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【ラーメン紀行神奈川版①】壱六家大和店編

ラーメン屋巡りもなんだか久しぶりな気がする。新型コロナ禍の影響で昨年はまるっと1年間、ラーメンと言えばコンビニで買ってレンジで温め食うもの、になっていた。今年は、営業で戸塚区へ行った帰り、バスで自宅を目指している最中にラーメンショップ岡津店があることを思い出し、途中下車して食ったことが「食い始め」だった。確かテレビでは東京五輪の女子ソフトボールの試合を放送していた、そんなアツい時期のラーメンだった。

今回は年末へ向けて冬物衣料の買い出しをメインに、知らない間に姿を消してしまっているそば殻の枕のゲットも視野に入れつつ、隣の大和市にある高座渋谷へ行ってきた。当然、わざわざ足を延ばすのだから、神奈川県央のラーメン激戦区の一つでもあるこの駅周辺で、うまいラーメンを一杯食ってやろう、と考えて部屋を出たわけだ。

●高座渋谷は車の方が回りやすい●
小田急江ノ島線で大和から二つ藤沢方面へ下った駅である高座渋谷は、おいらのような横浜西部の人間には「近くて遠い場所」という感じだ。大和で相鉄線から小田急線へ乗り換える必要があり、距離の割に電車賃がかかるので行きにくい。
昭和の昔は農地が広がる「いかにも」な風情だったのだが、駅前の再開発と道路が整備されたことで、東京へ通勤する労働者のベッドタウンとして発展してきた。その為、21世紀になってから再び訪れたという人には、全く違う街になっていて打ちのめされるかもしれない(大袈裟w。
こういうタイプの街でラーメン屋なら、駅前商店街に集中している図をイメージするかもしれないが、いくつかある有名店は全て駅からそれなりに歩かなければならないという距離感にある。この点が、激戦区と言われながら食べ歩きには不向きなイメージにもなっている。

なぜ、わざわざ駅から離れた場所に店が点在するようになったのか?なのだが、これはこの街を走る国道467号線(俗に「町田藤沢街道」と呼ばれている)の影響が強い。元々、この道は小田急線のすぐ東沿いを走っていて、小規模な商店群もこの道路沿いにあった。だが、より東側へ新道的に国道467号線が移籍された為、今はここを中心とした街道筋の路面店がメインになっている。つまり、それがゆえに駅からは離れた場所にラーメン屋が、という形になっているわけだ。

一方、西側も駅の周りは住宅街、その外側に南北へ走る道路が走る、という構成になっており、やはり有名ラーメン店はこの道路の路面店として点在している。元々商業地ではなかったことが、この「駅→住宅街→商店」という歩かされる街に仕上がった背景になっている。

●壱六屋●
今回は、駅から見て東側の国道467号線沿いにある壱六屋で食べてみることにした。
神奈川のラーメン屋、特に家系と呼ばれるタイプに詳しい方なら、吉村屋の名をまず思い出すはずだ。現在は横浜駅西口の岡野交差点側に店を構え、新型コロナが猛威を奮う中でも行列を作ってここのラーメンをすすろうとイキる猛者が集ったことでも話題になっていたからだ。

しかし、壱六屋はその吉村家から見れば傍系にあたり、直接の関係はない。ただ、創業の理由は吉村屋のような店をやりたい、というものだったので、間接的には・・・、というか、一方的に「バリバリ意識はしている」ことは間違いないようだ。
単なる物まねでは、ということでスープは吉村屋より豚骨の比率を上げて差別化を図ったとされている。事実、かつて本店で食べた時には、博多のとんこつラーメンばりの白濁スープだった記憶がある。その為、今でも壱六家のクリーミーなスープが好き、という声をよく耳にする。
また、今では当たり前にトッピングされる「家系にうずら卵」だが、最初に導入したのはここなのだそうだ(真偽のほどは不明)。そういう意味で、オリジナリティをコンセプトにしているチェーンだと言えるだろう。

平成に入ってから横浜の磯子を拠点に店舗展開を開始、以降は神奈川県内のみならず東京などにも出店を続け、今や「壱系」と呼ばれるほどの一大勢力にのし上がろうとしている。

