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ふるさと納税の返礼品の役割

2020年は寄付金額が大幅増

2020年のふるさと納税の寄付金額が発表になりました。約6725億円(前年度比:約1.4倍)です。寄付金額が大幅増となった要因は、①2019年は返礼品が規制されたためその反動と、②巣ごもり需要と言われています。

ふるさと納税は返礼品が人気の最大の理由と言ってもいいでしょう。返礼品を辞退する方もいますが、全体からするとまだまだ少数です。

今回はふるさと納税の返礼品の役割について、私の考えを書きたいと思います。

ふるさと納税に返礼品は必要か?

返礼品をもらわなくてもふるさと納税はできますので、必須とは言えません。だからと言って返礼品は不要というのは、余りにも杓子定規です。

私は返礼品がふるさと納税の人気の理由の1つであり、地元のアピールになることから、返礼品は間違いなく必要であると思います。ただ、返礼品として何でも良いのか?と言うとそうでは無いと思います。しかし、返礼品は何でも良いか?と言うと、そうでは無いと思います。では、返礼品はどうあるべきなのでしょうか?

2019年の返礼品規制について

2019年の法改正によって返礼品に大幅な制限が加わりました。簡単に言うと、①返礼品の金額は、寄付金額の3割以内とすること。②地元の品とすることの2つです。

①は、例えば10,000円ふるさと納税したら、返礼品は3,000円以内でなければならないと言うことです。この規制がないときは、「隣の町がお米5Kgならうちは10Kgだ!」と言うことが可能でした。いわゆる、返礼品競争ですね。これを止めなさいと言うことです。

②は、例えば山間の町で、その町でとれた訳でもない蟹やウニと言った海産物は、(原則として)ダメと言うことです。地元で生産されたものだけが返礼品として認められます。

2019年の法改正以前も、「返礼品は地域と関連するものとする」と言うゆるい基準はありました。法改正により、かなり厳しく地域との関連性が規定されました。

規制前の話ですが、とある町がMicrosoftのパソコンを返礼品としていました。しかし、その町で生産されたパソコンでもありませんし、もちろん町もMicrosoftと関係ありません。「どうして町と関連がないと思われるパソコンが返礼品なのですか?」と新聞社が取材したところ、「町内の小学校でMicrosoftのパソコンを導入したから」との回答だったそうです。

私は最初冗談かと思いました。ほとんどの小学校・中学校でパソコンは導入されているでしょうし、ほぼWindowだと思うんです。それで町とMicrosoftが関連すると言うのなら、全国の市町村がMicrosoftと関連することになります。

2019年の規制ではこう言った関連があるのかないのか分からないような返礼品はNGとされました。

返礼品の役割は何か?

以前私は、返礼品が地域の活性化になるから認められると思っていました。つまり、返礼品を自治体が買い上げて送る事になるのですが、そうすれば返礼品を提供する会社が儲かり、結果自治体の税収が増えます。そうやって、返礼品を送っても、全体としてプラスになるから返礼品が認められると考えていました。

この考えは、今でも間違いではないとは思うのですが、返礼品の役割としてはもっと別のところにあると思います。

返礼品の役割は地域のPR

私が現在思っている、返礼品のもっとも重要な役割は、「地域を知ってもらう、きっかけ作り」です。

ふるさと納税サイトを見ると、ずらずらと返礼品が並んでいます。ユーザーは返礼品のなかから気に入ったものを見つけ寄付をします。ふるさと納税の目的からすると本末転倒だと思うのですが、これが現実なのです。

そうすると、より魅力的な返礼品を提供することが寄付金額を伸ばすことに間違いはありません。実際に、寄付金額が昨年比〇倍になりました!と言う自治体の取材記事を見ると、絵以外(>ω<、)返礼品を充実させたことが寄付金額が増えた原因としてあげられています。

ただ、私が1つ付け加えて欲しいのが、「その返礼品で地域の魅力が伝わりますか?」と言うことです。

ふるさと納税の検索数、アクセス数をみると、オリンピックを上回ります。それだけ皆さんの関心を集めています。そして、数多くの返礼品の中からユーザーは返礼品を選ぶわけです。それなのに「お得です!」「Amazonギフト券がおまけでつきます!」がアピールポイントではあまりにもったいない。

返礼品の紹介をするときに、返礼品の情報だけでなく、どんなところで作られたのか、どんな人が作ったのか、どんなこだわりがあるのか、どんな苦労があるのか、そういったものを通じて、自治体の魅力や取り組んでいる課題などをアピールすることが絶対に必要ですし、現在のふるさと納税では圧倒的に足りていないと思います。

そういった紹介を見て「だったら寄付してみよう!」と思う人はたくさんいるはずです。また、そうやって寄付した地域はどこにあるんだろう、どんなところなんだろうと興味関心を持ってくれるはずです。

返礼品が送られてきたけど、何地方の何県かもわからないまま「おいしかった」「お得だった」というのは本当にもったいないと思います。自治体のご担当者には、ぜひそのあたりをお願いしたいと思っています。

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