してしまう。
でも、コロナがあったから気づけたこともある。
何年経っても、どんな状況下になっても、途上国への夢は変わらないということ。
ボランティアの計画を閉ざされた去年、私は少しずつだけど、今できることに目を向け始めた。
「予定もなく地元にいてもできることはない」と予定より半年早い復学を決意。すると、オンラインでの授業実施が決まり、授業を受けながら大好きな地元で「愛犬と一緒にいたい」という夢が叶った。
地元から地方大学に進学を考えたときの唯一の懸念点が愛犬。幼少期から一緒に過ごし、シニア犬になっていたことから、「地方で一人暮らしをすると看取れないかもしれない」と1番の悩みだった。結局やりたいことを選び、地方大学へ進学。頻繁に帰省はしたものの、地元を離れる時は毎回「これが最後かも」と覚悟をしていた。
コロナでオンライン授業になったことで、地元で学校に通える最高の状況を経験することができた。看取れないかもしれないと思っていた愛犬も今月で17歳。毎日横で寝る愛犬を見て一緒に過ごせる幸せを噛み締めている。
コロナでできないことが増えたことで、できることに目を向けることができた。
今の自分に足りないのは何か。
こんな状況下でもできることはないのか。
その結果、3つの道にたどり着いた。
1つ目は自己理解を深めるスクール。友人経由で知ったスクールにオンラインで半年間通い、毎週画面越しに顔を合わせることで全国各地に仲間ができて、自分の夢を再確認することができた。
徹底的に自分と向き合い、人に晒け出す経験をしたことで、克服できたことや受け入れることができた自分の弱みがある。
2つ目は日本文化の習得。小学生の頃から途上国に目を向けて生きていた私は
途上国ばかりに目を向けて日本のことを何も知らない
そう気づき、去年の秋から着物教室に通って着付けの勉強をし始めた。また、「日本の歴史」の漫画を購入して旧石器時代から勉強し直している。
なぜ着物なのか。近くに住む母方の祖母と叔母がたくさん着物を持っていて着付けもできるから。「2人にできて私にできないことはない(笑)」と、半ば対抗心を燃やして通うことにした苦笑
自分で着れるようになればなるほど着物の魅力に取り憑かれ、「もっと日常的に着たい!自分だけのがほしい!」と就職祝いに自分用の着物を買って仕立ててもらったほど。先日母と話をしていたら、「おばあちゃん(父方の祖母)とおばさんも着物の持ってたんじゃない?」と言われ、連絡をしたところ、なんと!全部譲ってもらえることになった。
高齢の祖母と昔は着てたけど今は洋服ばかりの叔母。着る機会がないらしい。嬉しすぎて、ここ連日ニヤニヤが止まらない。
いずれは若い世代や海外の人に日本文化を伝えられる存在になりたい
そう思い習い始めた着物教室も、いつの間にか趣味の一つに変わり、今の私の日常をカラフルにしてくれている。
(ちなみに、日常に余裕が出始めたため、合気道や陶芸も始める予定、、、)
3つ目は歯科矯正治療。歯並びが悪く(自覚なし)家族にずっと矯正を勧められていた。中高は吹奏楽部だったため、途中で始めて演奏に影響を出したくなかったこと、大学は海外に行きまくっていたため定期的な通院が困難なことからずっと先延ばしにしていた。
日本から出れないこの状況を逆手に取れないか
そう考えて行き着いたのが矯正治療だった。去年の夏から準備を始め、冬から治療を開始。歯並びが悪すぎて「3年かかる」と言われたため、社会人2年目が終わるまでは日本で大人しくしていることだろう。
「そんなに変わらないだろ」と思っていた矯正治療。毎月歯並びが良くなり、周囲にも「雰囲気が変わった」と言われたことで自分磨きに興味を持つようになった。もっと綺麗になりたい、そんな思いからダイエットや、スキンケアに力を入れている。
コロナがなければ、大学生のうちに叶えたかった海外への夢が叶うはずだった。
コロナは時には命を奪い、時には経済に大きな影響を与えることで人々の生活を一変させてしまう。
コロナがあってよかったとは思わない。
でも、コロナでこんな世の中になったから選べた道があって、出会えた自分がいて、何があっても夢が変わらないことを実感できた。
大学生活でやり残したことは、途上国でのボランティア活動。いろんな国を回って自分の目で世界を見たかった。
就職活動を通じて将来のキャリアや人生について考えたとき、「やっぱり世界を見たい」と改めて気づくことができた。
なんのために?それはわからない。現実逃避かもしれないし、言い訳かもしれない。できなかった過去に執着してるかもしれない。
でも、やっぱり世界を見たい。
言葉も文化も価値観も違う人と出会い、いろんな背景を持つ国を訪れることで視野を広げて生きていきたい。
4月から社会人。実家から隣の県へ通勤し、国内外の発展に貢献できるかつ、興味がある事業を行う会社で働くことができる。
でも私は3年ほどで辞める予定。
社会人になりたい。お金を貯めたい。ファーストキャリアを充実させたい。休みの日は家族と過ごしたい。愛犬を看取りたい。世界に行きたいけど適齢期で家庭も持ちたい。矯正を無事に終わらせたい。
いろんな「したい」と「今はできない」を合わせてシュミレーションした結果、3年程働いて全力でお金と経験値を貯めて数年間世界に放浪。に行き着いた。
このパンデミックが起こっていない世の中だったら、途上国ボランティアの夢が叶って満足して社会人として生きていたかもしれない。
コロナで叶わなかったからこそ、この夢の存在の大きさに気づき、何がなんでも叶えたいと決意することができた。
改めて決意できたことにより、日常にも変化が生まれた。いつか叶う世界に向けて今できることをやろうと腹を括り、中学英語から勉強し直したり、超インドアなのに体力を作るために定期的な運動をしたり、行きたい国の歴史や習慣をノートにまとめたり。ちょっとずつ進んでいるな。と今は思える。
スーパーポジティブで自己肯定感が高い私は、これからもこうやって生きていくんだろう。叶わなかったこともあるけど、ふとしたことから叶ったことや出会えたことがある。どんな状況下でも自分のベストを尽くして選択し続けていきたい。
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