●大和店●
実は、かつては我が横浜市瀬谷区にも壱六屋の支店はあったのだが、現在はオーナー店の「らっち家」になっていて、それを境に足が遠のいていたりする。いや、駅から徒歩20分はかかるという遠距離にある為、通うにはそこそこの根性が必要になる、が内緒の理由なのだがw。
そうした事情もあり、おいらの住居から最も近い支店が高座渋谷にある大和店となっている。そこに店はある、ということはわかっていたが、冒頭に書いた通り横浜側からは行きにくい位置関係もあって、結局2021年11月7日まで来訪を果たすことができなかった。

大和店は、典型的な戸建て路面店で、採光が行き届いた店内は意外なほど明るい。席数はカウンター、テーブルを合わせて全部で30席が用意されている。とはいえ、現在は新型コロナ対策でカウンター席の間にアクリル板が置かれている為、通常時より席数は減らされている印象だった(数えていないっす、さーせんw)。
今回は日曜日の午後2時過ぎの入店だったが、カウンター以外に空き席はなかった。ピーク時は待機必至の人気店、と見ていいだろう。

毎度のように、注文したのはチャーシュー麺並。丼が置かれるまでだいたい7分くらい待たされたが、この客の入りなら合格点としていいだろう。
壱六屋は、二郎系ほどではないにしても「盛り」の部分で目に訴えようとしている印象がある。しかもほうれん草でかさを稼ぐのではなく、チャーシューのボリュームで訴求力を出そうとしている。これはラーメン好きの野郎には嬉しい趣向だと言えるだろう(ただ、並でこれだと女子にはきついだろうなぁ・・・)。

さてスープなのだが、これを口に運んでレンゲがピタっと止まった。確かに売りにしている豚骨は他チェーンよりも濃い、だが以前よりも醤油成分が多くなっているような気がする。
食べログなどで折に触れてあれこれチェックは入れているのだが、醤油の比率が上がっている?という感想がちらほらあったのを見て、今回はそれを自分の舌で確認しようという狙いもあった。残念ながら不安は的中してしまった。理由はわからないが、醤油のせいでクリーミーさも若干殺がれている印象だ。他店も同じ状況なら、修正し原点回帰を目指す必要はあるかもしれない。不味いわけではないが、よりうまい方向へ変わったわけではないのでね・・・。

麺も家系と言うよりも二郎系に寄った「ごつい」印象で、角切り中太ストレート。固めの茹で加減はまさに「野郎の為のラーメン」という感じ。ここにも、普通の家系を目指していないというこのチェーンの意気込み?拘り?みたいなものが具現化しているのだろう。
そういう意味で、濃いめのスープも含め、海苔をライスに巻いて食べる「家系スタイル」にはマッチする一杯と言っていい(おいらは、ラーメンの印象が薄れるのでこの食い方はしないが、おそらく相性はいいはずだ)。

店内の雰囲気も穏やかで、居心地がいい。価格もこの陣容で900円なら良心的だと言えるレベルだ。おいらの場合は、過去の味を知っていたのでどうしても減点は避けられないが、そうした事前情報がない初見の人なら十分に満足できる一杯を味わえる。近くを訪れた際には、ドアを開けてみることをお勧めだ。
今回は敢えて追加トッピングを避けたが、メニューを見ている際には250円の激得トッピングに興味が惹かれた。もしまた来る機会があるなら、試してみたいと思っている。

●他にも行きたい高座渋谷のラーメン店はある●
迷ったのだが、行列必至という口コミに心が折れて候補から外した店がある。この界隈で最高の評価を集めている「ラーメン柳」で、ここは札幌すみれの直系を謳っており、ならば当然味噌ラーメンは食べてみたい。
一方、変化球で言えば、ここ最近世間を騒がせている元バイトAKBの梅澤が経営している麺匠八雲の大和店も高座渋谷にある。壱六家を出て、イオンで買い物を終えた後に店の場所だけ確認しに行ったのだが、18時近辺で閑散としていたのが印象的だった。やはり、国産エビを使用と謳いながら、インドネシア産を購入していることがバレた「産地偽装」騒ぎで、ストーカー被害を受けた元アイドルという同情票が全部吹き飛んだのか?と見たのだが。・・・まぁ、疑われているだけなら話のタネに食ってもいいかと思っていたのだが、疑いじゃなくなった今は食う意味があるのか?と考えが変わっている。
やっぱ、行かないかなぁ、さーせんw

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多々野親父
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