職員の健康診断での出来事

先日、職場の看護師が胸部レントゲン撮影を受けた。
担当の放射線技師は服の下の金具、プラスチックの付いた下着類を外すよう着替えの指示をした。X線フィルムに異物として写ってきては正確な診断ができないからだ。

撮影の準備ができ、いざ撮影しフィルムを現像すると、下肺野の端の方にリング状の異物が確認できた。担当技師は「しまった」という顔をした。看護師はキャミソールか何かを腹部の方に下ろす形で撮影に臨んだのだ。

これに対し担当技師は「もう一度撮影するので完全に脱いでください」と。
看護師は一緒にコンソール上の画像を確認し、「いやあ、このくらい大丈夫でしょ」と返した。技師は強硬的な姿勢で「いや俺たちが(主治医に)怒られるからもう一回着替えて!」と。看護師「何度も被曝したくないからこれでいいでしょ。先生に確認するから!これで終わり!」。
技師は「怒られるのは俺たちなんだから。じゃあ本当に確認してよ?」と。

看護師は逃げるようにしてレントゲン室を後にした。
その5分後、看護師から電話が来て、「先生に確認したらこれでいいよって言ってたよ」と。
技師は渋々、了承した。

さて、これの何が問題か。
看護師はアラフォーの女性看護師だ。本人の意向は被曝したくないと意思を示した。カテーテル検査にも従事しているため、日頃から看護師にしては被曝量が多い方だ。
担当技師は彼女の意を全く汲まず、自己保身のためだけに「これは問題だからもう一回撮らせて」と言い張る。これはたとえ職員でなく一般患者であっても、好ましい対応とはいえない。

医療とは患者のためにあるものだ。検査技師や医師の研究対象ではない。検査を受けるかどうか決めるのは患者だ。これ以上は検査をしないと決断するのも患者の意思が最重要だ。もちろん検査や治療を受けるメリット、デメリットは医師や担当技師から説明があるはず。それを全て聞いた上で尚且つ選択する権利を持つのは医師でも技師でもない。患者自身にある。その当たり前ともいうべき指針を理解していなかったのだ、この技師は。渋々、了承したとは書いたが、彼は感心した様子でもあった。そう舐めてるのだ。患者を。今回の職員検診でいえば看護師の女性を甘く見ていたのだ。少なくとも私の目からはそう感じた。

もし自分が受診する立場になったとき、彼ら専門職が何を考えているか一度想像してみるといいだろう。それは彼らの態度や言動に表れる。何か問題が起こったとき、私にDMして通報してもらっても構わない。彼らのしていることは許されることではないのだ。

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