人生観について
インドに行くと人生観が変わるとよく聞いていたので、その点にかなり期待していた今回の旅。
どうしよ〜 ガンジス川で価値観変わりすぎて欲という欲がなくなってからジャイプール行ったら買い付けとかできひんかも!
という心配は、結論から言うと杞憂に終わりました。
ただ、ずっと行きたくて行けなかった国に行けたというのは、とてもよかった。
噂に聞いていたインドは、だまされる、ぼったくられる、おなかこわす、異臭がする、婦女暴行が多発、死体が転がっている、ガンジス川に入ると毛穴から細菌が入ってえらいことになる、タクシーに乗っていると「Hey, Yellow monkey!」と顔面を殴られる、物騒な国。
長いあいだ憧れながらも、ちょっと怖いな、と思っていた国は、本当はとっても優しくてチャーミングでハートフルで美しくて、確かに汚いところは本当に汚いんだけど、自分の当たり前とまったく違う当たり前が当たり前の世界はすごく新鮮で刺激的で尊くて、
まだまだ世界は広い、自分の生きている世界はちっぽけで、なんて小さなことにとらわれていたんだろう、そしてやっぱりわたしは旅が好きだって、何度も思わせてくれた国でした。
行きたいけど怖いな、って思っているかたがもしいたら、それはもう、すぐにでも行ったらいいと思います。
先日のnoteでやっぱりインドは物騒な国なんだ。と思わせてしまったかたもいたようで申し訳ないのですが、目立って嫌な思いをしたのはその一件くらいで、それ以外はまったくもって平和でにこやかで幸せな旅でした。
(初日の経験で耐性ができたのもあるかな)
一週間とっても楽しく非常におおらかな気持ちで過ごしていたので、嫌な思いをしたことは特にないのですが、
強いて挙げるなら、ガンジス川のそばで日本語で話しかけてきた男の子が頼んでもいないのに勝手にガイドしてきて、「自分のペースで見たいから。」と断ると「ジブンデ見テモナニモワカラナイネ。タカイオカネ出シテココマデ来テナニモワカラナイ知ラナイママ帰ルバカミタイ」と言ってずっとついてきて、無視して歩いても視界に入って来て、やっと黙ってくれたと思ったら一定の間でカタコトの日本語を話すので、神聖な火葬場の雰囲気が台無しになったこと。
人生観を変えたいなんて思って行っているので、どっぷり雰囲気を感じたかった身としては、口がへの字にならざるを得ない体験でした。
でも感心だったのは、その彼が、案内すること自体にはお金を取ろうとしなかったこと。
モロッコマラケシュだと、歩いているだけで聞いてもいないのに勝手に道案内され、到着すると「気持ちを示せ、俺にミントティー代くらいくれてもいいだろ」とお金を要求される。もちろん払わないが、払わないと背後でモロッコ語で悪態をつかれます。
ところがインドの彼は、見たいところを見終わったら近くにある自分の店に来てほしい、買う買わないは見てから決めていいから、とりあえず一回うちの店を見てほしい、とそれだけでした。
彼の店はちょうどそのあと行きたい場所のあたりにあったので、まぁ行ってあげてもいいか、とついて行くと、
待ち構えていたお父さんみたいな人が「サリー、パシュミナ、ダボダボパンツ、何デモアリマス何ホシイデスカ」という。
地球の「アルキカタ」にも載っていて、インドのお土産ものはだいたい揃うお店のようでしたが、我々は特に欲しいものがなかったので、多少恨み言は言われましたがすっと帰りました。
おいーもうちょっと神聖な空気を堪能させてくれよ、と最初思いはしたけれど、でもなんだか憎めないというか、面白くて(funnyではなくinteresting)、
一週間を通して思ったことは、インドの人は自分の目的に対してとても真剣で正直でまっすぐなんだなということ。
インドにはインドの、その町にはその町の生き方があって、それぞれが我を押し通しつつも、助け合って共存している感じが、日本にはまったくみられない光景で、それってとっても尊いと思いました。
そんなわけで、もうすぐ三十二年生きてきた人生観価値観ががらっと変わるようなできごとや瞬間はなかったものの、思うようにいかない出来事が当たり前の一週間をすごすことによって、以前よりかなり気持ちがおおらかになって帰国しました。
思い通りにならないことだらけのインドに比べたら、日本で自分が感じる問題なんてとるに足らな過ぎて、なんの悩みでもないな、と思えるようになったのは、元来ナイーブなわたしにとってはとてもありがたいことです。
ついでにインドで日本人はとても珍しいようで、じっと見つめられたり微笑みかけられたり、一緒に写真を撮ってくれとかわるがわるせがまれたり、過去稀に見る大モテを経験したので、わたしまだイケる国あった、と、三十路女は勇気づけられました。
たぶんいまごろいろんなインド人のfacebookに登場してるんだろうな。
わたしはインド人の小さな顔に大きなパーツが収まっている無駄のなさ、すらっと手足の長いスタイルの良さ、まったくみんながみんなスーパーモデルのように美しいと思っているのですが、そこに並んで写る東アジア人まるだし中肉中背余白多め丸顔のわたし、悪口を書かれていないことを祈ります。
(本当に、大げさでなく、顔が二倍の写真があり驚愕、ここには載せられません。)
⬆︎全員が全員八頭身のセレブインド人ファミリー
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