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#法学部

他分野からみた法学の強さ:経済学分野

他分野からみた法学の強さ:経済学分野

筆者

日本大学教授〔雑誌掲載時〕 安藤至大(あんどう・むねとも)

 私は労働経済学を専門としている。当初はうまく機能する契約や組織のデザインを研究対象としていたものの、次第に働き方に関する法制度設計に興味を持つようになり、労働法の勉強が避けられなくなった。現行法がわかっていなければ政策についての議論に参加できないからだ。

 そこで政府の会議や研究会等に参加すると同時に労働法の定番教科書を読ん

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他分野からみた法学の強さ:司法・犯罪心理学分野――法学専攻の人たちとの関わりから

他分野からみた法学の強さ:司法・犯罪心理学分野――法学専攻の人たちとの関わりから

筆者

大阪大学教授〔雑誌掲載時〕 藤岡淳子(ふじおか・じゅんこ)

 筆者の専門は「司法・犯罪心理学」なので、法学が専門の方々と知り合ったり、一緒に仕事をさせてもらうことが多い。キャリアの前半は、法務省矯正局で、主に心理・教育の職務に携わり、後半は大学で心理学を教える傍ら、性加害・性被害に関わる治療的教育やサポートを行う一般社団法人「もふもふネット」の代表理事として、性犯罪者たちの回復を支援する

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世界史の勉強法【共テ世界史全国1位】

世界史の勉強法【共テ世界史全国1位】

はじめに

 私は高校時代、世界史を学ぶことが大好きで定期テストでは3回に2回ペースで学年1位を取り、共通テストでは100点という成績を残すことができました。ここで、「世界史好きだから成績良かったんでしょ」と指摘される方もいるかと思います。しかしながら、世界史好き=世界史大得意では決してありません。何なら私よりも世界史に興味関心があった友人もいました。(ソ連時代のスターリンの秘蔵映像を見て興奮して

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G・ボワソナードと日本の法制度|白取祐司

G・ボワソナードと日本の法制度|白取祐司

 フランス人、ギュスターブ・ボワソナード(Gustave Boissonade)が横浜港に到着したのは、明治6(1873)年11月15日のことだった。マルセイユ港を出たのが9月28日だから、実に90日間の船旅ということになる。余談だが、私はマルセイユに2週間ほど滞在したことがある。昔の佇まいを残した商港で、船旅の起点として当時はかなりの賑わいだったであろう。
 明治政府は、日本の近代化を推し進める

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