中共の嘘を見抜き、神の愛によって御前に引き戻される(上)
ケム(韓国)
中共の嘘に惑わされ、妻の信仰を妨害する
「もう一度言う。俺に神の話をするのはもうやめてくれ。この宗教の信者たちとはもう関わってはいけない。今度連中とやりとりしているのがわかったら、携帯を叩き割るぞ」
「どうして。どうして信仰の邪魔をするの」妻は混乱に満ちた表情で私にそう尋ねました。
「どうしてだと。お前自身のため、それに我が家のためだ。中共が全能神教会を厳しく取り締まって弾圧しているのを知らないのか。2014年に起きた五二八招遠事件のことを知らないのか。ネットでは事件の主犯の張立冬(チャンリドン)が全能神教会の信者だったって話だ。連中と付き合ったら、いいカモにされるだけじゃないか」
妻は毅然として答えました。「チャンリドンたちは全能神教会じゃなかったの。ネットの話を鵜呑みにしないで。私は全能神教会の兄弟姉妹と二、三ヶ月接してきて、みんな人に親切で誠実な、立派な人たちなのを見てきた。誰かが困っているときはいつも助け合ってる。ネットで言われていることとは全然違う」
私は腹を立て、納得できませんでした。「ネットを見て自分の目で確かめるんだ。そうすれば、俺が正しいかどうかがわかる」
すると妻は私を椅子に座らせて言いました。「あなたは物事をしっかり考える人なんだから、このことには理性的に対処して、事実に従って話さないと。一方の話だけを聞いちゃだめよ。中国の主要メディアはどれも中共の代弁者でしかない。中共が人民を欺く道具に過ぎないのよ。そんなメディアの報道にどんな信頼性があるの。1989年の天安門事件を忘れたのかしら。天安門広場で学生たちが政府の腐敗に抗議し、自由と民主主義を主張していたけど、中共は身元不明の人を何人か見つけて、学生たちの中に潜り込ませ、暴力や破壊、略奪や放火をさせたり、軍用車をひっくり返させたりした。大混乱を起こして学生たちにその罪を着せたのよ。その後中共はテレビやラジオなどのメディアを使って報道を次々に流し、学生たちを反革命の暴徒と中傷し、何千人もの生身の学生を戦車でつぶした。中共の歴史を知っている人なら誰でも、党がいつも正義をふみにじってきたことも、異なる政治的見解や意見を持つ集団や個人の存在を認めないことも知っている。独裁政権を実現させるために、中共はいつもそういう集団や人たちを攻撃して断罪し、弾圧したり抹殺したりもした。中共が宗教信仰や民主化運動や少数民族の抗議を暴力で弾圧するときは、いつもまず偽りの事件を捏造して、世論を激しく騒がせて、市民を扇動してから相手を暴力で弾圧する。それが事実なの。五二八招遠事件も、中共が全能神教会を陥れるためのものよ。また偽りの事件を念入りにでっちあげたの」
私は妻の話にまったく反論できず、考えました。「妻は天安門事件の犠牲者の家族に知り合いがいるし、内情を知っている。言ったことは全部本当だ。だが、たとえその招遠事件が全能神教会と無関係だとしても、俺はそこの信者と接したことがないし、どんな教会なのかわからない。今の世の中は混乱している。もし妻が騙されていたらどうする」それで私は妻に、全能神教会の者とは誰も接触してはいけないと言い、ドアをバンと閉め、涙を流している妻を残して部屋を出ました。
月明かりも星もない、とりわけ暗い夜でした。私は実に嫌な気分で道を歩きました。妻との十年間の結婚生活を振り返ると、出会ってから恋に落ち、結婚するまでの間も、私たちは多くの困難に遭いましたが、どんなことがあっても話し合い、支え合ってきました。大喧嘩になったことは一度もありません。なのに私は、信仰を理由に妻をしかりつけました。妻をそのように扱うべきではないと感じました。とはいえ、「ネットでは全能神教会はろくなものじゃないと言われているんだから、信仰を実践させない方が妻のためになる。どうしてわかってくれないんだ」と思いました。そのとき私は非常に疲れと苛立ちを感じていました。携帯電話を取り出すと、素晴らしい一家団欒の写真が目の前に現われました。娘のかわいい笑顔のおかげで一時的に疲労感が消えました。私は「俺は一家の大黒柱だ。妻の信仰をやめさせることは妻を守ることになるし、それが我が家のためなんだ。だから自分の立場を貫かなくては」と考えました。
