女学生なおばあちゃん
「おばあちゃん」として出会ったから、「お母さん」なおばあちゃんを想像するのでさえ難しいのだけど、さらに遡ると「女学生」なおばあちゃんがいました。
Q:女学生時代、楽しかったことや当時流行っていたことは?
御洒落も出来ず、食べ物もない。無い無いづくしです。学徒動員で一室6人の部屋で、一か月一度帰宅できるとき、母が大豆を煎ってお砂糖でからめてくれたのをお茶缶に入れ、皆で丸くなってポリポリポリ食べているのは、本当に楽しかったです。今の学生さんは本当に幸せですネ。
あまり深く考えずに「当時の学生ってどんな感じだろう?」と思って質問をしてみたのだけど、そうでした。おばあちゃんの学生時代は、まさに戦争真っただ中。
「学徒動員」とは、大日世界大戦の末期、労働力不足を補うために中学生以上の学生たちを軍需産業のための工場や、食糧生産のために農村部へ動員したこと。大人がどんどん減ってしまい、人手不足だから子供たちも働いていた、という歴史の教科書で習ったやつですね。
いやはや!深く考えてなかったけれど、おばあちゃんも働いていたというのが衝撃。「歴史の教科書の話」じゃなくて、リアルに体験していたんだなぁ。
おばあちゃんは新潟鐵工所で働いていたそう。本当に歴史で習う「軍需産業」の真っただ中ということ。
そこでは捕虜となった外国人も働かされていて、鎖に繋がれて、痩せていて、怖かった。
と、おばあちゃんは今でも覚えていた。信じられないけれど、でもそういう時代が存在したということ。それをおばあちゃんは体験したということ。それを今の時代のわたし達が知ることに意味があると思う。
もちろん暗い面に目を向けたらいくらでも話は出てくるだろうけど、そんな中で、貴重なお砂糖を使って作ってもらったお豆を食べながら、ルームメイトのお友達とちょっと一息する時間を覚えているおばあちゃんが素敵。
わたしも、おばあちゃんのことを思いながら、大豆を煎ってみよう。
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