被ばく相談
医療被ばく相談コーナーや相談を受け付けている掲示板がある。
医療機関の内部にもそのような名前の窓口を設置している所もあると聞く。
内容を少し覗いてみたが、感情で扇動するような返答や全く質問者の意図を読み取っておらず、お得意の自己勝手な論理で丸め込もうとしているのが常套手段だ。何のデータも提供されていない中身のない回答に憤りを感じざるを得ない。こういう場合、もともとそれ以上の見識を持っていないのか、それとも真相を知っているにも関わらず公にすると自分達の立場が危うくなるため意図的に隠していることが考えられる。同じ業界にいる私でさえも彼らがどちらかわからないと言うのが正直なところだ。だが、遺伝や染色体の研究、過去に起こった被曝の歴史を学んだ学者であれば確実に後者(意図的な隠蔽)であろう。当初の質問者が欲しい回答を得ていないままやり取りが終了されるみたいなことが多い。それで妙に納得してしまう質問者にも問題があるが、結果、騙し騙される関係であることを見抜いている者からすれば何とも後味が悪い。
「被ばく相談」を積極的に推進しているのは主に日本診療放射線技師会だ。
「一般の方にお答えするのだからなるべく平易な言葉で、専門用語を使わずに説明する」というスタンスでいるらしい。だが、平易な言葉であるから伝わりやすくなると思っているところから間違っている。特に、放射線の人体影響や被ばく線量の単位は、説明するのに最低限用語の定義を知っておかなければならない。その定義をスタートにして話が進んでいくからだ。知らなければ、いくら会話を重ねても理解には到達しないだろう。
(また別の記事で書くが、この放射線・放射能の「単位」も現実に即したものではなく、かなり観念的な意味が含まれている用語が多くある。これがかえって理解を難しくしているのは事実である。)
「被ばく相談」には疑問を科学的に解決するだけでなく、どうやら「カウンセリング」という意味合いもあるらしい。
「放射線による被曝を気にされている方、医療被曝に対してお悩みの方、ご心配な方は当放射線被ばく相談員までご相談ください」とこのように紹介される。