それからしばらくの間、私は妻の感情を傷つけることを恐れ、敢えて激しく衝突しようとしなかったため、妻にはただ神が絡んだ話はしないように言いました。夫婦仲は表面的には正常で良好に見えましたが、二人の間にはすでに亀裂が生じていました。
全能神教会の驚くべき踊りと歌の動画で好奇心が湧く
ある日、ちょうど仕事を終えて玄関をくぐると、寝室から広がる陽気な音楽と、妻と娘の嬉しそうな笑い声が聞こえました。私は不思議に思いました。「何だ。家でこんな楽しい音や声を聞いたのは久しぶりだ。妻は韓国に来てからずっとここの環境に全然馴染んでいなかった。生活様式も言葉も違うから。特に、年老いた母親と好きな仕事から離れていて、親戚も友人もそばにいない。よく一人で座って泣いている。俺は妻の辛くて困っている姿を見てきたが、どうすれば慰められるかわからなかった。では、妻を今こんな幸せな気持ちにしているのはどんな歌なんだ」私はとても静かにドアを開け、「神の真の愛」という全能神教会が制作した踊りと歌の動画を目にしました。6人の若い女性が楽しく踊り、美しく歌っており、彼女たちのそうしたうれしそうな笑顔が特に感動的でした。私はすぐに引き込まれました。「どんな教会だ。どんな人たちの集まりなんだ。この人たちの歌や踊りにこんなに感化され、癒されるのはなぜだ。もし本当に悪い人たちなら、どうしてこんなに優しくて純粋な笑顔になれるだろう」と好奇心でいっぱいでした。
娘は私を見るとうれしそうに「パパ、すてきな歌でしょう。ママも私も本当にこの歌が好きなの。一緒に歌って踊ろう」と言いました。私は娘を抱きかかえ、その小さな顔に接吻し、「パパはエネルギーがあって力強い歌と踊りが好きだよ」と甘い口調で言いました。娘は頭を振ってしばらく考えました。「パパ、タップダンスが好きだよね。ママ、あのすごい歌をかけてあげて。」私は娘の話の邪魔をする気にはなれず、全能神教会のものでもいいからちょっとの間だけ見てみよう、こんな円満な雰囲気はこの頃の我が家にはなかなかないからな、と判断しました。娘を抱きながら、私は妻の隣に座って見始めました。「神は栄光を東方にもたらした」という踊りと歌の動画には、愉快なリズムによる力と活気がありました。実に刺激的な精神が踊りによって表されていました。私は普段から踊りが好きだったので、すっかり引き込まれました。没頭している私を見て、妻は胸を躍らせて言いました。「この歌と踊りは全部全能神教会の兄弟姉妹がアレンジして、動画にしたの。誰もプロじゃないのよ」私はこのことについて熟考せずにはいられませんでした。「プロの訓練を受けていない人たちがどうしてこんなに信じられないほどうまく踊れるんだ」妻は微笑んで言いました。「すごいわ。神様自身の働きとお導きがなかったら、プロじゃない人たちがこんなふうに踊れるかしら。彼らが作った映画を見たらもっとびっくりするわ。全能神教会には聖霊の働きがあるの。神様の祝福があるのよ。だからこの人たちの踊りや映画はすごくよくできているし、しかも映画で伝えられている真理はすべて人間のためになるの。ネットの否定的な宣伝はどれも、中共が全能神教会に関して嘘を広めているに過ぎない。全然本当のことじゃないのよ。中共がこんな嘘を広めているのは、みんなが全能神教会に反感を持ち、終わりの日の神様の働きをあえて探らせないようにするためなの。そうなればみんな神様の救いを失ってしまう」
