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2023年9月の記事一覧

登記事務を管掌する国家機関の変遷と登記申請行為の性質論

登記事務を管掌する国家機関の変遷と登記申請行為の性質論

旧登記法は,登記事務を取り扱う国家機関を,「登記所」と呼び,登記事務は治安裁判所が取り扱うものとした。これは,権利義務を強固にするには,法律に明るい裁判官を用いるのを良しとするプロイセン(ドイツ)の制度に範を求めたものとされている。

この点,従来の公証制度が内務省の下,戸長により管掌されていたのと大きく異なる。そのため,元老院の審議でも登記の所轄を内務省とするか司法省とするかで激論が戦わされた経

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立法学入門コラム 「さだめる」と「ていめる」 漢字の読み方について

立法学入門コラム 「さだめる」と「ていめる」 漢字の読み方について

 法律家や公務員で法令を担当している人などが、法令に出てくる漢字を通常の読み方によらずに、訓読みのものを音読みにすることがある。例えば、「定める」を「ていめる」、「改める」を「かいめる」、「削る」を「さくる」、「物」を「ぶつ」、「者」を「しゃ」などということである。一方で、音読みのものを訓読みにすることもあるが、あまり多くない。例えば「前文」の「前」を「まえ」と読むなどである(この場合、「文」の字

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楽しい誹謗中傷――インプレッション分析から導く誹謗中傷仮説

楽しい誹謗中傷――インプレッション分析から導く誹謗中傷仮説

ご注意このnoteには誹謗中傷を推奨する意図はありません。
また、誹謗中傷する特定の誰かを罰したり否定する意図はありません。

はじめに私は今2023年3月から続いているある個人アカウントに対する大規模誹謗中傷事件を追っています。私は毎日のように観察を続ける中で「この人たちはなぜ誹謗中傷するのか?」という疑問を持ちました。

気になって誹謗中傷についての研究を探してみましたが、見つかったものは私が

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誹謗中傷収益化スキームと背景にある問題点について

誹謗中傷収益化スキームと背景にある問題点について

はじめにこの記事では、SNS上の「誹謗中傷収益化スキーム(※1)」の概要、プロセス、背景にある問題点を解説します。

誹謗中傷収益化スキームとは?誹謗中傷収益化スキームは、首謀者が収益を目的として誹謗中傷を用いてコンテンツを作成し、それを拡散することで利益を得る手法です。
このスキームは、通常のネット炎上とは異なり、計画的かつ戦略的に行われます。

さらに、SNSプラットフォームや司法制度の問題が

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