優しめの鬼
節分の日。
私は現在保育園で看護師として働いている。
先日保育士主任から、
「モモ先生に優しめの鬼をお願いしたくて。。」
と、なぜか節分行事の鬼役に抜擢。
話を聞くと、去年は長身の保育士が演じたそうなのだが、鬼が怖すぎて園児が泣き叫んでしまったそうで、
今回優しいで定評の私に白羽の矢が立ったのだ。(?)
まず、結果から言うと、
見事成功した。
1人確実に泣くだろうと予想した子以外は泣かずに、さらにはほとんどの園児は鬼と握手してハイタッチすることができた。
さすが私、と言ったところであろうか。
ところで今回、優しめの鬼を演じてみて一つ気づきがあった。
それは、
思いの外楽しい!!
ということ。
私は幼い頃にバレエや器械体操などの演じる類の習い事をやっていたが、
主役がとても苦手な性分であった。
だから、できるだけスポットライトに当たらないように上手くかわして生きてきた。
話は逸れるが、
その点で言うと結婚式は最悪だ。
なぜなら花嫁なんぞ、
主役中の主役。
2時間ぶっ続けでスポットライトを浴び続けたら私はきっとアタオカになってしまう。
だから私たち夫婦は、結婚式はせず
2人だけでウエディングフォトを撮り、
結婚報告を兼ねた年賀状を友人や家族に送って結婚式代わりとした。
話を戻そう。
今回の鬼役では衣装があらかじめ用意してくれていたのでそれを着た。
ラインナップはこんな感じ
・赤タイツ
・虎柄のパンツ
・黒髪アフロのかつら
・鬼のお面
大人から見れば変装感丸出しのチープな鬼だが、
子供達からしたら立派な鬼に見えるだろう。
それを身につけて緊張しながらいざ出陣。
子ども(0〜3歳)の反応はこんな感じ。
暫く「なんだ?」としばらく鬼を見つめる
あ。鬼かもしれない。と気づいて固まる
やばい、と一旦逃げる
けど、やっぱり気になって先生の後ろから鬼を見る
こわいけど、豆(今回はカラーボール)を鬼に向かって取り敢えず投げてみる
だんだん鬼が弱っていくのを見てホッとする
鬼が「友達になりたかったんだ」と告げると、すぐに仲良しモード。ハイタッチしてお友達に。
こんな感じの流れで終わった。
鬼は事務室へと手を振りながら帰る。までが鬼役。
(やり切った!)
達成感に包まれながらも、子ども達の英会話が始まるため、いつものエプロン姿へ早着替え。
事務室にいた園長先生からも「鬼良かったよ!」と太鼓判をくれた。
昨今の時代、何でもすぐに"不適切保育"と言われてしまう。
だから、鬼で必要以上に怖がらせて泣かせる事も親によっては「不適切」となり、すぐにSNSの風に乗って全国ニュースとなる。
しかし、今回は1人泣き虫な子が予想通り泣いてしまったが、その子も最後は涙を止め鬼とタッチすることができた。
これは優しめの鬼として大成功と言えるだろう。
あ〜良かった!!
そしてそんな余韻も残るまま
"ずっとここにいましたよ顔"をして保育室に合流しすぐに英語が始まった。
英語の時間では何曲も歌を歌うのだが、鬼役直後の私はハイになっていた
3歳の、クラスで一番賢い女の子の隣で一緒に「hello song」を歌っていると
その子は私の顔を見て嘲笑うようにこう言った
「モモ先生、なんか張り切り過ぎじゃないの?」
さらにはこう言った
「鬼役って誰がやったの?」
「……..( ◠‿◠ )」
なんて3歳児だ。
ませ過ぎではあるまいか。
この子は去年大泣きをしたと聞いていたぞ。
もしかして、
ブラッシュアップライフの安藤サクラか?
人生2回目回っているのか?
きっとそうだろう。。。。(完)