妻の話を聞き、目を輝かせている妻を見て、私はさらに興味が湧きました。妻が全能神を信じ始めて以来、ホームシックと母親の恋しさによる憂鬱から立ち直ったことを、私は振り返りました。 また、娘に対してもっと辛抱強くなり、癇癪を起こさなくなったことにも気づきました。私に対しても非常に面倒見が良くなってくれました。本当に全能神が妻を変えてくださったのでしょうか。全能神教会は妻が言うように本当に立派なのでしょうか。このことをとくと考えると、心が困惑しているように感じ、妻に信仰を続けさせるべきかどうかわかりませんでした。自分の中のこの葛藤の末、私は自分で確かめてみることにしました。もしネットで言われているとおりでなければ、もう妻の邪魔をするつもりはありません。
教会について調べているとき、ミュージカルに心を動かされる
仕事が休みの週末に、私は妻に寄り添って、全能神教会を見に行きたいと言いました。妻は驚きつつも喜びました。私たちがそこに着くと、兄弟姉妹が暖かく迎えてくれ、彼らの言葉、仕草、他の人との接し方から、親切で誠実な人たちだと感じられました。私の警戒心は徐々に解かれました。すると、ある姉妹が全員の前で「兄弟姉妹の皆さん、ミュージカルの『小真(シャオチェン)の物語』が国際的な賞を受けました」と興奮した口調で言いました。私は好奇心から「見せてもらえますか」と尋ねました。兄弟姉妹は口々に「いいですよ」と首を縦に振って、ミュージカルを再生してくれました。劇中のシャオチェンの波乱万丈の人生にとても心を打たれ、私は自分自身も「シャオチェン」ではないかと思い返しました。私は少年時代、混沌とした家庭環境のせいで世間をさまよい、ただ生き延びるためにありとあらゆるいじめや屈辱、人の冷たさを受けてきました。そして今は苦労し、一生懸命働いて生計を立て、酸いも甘いも噛み分けていました。何年もの紆余曲折を経て大いに苦しみ、疲れと悲しみを感じましたが、妻と友人の前では強く振る舞っていました。誰が本当に私の心の痛みを知ることができたでしょうか。ミュージカルの終盤で次の歌が歌われました。
「全能者は深い苦しみの中にあったこのような人々に慈しみを抱く。同時に、全能者は何の知覚もないこのような人々にうんざりしている。なぜなら、人間から答えを得るのに、あまりにも長く待たねばならなかったからである。全能者は探したい、あなたの心と霊を探し、あなたに水と食料を施したい、あなたを目覚めさせたいと思っている。それにより、もはやあなたが渇きと飢えを感じないようにである。あなたが疲れているとき、この世の荒廃のようなものを感じはじめるとき、途方に暮れてはならない、泣いてはならない。全能神という、見守る者がいつでもあなたが来るのを抱擁して迎えるからである。」(『小羊に従って新しい歌を歌おう』の「神はあなたの心と霊を捜し求めている」より)
歌の一行一行が迷い悩む私の魂を温めてくれ、歌われた音符の一つ一つが、消息不明だった子供に手を差し伸べている母親のように感じられました。私が感じたのは愛の呼びかけだったのです。非常に感動しました。ミュージカルが終わると、涙が顔を伝うのをこらえられませんでした。大勢の人の前で泣いたのは初めてで、少し気まずくなったので、急いで静かに振り向いて涙を拭きました。「すごくいいミュージカルだ」と私は心の底から叫び、『小真の物語』に拍手をしました。
妻は私を見てうれしそうに、そして感極まりながら言いました。「あなたが『小真の物語』に心を打たれたのは、神様が動かしてくださったからよ。あなたが五二八招遠事件に影響されたことも、終わりの日の全能神の働きについてかなり誤解していることも知ってるわ。あなたが私と娘の安全を心配していることもわかっている。だから今日、あの事件で実際に何が起こったのか調べて確かめましょう」