次男を出産したときのこと

結果的に“死産”となったが、私は次男を出産した。その時のことをまとめておきたいと思い、書いています。



・10/26。午前中に入院手続きを済ませ1人で病院生活スタート。コロナ禍により面会立ち合い一切禁止のために、出産して退院するまで1人で過ごすことになる。また出産まで何日かかるかわからない、週数が低い人ほど時間がかかる傾向にあると言われ終わりの見えない戦いが始まった…

当日はお昼にラミナリアという棒状の海綿材を子宮口に入れ、子宮口を拡げるための処置を行う。事前にネットで調べていたが、まずラミナリアを入れるために子宮口をピンセットで摘まれるのが激痛、さらにはラミナリア挿入が激痛で泣き叫ぶ人も少なくないと……そのためとんでもない恐怖心を抱きながら処置室へ。

しかし腕の良い先生だったのか、想像よりはマシだった。とりあえずラミナリアは1本だけで様子を見ましょうとのこと。

しかし挿入後、昼食を食べていると股にさらーっと水が流れる感覚が。念のため下着にナプキンをつけていたのでトイレで確認すると、ナプキンがMAXに水を吸っている状態に。

看護師さんに相談し、念のため先生に診ていただくとなんと破水していた。展開が早い…!

そのため結局1時間ほどでラミナリアを除去し、陣痛が来るのを待つ。しかしその日は陣痛らしきものはなく、翌朝早くに陣痛を起こすための薬を投与していくことに。

・10/27。奇しくも結婚記念日。8:30に陣痛促進の膣錠を投与。10時ごろにすこし痛みを感じるが、触診するも子宮口はまだまだ硬い様子。この日はいつ生まれてもいい様にトイレ付きのLDR室にで過ごす。

そこから3時間ごとに薬を使う。副作用で熱が上がる。

14時ごろまた破水の様な感覚があり、常に血が混ざった水が出ている様な状態。

そして17:30にこの日最後の薬を投与。これで何もなければまた翌日も同じことを繰り返す。

そして夕食も摂り、20時ごろから4分毎に微弱陣痛を感じるが、長男の時に比べると全然耐えられる痛みのためうとうとし始めていた。

しかし眠れずに23:30。室内にあるトイレに向かう。もしかするとするんと生まれるかもしれないから、用を足すなら仮設トイレ使うようにと言われていたためそこに腰をかけた瞬間。

するん

びっくりして覗き込むと、細い細い臍の緒に繋がった赤ちゃんが出てきてくれていた。

急いでナースコールをし、先生も来て取り上げてもらった。

胎盤が出るのを待ちましょうと言われ、呆然としたままベッドで横たわっていると、綺麗に処置された次男が小さな小さな箱に寝かされて部屋に入ってきた。

真っ白い綿の上に横向きにころんと寝ていた。

小さくて本当に可愛い可愛いお顔をした私の次男。13w6d私のお腹の中で生きてくれていた愛おしい次男。

ちゃんとお顔もできてて、手も足もあって指もあった。涙が止まらなかった。

次男のためにと、長男の時にほぼ使わなかった可愛い肌着で作った帽子とおくるみを着せてもらっておめかしした次男。しばらくそばにいさせてくれた。

ずーっと見てるのもなんだか辛くなってきて「もう大丈夫です」と呟くと看護師さんが「大丈夫じゃないですよね?いいんですよ大丈夫じゃなくて。辛くて当たり前ですよ」と優しい言葉をかけてくれてまた涙が止まらなくなった。

しばらくして、やはり妊娠週数が若かったために胎盤が剥がれにくく出てこないとのことで、吸入器にて全身麻酔をかけ、意識がぼやーっとしたまま胎盤除去の処置が行われた。

深夜の2時ごろに全て終わって落ち着いたものの、疲れと身体の痛みと心の痛みと悲しみと、、いろんな感情が溢れて眠れないまま朝を迎えた。

・10/28。朝から内診をして問題ないことを確認し、退院することに。早く長男と夫に会いたくて午前中に退院したい旨を伝えた。

ちなみにお会計は50万を超えた。

なぜか当初、出産一時金は使えないと言われたためにこの時全て自費で支払ったが、当然のことながら中期死産のため出産一時金が使用でき、40万は賄えた。

しかしながら死産かつ2泊3日の入院で50万超えるなんて…といまだに結構ショック。


・10/30。朝から家族で喪服を着て、病院へ次男をお迎えに行った。この日は次男の火葬の日。

車で火葬場へ向かう。小さな小さな箱の中で私の作ったおくるみを着て寝ている次男はやっぱり可愛かった。でもまだ夫は次男を見ていない。当初は、私も夫もお顔を見るのはやめようか…?なんて話をしていた。ショックが大きすぎて、お顔を見ることで精神的回復が遅れるというデータがあるそう。

しかし出産後、私は絶対にお顔を見たいと思ったし見てよかったと今も思ってる。だってこんなに可愛いのに!

火葬場について、夫に聞いてみた。「お顔、見る?」

夫は「実はずっと考えてた。本当は見ないままお別れしようと思ってたけど、生まれたって聞いてから見たいと思った。」

そして小さな箱を開けて次男と対面した。まだ1歳にもなっていない長男にも、遠目から見てもらった。多分見えてないと思うけど、君の弟だよ〜って。

火葬の時に添えようと、大きなガーベラの様な鮮やかなお花を3輪用意した。これは、私と夫と長男を表して3輪。

それを次男の横にみんなでそっと並べて、見送った。

次男は小さすぎて、たぶん骨は残らないだろうと言われたけど、蓋を開けてみたら腕や脚と見られるちゃんと骨の形を残したものがあった。

少しの灰も残らない様に集めてもらって、骨壷に収めた。

とっても僅かな灰だけど、これは私のお腹の中で育った小さなあの子だからととても愛おしくなった。



ここからちょっとスピリチュアルな話になってしまうけれど、この日は朝から夕方まで火葬関連で家を空けていた。

ちょうどこの日にネット注文した粉ミルクが届くはずで、しかし帰宅しても不在票がなくアカウントには「配達完了」の表示。

問合せても荷物の行方はわからず、新しい物を届けてもらったけど…

夫と「もしかしたら次男がお空に持ってっちゃったのかもね」なんて話して微笑ましくなった出来事だった。


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